Posted by ブクログ
2014年07月21日
「メッシと滅私」
個か組織か。
サッカーで勝つ為には、個を重視すべきか組織を高めるべきか。それは、国によって違うだろうが、勝つ為には、2つとも必要だと思います。しかし、どちらか1つしか選べないなら、個。なぜなら組織は個の集まりなのだから、個を考えなければ、組織を構築出来ないし、個を活かせば、強い...続きを読む組織を作る事が出来ると思うからです。
例えば、アルゼンチンはメッシと言う個をディマリアとマスケラーノを中心とする組織が活かす事を徹底したチーム構成になっていたけど、その組織は、個の力が無ければ、成立しなかったと思います。本大会のメッシは、敵のマークを外す動きの少なさや守備へのアクションの弱さ、等攻守におけるプレーの安定感はイマイチだったのだから、組織が高レベルで構築されていなければ、決勝まで行けなかった(あくまで私の意見)。
その組織の中心にいたマスケラーノは、恐ろしい程の危機察知能力にボール奪取力、カバーリング、スピード、等を備えるクラック。しかも、彼はビルドアップが苦手なCBの代わりに、パス供給源としても機能。彼の様な強力な個がいなければ、決してハイレベルとは言えない守備ラインを備えているアルゼンチンが、決勝まで来る事は出来なかったと思います。実際、準決勝終了時点でのパス本数は大会トップの509本で、成功率は90%以上。タックル数は28タックルでこちらも大会最多でした。いやはや恐れ入ります。
また、ディマリアは、攻守の分断を防いだ最大の功労者です。本大会のアルゼンチンは、攻守分断性のチームで、開催前の評価は高くありませんでした。メッシを中心とした攻撃陣とマスケラーノがいる守備陣が分断されたひと昔前のサッカーでは、国際大会では勝てないと。また、サッカー自体も連動性が無く、娯楽性を感じないとも。
では、何故アルゼンチンは決勝まで来れたのか。それは、ディマリアが攻守の分断を限りなく防いでいたから。グループリーグからコンディションを保ち、本来の位置では無い中盤であれだけ攻守に質の高いプレーをする彼が居なければ、間違いなくアルゼンチンは決勝に来れなかったと思います。そんなクラックを放出するかも知れないマドリーは、間違っていると思うんですが。
マスケラーノとディマリアと言う個がいたからこそ、サベーラ監督はメッシの為に強力な組織を作る事が出来た。最も終わってみれば、メッシと言うより、マスケラーノとディマリアのチームでしたが。
個を高める事が、組織を高める事に繋がる。では、その個を高めるにはどうすべきか。個の力が高い国とそうでは無い国、もっと言えば、日本とは何が違うのか。
その違いに面白い角度から迫っているのが本作です。一見、ちょっと無謀な視点ですが、サッカーに通ずる所を抑えてもいますので、こういう見方もあるのかと勉強になります。
因みに、著者は面白い記事を書くので好きです。なんか生き方も。無謀に見える時もありますがw