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「ファイナンス」と「テクノロジー」を組み合わせた造語「フィンテック(Fintech)」。金融業界のみならず、社会の仕組みまで変えていく可能性に満ちている。近未来のビジネスや生活はどのように変わるのか? 欧米の最新事例をもとにリポートする。
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Posted by ブクログ
ちまたで話題のフィンテックについて、現状と未来予測をまとめている本。本書の特徴としては、とにかく分かりやすい点にある。 ケニアで大流行している携帯電話による送金サービスエムペサの事例から本書は始まり、シリコンバレーや欧州の最先端の事例を紹介してくれる。 以下に備忘録として、面白かった点を記載してお...続きを読むく。 ①エムペサの始まり エムペサの始まりは、英国の通信会社ヴォーダフォンにさかのぼる。社会事業部門として途上国に通信インフラを普及させようとしていたエンジニアが、携帯電話による送金サービスを使用すれば、金融アクセスのない途上国の貧困層を援助できると発案したことがきっかけである。 エムペサは、ケニアの成功例を引っさげて、タンザニアやインドでも同じビジネスモデルを展開している。 ②新しい奨学金制度ソフィ 米国ベンチャーが始めた奨学金ローンが学生の間で大流行している。ソフィと呼ばれる奨学金ローンは、学生がウェブサイトに入力した情報から将来の返済能力を予測し、大学の卒業生、機関投資家、個人投資家から資金を募る。通常の奨学金ローンよりも低利かつ、奨学金生にはキャリアサポートまでつくため、大人気である。そして、ソフトバンクグループは、ソフィを開発したベンチャー企業に出資している。 ③貸し出し人の返済能力の審査機能 現状の金融機関は、資金を貸し出す際に、クレジットカードの履歴や勤務地、年収などから貸し出し人の将来の返済能力を計算している。 驚くべきことに、フィンテックでは、この審査機能をFacebookなどのソーシャルメディアを用いて実施されている。収集したビックデータを基にして、貸し出し人の返済能力を計算し、適切な融資審査を下せるようになっている。 ④進化するPFM PFM(Personal Finance Management)とは、個人の資産を管理することであり、日本ではマネーフォーワードを始めとする家計簿アプリが有名である。米国で大流行しているラーンベストというアプリでは、有料課金で24時間対応でファイナンシャルプランナーにチャットで相談できるようになっており、もちろん、値段は通常の相談料よりもはるかに安い。 PFMの将来としては、個人の消費性向や未来の貯蓄を計算する機能が加わる。例えば、家計簿アプリを銀行口座やクレジットカードと紐づけておけば、毎月の支払いの傾向が分かるようになり、将来の消費を予測することができるようになる。 ⑤フレンドインシュアランス 米国ベンチャー企業が発案した、フレンドインシュアランスと呼ばれるあたらしい保険サービスが注目を集めている。一定の掛け金をグループ単位で保険会社に収めるが、仮に病気や疾病がなければ、グループに返済される仕組みである。かつ、グループ内のメンバーは個人が任意で選ぶことができるため、自然と返済能力の高い人をグループに誘うことになる。 ⑥進化する保険サービス 最先端の保険サービスは、利用者が保険会社を比較検討する際に、ユニークな質問をすることで、利用者にとって最適な保険会社を提案する。たとえば、「毎月、何万円まで無駄遣いに使うことができますか」「100万円が10パーセントの確率で当たる宝くじに、あなたは何万円まで出しますか」と言った質問に、利用者が回答するだけでよい。プログラムがこうした質問の回答から、利用者のリスク選好を計算し、最適な保険会社やサービスを提案する。 ⑦トランスファーワイズ トランスファーワイズは、先進的な海外送金サービスである。自国から他国へと送金するペアと、他国から自国へと送金するペアとマッチングさせ、自国内で取引を完結させる仕組みを形成している。このマッチングのおかげで、海外送金の際に発生する手数料を大幅に抑えることができ、利用者が急増している。 ⑧ブロックチェーンの使い方 ブロックチェーンは、10分間に実施された取引をブロックの中に1MBの情報に閉じ込め、それを数珠繋ぎにしているデータベースである。従来のデータベースが中央管理体制であったが、ブロックチェーンは、P2Pで管理されている。 このブロックチェーンは情報の改竄が困難であるため、生産物の原産地証明に使われている。例えば、ブラッドダイアモンドと呼ばれる、紛争国におけるダイヤモンドの原産地証明に、ブロックチェーンの技術が応用されている。 ⑨Iotと家電製品 サムスンがマスターカードと提携して、自動で注文をする冷蔵庫を開発した。冷蔵庫内の野菜や飲み物が不足していることをデータで把握し、必要な分をネットショップでマスターカードを使用して購入するのである。 ⑩センサー技術 個人認証をする手段として、虹彩や顔認証が用いられている。実際に、インドでは2010年より12億人の虹彩データ把握し、個人認証を普及させようとしている。
エムペサ@ケニアを例に、実際に世界を変えたFintech技術やサービスを数多く紹介。お金に関するこれまでになかったサービスや、よりお金を賢く使えるサービスが今後増えていくだろうと実感
ケニアで普及したエムペザについて書かれている。 その他モバイルマネ-についても書かれている。 銀行以外が銀行の役割を ソーシャルレンディング クラウドファンディング お金の管理 PFMサービス 保険の進化 P2P保険 より多くのデータでより正確にリスクを把握 フィンテックの本丸決済サービス モバ...続きを読むイル決済、海外送金 フィンテックについてのさまざまなことが書かれている本
フィンテックだけでなく、ビットコイン&ブロックチェーンについてもわかりやすい例で知れたのは良かった!
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小林啓倫
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