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Posted by ブクログ
この間偶然見かけたテレビでの対談で、中谷美紀が「私には元々何もないからこそ、演じるのだと思う。伝えなくてはいけない言葉と感情を、私の身体を通して伝えているだけ」というような内容を言っていて、この人は、謙遜ではなく本気で自分は「何もない」と思っていそうだなと思った。
また、中谷美紀ではないけれど、違う女優さんが自分のことを表す言葉に「慎重で大胆、繊細で鈍感」を選んでいたように、彼女もまたひとつの言葉では表せない。
透明感のある演技の裏に、思わず電車の中で吹き出しそうになる文章を書く力もあり、素晴らしい集中力で役を引き寄せ、役に近付いたかと思えば、自信のことを「ひねまがった根性」の持ち主だという。
女優業のなんたるかが垣間見えるのはもちろんのこと、女優という人間の持つ業の深さもちらりと見え隠れする。魅力的でありながらどこか冷たく、感情に寄り添う側面と、それから容赦なく離れて行く側面もあり、女優というのは「なりたい」と思って努力してなるものではないのだなと痛感したりもする。
つい最近読んだ某モデルさんのエッセイと比べてしまってはあまりにあまりなのかもしれないけれど、文才というのもまた、「得よう!」と思って得られるものではないのかもしれない。
兎にも角にも、天から二物も三物も与えられてしまった彼女にの死角はどこなのか。考えても考えても思いつかない。おそるべし、中谷美紀。
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