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子どもたちに早くから英語を学ばせようというプレッシャーが強まっている。「早く始めるほど良い」という神話はどこからきたのか? 大人になったら手遅れなのか? 言語習得と年齢の関係についての研究の跡をたどり、問題点をあぶり出す。早期開始よりも重要な要素とは何か、誰がどのように教えるのがよいのだろうか。
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Posted by ブクログ
英語学習に限らず、第二言語習得に関する研究を次々紹介してくれる一冊。 よく言われる「臨界期」は本当に存在するのか?決まった年齢を超えてからの言語習得は不可能または、一定のレベルに達することができなくなるのか?などの問いの答えとなるようなならないような研究がたくさん出てくる。 虐待等により正常に言語を...続きを読む習得できなかった事例には心が痛んだ。 20代以降でも外国語を現地の人のように操れるようになった達人の事例や、学習開始年齢よりも学習時間の影響が大きいというような話には単純に励まされた。 全体的にはタイトルに対するハッキリとした答えは出てこない。というか、こっちを取ったらあっちが立たず、これについて調べたらあれについては条件が整えられない、みたいなそもそもの研究の難しさみたいな話が多い。 そもそもネイティブスピーカー=その言語のモノリンガルであることが多い者であることを踏まえると、第二言語学習者の発音や文法などの判定にネイティブスピーカー並みであることを言語習得の到達点として設定することが適切であるのか?という疑問点は今まで考えたことがなくて目からウロコだった。バイリンガルもネイティブ×2みたいな単純なことではなく、互いの言語の知識や技能が影響し合っているのか、独特な言語スキルであるらしい。 学習開始年齢が歳をいってからだと、習得度を測るテストを受ける時点での年齢も高く、瞬発力のようなものがいるテストでは習得度合と関係なくそもそも若い人と比べて不利になりやすい可能性もあるとの話もあり、逆に学習開始年齢が若いとテストを受ける時点でテスト内容の理解が難しく点数が低く出る可能性もあるという話もあり、本当に難しい研究分野なんだなと思った。 音の聞き分けや発音については早期に学習開始したほうが良いのだろうけど、他の面では、日本語の読み書きや他教科で身につけた能力を使えるようになる年齢になってから始めても充分というか、その方が有利な面もあるのだなというように受け取った。
子供の第二言語習得を研究する筆者が、子供が語学学習の天才であるかのような思い込みが根強くあるところ、科学的にわかっていることは何か、実証研究の結果を整理し現実的に期待できるのはどういうことで、早期外国語学習をどういう形で導入するのが子供達のためになるのかを探求する興味深い書。早期英語教育の導入にあた...続きを読むって児童の社会経済レベルへの配慮が不可欠とのメッセージは重いですね。
幼少期からのバイリンガル教育は母国語の思考発達の妨げになると思い込んでいたので、早期英語教育には否定的だったが、研究で明らかにされていないことも多く、結論づけるのは時期尚早という印象。
ひとことで言うと、分かっていないことが結構多いということがよく分かった。 それでも、多くの学術データが紹介されており大いに参考になった。 外国語学習であれば後々挽回できそうなので、1歳娘への英語教育は焦らず、まずは母語に注力したい。
第1章から第6章まではこれまでの研究成果を綿密に考察しており,専門家には有用な部分だと感じたが,一般の読者にはやや難しいのでは.第7章がポイントだ.早期に外国語を学ぶことの重要性はあまりないことを強調し,学習時間が習得の程度を左右する由.その通りだと思う.週に一時間,英語を学んで身につくと考える方が...続きを読む異常だ.
英語の早期学習という場合でも、様々な要因があるにも関わらず、単純化されているということを明らかにした本である。
~という研究結果があったが、~なので正確な評価は分からない。みたいな結論ばっかりでどっちやねん!とはなった。評価の方法や定義づけが定まっていないまだまだ研究の余地のあ分野で、変なこと言えないのは分かるけど。 とりあえず臨界期に近いものは存在するけど、明確な区切りはない。ネイティブになるのはほぼ無理...続きを読む。早期学習よりも、総学習時間が大事って事は分かった。
第二言語及び外国語習得の年齢との関係についてのサーベイ。 よその国に行って第二言語として習得する場合と、時刻にいて外国語を習得する場合がまず違うというのが新鮮。前者の場合は早いほうが確実にいいが、後者の場合はどれだけ接するかがかなり需要で、それがない場合はむしろ自国言語がちゃんとできたほうが外国語の...続きを読む習得には良いという研究結果もある。 まず大事なのは、多く外国語に触れる、適切なフィードバックをもらう。そもそも積極的な学習に関わる。 また早く始めたからといって、自国言語がおろそかになるというエビデンスはまだないとのこと。
第二言語の学習年齢に焦点を当て、外国語学習は早ければ早いほどよいのか、臨海期(学習が可能な一定期間のこと)はあるのか、などについて、世界中の様々な研究を紹介し、まとめたもの。 各研究について、非常に詳しく紹介されているため、その研究の意図と結果が理解できないものも数多くあり、さらに、最後の最後まで著...続きを読む者がまとめてくれないため、様々な研究の羅列になっている感がある。 最終的には、英語学習は小学3年生頃から開始するのが良いのではないか、と書いてある。 ただし、まず、英語を教える先生方が、良い教授法を習得する必要があるということだ。
音声認識、発音以外は早ければ良いという単純な話ではない、多量の良質なインプットが重要だという話はよく聞くことだ。 後者を指摘するならば、小学校からのイマージョンなり、内容重視の方法なり、コンテクストを伴うインプットをもたらすものとして、より評価されてもいいと思われるが、著者は日本の英語環境が十分では...続きを読むないと慎重だ。 結局、今のような英語教育を少し工夫して、教員研修にお金をかけて、担任ががんばって授業数を増やし、保護者は過度な期待を持たなければいいのだということだろうか?
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