Posted by ブクログ
2016年04月13日
待望の最新刊
農業ものとしても、エッセイものとしても、ここまで面白さの質が高い作品も、そうはないだろう
経験ってのは、とことん武器になるんだな、と納得できる
酪農家ってのは、こんなコアな人生を送るのか、と誤解を招きかねないのではw
まぁ、こうもコミカルに描けるのは荒川先生くらいのもんだろうけど
『百...続きを読む姓貴族』を描く上で『銀の匙 Silver Spoon』の執筆が活きているし、逆も然りだろう
一般人なら、いつもの事と見過ごしてしまう、小さなイベントでも、漫画を描くのに活かす才能は漫画に必須だろうが、荒川先生はそこがズバ抜けているのかもしれない
ズバ抜けていると言えば、やはり、先生のお父さん
何だろう、この生命力は。一度、大きな病院で精密検査をしたら、それこそ、医療に一石を投じるだけの大きな発見があるんじゃないか、と思うほど。それとも、高僧が魂消るほど、とてつもなく、強い力を持った守護霊に護られているのか。他人様の父親に、こんな事を言うのも失礼千万だろうが、ホント、この親父さんが死ぬイメージが微塵も湧かない
毎話のテーマは、どれも面白いが、特に異彩を放っているのは表紙も飾っている、タコ型火星人が登場する、41頭目だ。YJで大好評連載中の、『テラフォーマーズ』(貴家悠/橘賢一)にライバル心を剥き出しにしているのか、は定かじゃないが、このまま、科学技術が良い方向に発展したのなら、火星を農耕地に出来る可能性は0じゃないだろう。異星人が地球に来た際、コミュニケーションを円滑に取れる職種はダンサーと数学者だと言うが、逆に異星に行った際、そこでバリバリ働けるのは、やはり、農耕関係者なんだろうな、と思わせる説得力があった
世知辛いなぁ、と思ったのは43頭目。少なくても、多くても、酪農家は振り回されちゃうのな
つい笑ってしまったのは、凄腕の酔拳使いが子供相手に大人気もない活躍(笑)をする、49頭目。お酒の力ってスゴい
この台詞を引用に選んだのは、インパクトがあったので。人生にゃ、墓場まで持って行かなきゃいけない秘密があるもんだ