ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国

ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国

1,650円 (税込)

8pt

欧米の手法や技術を丸のみすると食あたりを起こす。時折この比喩を用いてきたがある時「適応異常」という言葉を知った。欧米から何かを取り入れ、適応できたつもりでいても実際には異常を来している。これが適応異常で食あたりと違い自覚症状が無い場合が多いから厄介だ。
近代化に伴う適応異常とその対策が本書の主題である。主題を考えるための題材として日本企業がコンピューターを取り入れる際に生じる混乱を取り上げた。コンピューターは欧米の合理主義の精華だが、日本はコンピュータの製造でも使いこなしでも一時期は欧米を上回るかのような成果を上げた。だがコンピュータに関わる人々を見ると担い手も利用者も苦労が絶えない。何か歪みがある。
本書を読んで頂きたいのは経営者やビジネスリーダーの方々である。収録した原稿は元々日経ビジネスオンラインというウェブサイトに、こうした方々に向けて書いたものだ。コンピューターは題材に過ぎないからそれに関心が無くても、欧米の考え方や手法を取り入れた時の問題と対策を考える際に役立つと自負している。
本書は四つの章に分かれている。第一章に適応異常の実態を、第三章にその原因をそれぞれ書いた。深刻な事故や事件はあえて避け、変だと気付かない事象を取り上げている。第二章はいわば総論で問題と対策の骨子を手短に記している。第四章には主にコンピューター利活用における対策をまとめたが、四章の内容の抽象度を一段上げて読んで頂くと他の技術利活用の際の対策になるはずだ。どの章からでもどの節からでも読めるので気楽に頁をめくり、関心を持たれた所から読み、ご自分なりに考えていただければと思う。

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ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年02月05日

    前職の時から感じてた事、そのままですね。
    ホント、日本のドメの会社はITの地位低すぎるよ。だから事業会社でITやる優秀な人間がいないんだよね。
    米国ではIT人材の72%が事業会社にいるのに対して、日本は75%がIT会社にいるの。真逆だと。
    そりゃー、まともな要件も出せないし、作ったシステムのまともな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年03月23日

    基本的にWebサイトのコラムをとりまとめた内容とのことで、内容が多岐に飛ぶというか、脱線している感がある。
    アメリカのソフトウェアの内製化割合等は初めて知る内容で良かった。
    全体的に抽象度が高い話題になっていると言えばそうとも言えない。抽象度が高い話題、多岐に渡る話題(文化的、歴史的、思考・思想的)...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年03月14日

    タイトルが示すような、単純にITに関する日米の比較を論じた本ではありません。
    経営と技術にまつわる様々な問題を掘り下げることで、情報システムのあり方について今一度考え直すきっかけを与えてくれます。経営者や情報システム部門の管理者向けの書籍といえるでしょう。

    日進月歩で進歩する情報技術の波の中で、技...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年02月23日

    ITは手段である、ということを日米比較を通して述べている。
    よく"米国にはSIerなどない"というような乱暴な論調が見られるが、米国の内製化の概念を理解した上で判断すべきだと感じる。本書では、そのあたりにも触れられており、日本のSIをどうしていくべきかを考えるのに役立つ。

    ■主...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年02月11日

    副題に記載された通り、ソフトウェア以外の話題に触れられており、日本近代化の諸問題についての分析や知見が得られる本。ただ、連載の書籍化であるため、筆者の主張がぼやけてしまっている印象は否めない。また、マネジメント特にドラッカーに関する記述が多く(それはそれで面白いのだが)、いっそ別の書籍に分けるベキで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年01月26日

    日米のITユーザー企業、ITベンダー企業の違い(必ずしも欧米万歳ではない)を説き、元々欧米が発祥であるITを日本に適応させる諸問題を先の大戦そして明治からの近代化にまで遡って検証し、日本のITの将来を考察する。
    日経ビジネスオンラインに連載していた記事の加筆訂正版なのでそれほど新鮮味は無いが、日本の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年01月16日

    IT分野は米国の後じんを拝してしまったため、ソフトを自分で作らなくなる文化となってしまったのかなという気がします。直接的な要因ではないにしろ、、、
    米国の担当者が、日本のITの現場をアウトソーシングして、企画だけ自分でやろうとしているやり方に驚き、現場を知らずして企画の善し悪しなんてわからないだろう...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年01月09日

    ほぼ全てに同意。
    日米の考え方の違いは ↓ のようなエピソードに端的に表されていると感じた。
    ”日本の航空会社の情報システム担当者から二十年近く前に聞いた話だ。彼が米国の航空会社の情報システム担当者に会い、情報交換した際、今後の方針として「ソフト開発や出来上がった情報システムを動かす運用といった仕事...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年06月14日

    日米を比較する。経営と技術を巡る珍現象、明治以来の難題に取り組む時、「言葉のインフレ」は恐ろしい、答えは30年前からそこにある。

    ここが変、を掘り下げ、文化の差・仕組みの違いを示す。システム内製が出来ないのは、技術者が柔軟に安心して所属を変えられる社会になってないからでは。

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    Posted by ブクログ 2014年11月01日

    日本と米国などとの文化等の違いを認識したうえで、どのようにIT戦略(というか、ITシステム開発の在り方)を進めていったらよいか、答えはないが考えていく内容と読んだ。
    「アップルの考えるデザインと、一般のデザインは異なる。アップルの考えるデザインは、エコシステムなども含めたグランドデザインである」とい...続きを読む

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