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全首を歌群ごとに分けて現代語訳を付し、新版として見やすく生まれ変わった伊藤博訳注の万葉集が四分冊で装いも新たに登場!故博士の最後の仕事となった渾身の一書。四では巻十七~二十、作者別と初句の索引を収載。
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Posted by ブクログ
万葉集 4 新版 現代語訳付き 訳:伊藤 博 角川ソフィア文庫 日本最古の和歌集 天皇、貴族、官吏、防人、芸人、農民、東歌など、さまざまな階層の人々の歌の集大成である 万葉仮名という漢字で記載されてており、のちの仮名につながっていく 原本があり、時代の歌集が追加されて成立した傾向があり 由来 ...続きを読むさまざまな説がある ①万の言葉、②万年続いていく、③万人の歌、③万頁の歌集 等々 構造 20巻、漢文1,漢詩4,重出歌3,和歌4541(含む長歌) 収録 仁徳朝~奈良淳仁帝天平宝字3年(759年) 350年 編者 大伴家持が有力 各書では、歌がイベントごとに群としてまとめられている。その前後に解説が付記されている 大きく2部に分かれる 1部は、744年までの歌の集合であるが、2部は746年以降の歌 1部は、部立(雑歌、相聞、挽歌等)があるのに、2部にはない 1部には、様々な資料による校合(突き合わせ)があるのに、2部にはない 1部(巻1~巻16) <作者記名の部:巻1~6> 巻1・2 白鳳の歌 巻1:雑歌、巻2:相聞 古歌巻という 巻3・4 白鳳からもれた歌、奈良朝の歌 古今歌巻という 巻5・6 奈良朝 雑歌 今歌巻 <作者無記名の部:巻7~12> 巻7・9 三部立(雑歌、相聞、挽歌) 巻8・10 四季区分 巻11・12 古今相聞往来歌集 <無記名部:第13~16> 巻13 大和圏の長歌 巻14 東国の短歌 第15 特殊な歌、長編歌物語 第16 特殊な歌、由縁有る雑歌 2部(巻17~巻20) 巻17~20 時系列的、部立なし、古今意識無し、歌日記的歌巻 部立(ぶだて)等 雑歌 相聞歌・挽歌以外の歌 相聞歌 男女の恋、親子の情 挽歌 死者を悼む歌 反歌 冒頭の長歌に、応じる短歌 譬喩歌 人間の姿態、行為、感情を事物に例えて述べる歌 旋頭歌 初句をめぐらす歌 お題を回していく遊び 東歌 東国の歌 防人歌 巻13,14,20に収録 <万葉集4> 心なしか、相聞歌が多いようなきがします 海山など自然の見たままの臨場感が素朴で、目に浮かんできます 巻20の防人の歌、妻子、父母を置いて、筑紫へ旅立つ兵士と家族の縁が胸を打つ 終句は、大伴家持で、新春の雪が積もるを見て、吉事であるとの祝いで終わります。 気になった歌は以下です 巻第十七(3890-4031) 3901 み冬継ぎ春は来たれど梅の花君にしあらねば招く人もなし(大伴書持) 3925 新しき年の初めに豊の年しるすとならし雪の降れるは(葛井諸会) 3929 旅に去にし君しも継ぎて夢に見ゆ我が片恋の繁ければかも(坂上郎女) 3951 ひぐらしの鳴きぬる時はをみなへし咲きたる野辺を行きつつ見べし(秦八千島) 3970 あしひきの山桜花一目だに君とし見てば我れ恋ひめやも(大伴家持) 3975 我が背子に恋ひすべながり葦垣の外に嘆かふ我れし悲しも(大伴池主) 3990 我が背子は玉にもがもな手に巻きて見つつ行かむを置きて行かば惜し(大伴家持) 4030 鴬は今は鳴かむと片待てば霞たなびき月は経につつ(よみびと知らず) 巻第十八(4032-4238) 4041 梅の花咲き散る園に我れ行かむ君が使を片待ちがてら(田辺福麻呂) 4072 ぬばたまの夜渡る月を幾夜経と数みつつ妹は我れ待つらむぞ(大伴家持) 4078 恋ふといふはえも名付けたり言ふすべのたづきもなきは我が身なりけり(大伴家持) 4114 なでしこが花見るごとに娘子らが笑まひのにほひ思ほゆるかも(大伴家持) 4118 かくしても相見るものを少なくも年月経れば恋ひしけれやも(大伴家持) 巻第十九(4139-4292) 4161 うつせみの常なき見れば世の中に心つけずて思ふ日ぞ多き(大伴家持) 4165 大夫は名をし立つべし後の世に聞き継ぐ人も語り継ぐがね(大伴家持) 4186 山吹を宿に植ゑては見るごとに思ひはやまず恋こそまされ(大伴家持) 4237 うつつにと思ひてしかも夢のみに手本巻き寝と見ればすべなし(よみびと知らず) 4281 白雪の降り敷く山を越え行かむ君をぞもとな息の緒に思ふ息の緒にする(大伴家持) 巻第二十(4293-4516) 4327 我が妻も絵に描き取らむ暇もが旅行く我れは見つつ偲はむ(物部古麻呂) 4335 今替る新防人が船出する海原の上に波なさきそね(大伴家持) 4358 大君の命畏み出で来れば我の取り付きて言ひし子なはも(物部龍) 4369 筑波嶺のさ百合の花の夜床にも愛しけ妹ぞ昼も愛しけ(大舎人部千文) 4381 国々の防人集ひ船乗りて別るを見ればいともすべなし(神麻續部嶋麻呂) 4405 我が妹子が偲ひにせよと付けし紐糸になるとも我は解かじとよ(朝倉益人) 4423 足柄の御坂に立して袖振らば家なる妹はさやに見もかも(藤原部等母麻呂) 4445 鴬の声は過ぎぬと思へどもしみにし心なほ恋ひにけり(大伴家持) 4468 うつせみは数なき身なり山川のさやけき見つつ道を尋ねな(大伴家持) 4483 移り行く時見るごとに心痛く昔の人し思ほゆるかも(大伴家持) 4516 新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事(大伴家持) 目次 万葉集1 巻1~巻5 万葉集2 巻6~巻10 万葉集3 巻11~巻16 ◎万葉集4 巻17~巻20 ISBN:9784044087043 出版社:KADOKAWA 判型:文庫 ページ数:496ページ 定価:971円(本体) 発行年月日:2009年12月 発売日:2009年12月25日初版発行
富山県に縁がある身として,大伴家持の越中赴任期が一番楽しく読めた。巻19がやはり秀逸。防人歌は身につまされるリアリティがある。
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