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世界から年間1000万人を呼びこむ都市ドバイ。世界一の高さを誇るビル、街中どこでもつながるWi-Fiなど、先端的な近未来都市である一方で、そこに暮らす人々はイスラームの教えに忠実に生きていた! イスラーム世界に飛び込んだ日本人女性による体験記!
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Posted by ブクログ 2023年05月05日
イスラム教の世界観は馴染みの薄い日本人には理解し難い事も多い。最近は日本で仕事に従事するムスリムの人々も増えてきたようで、たまに会社のエレベーターなどですれ違うこともあるが、周囲にいる日本人がどれほど彼ら彼女らを理解しているだろうか。イスラームを知ろうとしなければ、一日に何度もお祈りする姿やハラール...続きを読むしか口にできず、基本的には酒も飲めないなんて、何か我々で理解できない大きな力に支配されている様にも感じてしまう。そうした疑問を解消する為、昔から多くの書籍を読んできたが、平和主義でありながら過激派によるテロ、原理主義的に女性の権利を認めていないかと思えば、本書の様に女性を危険から守るための自然な慣習とも取れるなど、未だにそのいずれかが真の姿であるかは私には理解し難い点もある。ただ一つ間違いないのは、筆者が暮らしたUAEの様な恵まれた環境もあればタリバンに支配されたアフガニスタンの様な諸外国から見たら明らかに女性蔑視とも取れる環境もあり、またエジプトの様にミニスカートを履いた女性が普通に街を歩く姿もあれば、肌を見せる事を本心から恥ずかしいと考える様な、それら程度の差が国や地域または社会環境によって大きく異なる事だ。だが何れも人々は必ずイスラームの心を持っている。 本書はUAEに6年暮らした筆者が女性の視点で見たイスラームについて、日常的な生活や冠婚葬祭、ビジネスなどあらゆる場での経験を基に描いていく。日本語教師として大学に勤め、学生(女性のみに分けられて受講するのが普通)達との対話を通じて、徐々にイスラームを理解していく経過を筆者と一緒に辿っていくことができる。 もしかしたらそれはアラブ諸国の中のUAEという範囲に限定されるものかもしれないが、イスラームの生活に密着する形で語られる内容には、説得力があり、筆者が素直に感じた感想などが実に私の様な庶民的な感覚に親しみやすい。正直これまで読んできた中では一番わかりやすく、また読み終わった瞬間に読書ならではの追体験がまるで旅行をしてきた感覚の様に記憶に鮮明に残った(最近一番早く読み終わったかもしれない)。 これからの世界は確実にイスラム教徒は増加する(イスラム教の教えは多産を善とし、現に人口増加率は高い)。少子高齢社会も改善の兆しがない日本で移民政策の必要性が訴えられいるが、前述の様に自分の所属する会社にも数名のムスリムが居るように、日本社会でも確実に増えていく傾向に向かう。ハラールを入り口に掲げる店はまだまだ少なく、モスクも多いとは言えない。ただ少し前なら公共施設には無かったお祈りの部屋がある事も珍しくはなくなったし、スーパーにハラール食コーナーを目にする事も増えてきた様に感じる。本書は2013年ごろのものだから、当時UAEの学生達が見た日本社会はまだまだだったと思うが、彼女達の目から見る日本社会はまだまだ住みにくい環境だというのは間違いないだろう。 勿論、公共施設や交通機関、食事、住居、衣服など物理的な充実度を上げていくには時間がかかるが、先ずは人の心、彼ら彼女らの考え方を受け入れ普通に接する事ができる人が育たないことには、いつまで経ってもムスリムの人々の心からの充実感や信頼は得られないだろう。 人は解らないものを恐怖・畏怖の念で見て接してしまう。生きていく上で本来的に備わっている未知なるものへの警戒心を持つのは当然だ。だからこそ、本書の様なイスラーム関連の書籍から学び知る事が重要だ。そして何よりニュースで流れる過激な組織が起こすテロ事件などで一つに括ってしまうのはあまりにも単純思考かつ愚かな事に気づくべきだ。それはイスラム教に限った事ではなく、キリスト教、ユダヤ教、ヒンドゥー教など我々が知らない世界への共通の接し方とも言える。隣人を知り隣人を受け容れ隣人を愛せよ、という事ではないだろうか。 本書を沢山の人に薦めたい。
Posted by ブクログ 2016年04月18日
UAEの日本語を教える大学教授の、日常をベースにしたイスラームの宗教観、文化を学べる本。 すっと入る文章と、日常生活の端々から見える宗教観からくる、日本との違いはとても勉強になった。 入門書としてオススメ。
Posted by ブクログ 2015年03月01日
同じイスラム教であっても、国によって違うが、イスラム教徒の人々が嫌だなと感じるポイントがわかった。謎が解けた感じ。
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