あの栞というのは、下の方に髪の毛の赤い子供が蹲ってなにかしている絵のついた栞のことだが(いまになってみると、それがにんじんのスケッチだということがわかる)、その栞が忘れられないのは、余白のところに、ペンでこんな文句が書いてあったからである。家庭は愛し愛される者だけで作れぬものであらうか。

ジャンル
出版社
講談社
ページ数
182ページ
電子版発売日
2014年03月20日
コンテンツ形式
EPUB
対応端末
  • Lideo
  • Win PC
  • iOS
  • Android
  • ブラウザ

肉体について

Posted by ブクログ 2011年06月29日

さて、これを「小説」とカテゴライズしたが、果たしてふさわしかったか。

昨年夏に急逝するまで「群像」に連載されていた、痛風の痛みに悩む老いた夫とその妻のやり取りを書いた表題作(無論未完)と、表題作のヒントにしたと思われるメモ「老いてゆく自分に好奇心を。」、「文学的自叙伝」はその名の通り著者の半生記で...続きを読む

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肉体について

Posted by ブクログ 2012年01月03日

兄弟のほとんどが失踪したり自殺をしてしまっているこの著者だからこそ描ける死生観が詰まっています。

自分の中に流れる血や、老いや病気により自由にならない肉体を抱えているからこそ見える日常の風景がコミカルで悲しいです。

決して手に汗握る読み物ではないけれど僕はこの種の少し暗い話も好きです。

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肉体について

Posted by ブクログ 2013年08月15日

三浦哲郎さんの文章は、脳に染み入る美しさ。滅びの血に惹かれてしまうのは、しょうがないことなのだろうか。

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