Posted by ブクログ
2018年09月11日
発売から、随分と経過したのに、感想を書くのが遅くなってしまった
やや気まずいが、書かないって選択肢もないので、後悔の味が苦み走っているも承知で噛み砕いて、書くとしよう
ついに、大台に乗ったか、この作品も
(1)から応援している身としちゃ嬉しい
その一方で、「本当に(10)まで出しちゃったよ」って驚き...続きを読むもあるっちゃある
何だかんだで、皆、好きで、応援しちゃうんだな、イロモノ感が強い作品
ただ、(20)は厳しいだろうな
もちろん、おおひなた先生の才能がこの程度だ、と思っている訳じゃない
素人感覚だが、『目玉焼きの黄身、いつつぶす?』はクライマックスに近づいている
「いただきます」を言ったなら、「ごちそうさま」と手を合わせるのが筋だ
その時は、もうすぐなんだろう、と思ったのだ、(10)を読んで
二つ目の大台まで行こうと思えば行けるだろうが、つまらなくなるのは目に見えている。それが分からないような漫画家じゃないだろう、おおひなた先生は
そんな終わりに対する覚悟を私に決めさせるだけあって、この(10)も中々に異様
あえて言うならば、食の根幹に迫るテーマに挑んでいた
日本人であれば、直面する可能性が高いテーマと言っても過言じゃない
ここまで書いておいてなんだが、正直なトコ、このテーマについて考えるのはキツかった
そう、私は箸の持ち方がおかしい
家族から指摘もされているし、変である事は自覚しているのだが、どうにも矯正できない
正しい持ち方と使い方も出来るので、外で他人と食事をする際は、そうしている
ただ、変な箸の持ち方をしている人間が正しい使い方で食事をすると、疲れるのだ。他人に笑われないように、手に意識が傾きすぎるあまり、美味しさがまるで感じられなくなる
だから、私は家じゃ、自分が楽な使い方をしている。意外に、そういう人って多いんじゃないかな、と勝手に思っている
あと、言い訳かもしれないが、いくら、家族に「おかしい」と言われるにしろ、私の持ち方は、さすがに、くらげほど酷くない
自分が使いやすく、恥ずかしくないと言ったって、家族も嘲笑の対象とされるなら、それはもう、アウトだろう。しかも、それを指摘されたくらいで、マヂギレするって、情けなさ過ぎるぞ、男として
こういう小さい男にはなりたくないもんだ
そんで、もう一つのテーマ、口内調味
これは一瞬、「?」だった。初めて聞く言葉だったので、おおひなた先生の創作か、と思ってしまったほど
近藤さんの説明で、飯とおかずを一緒に食べるスタンス、漠然とは理解できたが、自分がやっているのか、やっていないのか、そこは微妙なラインだった
一度、口内調味の良さを塗り潰すほどの欠点を知ってしまうと、意識して、やらないようになるのだ
確かに、これは恥ずかしい。その手の性癖があるなら嬉しいんだろうが、大抵の人は不快感しか覚えないだろう
やはり、人前ではやるべきじゃないな、口内調味
さて、自分の失態を知った二郎は、どうするのかな?
この『目玉焼きの黄身、いつつぶす?』は、食に関する問題への立ち向かい方も興味深いが、恋愛ドラマも芯が細くないので、読み応えがある
傍目からすりゃ、バカバカしい問題でも、当人らには重大だ、と教えてくれる
みふゆさんと結婚したいのなら、二郎はこの悪癖を直すべきだが、意識しながら食べるってのも、また疲れる
次巻では、これまで以上に、二郎の愛と漢気が問われる事になりそうだ
この台詞を引用に選んだのは、イイ顔してやがる、と思ったので
箸の持ち方くらいで大袈裟な、と言う人もいるだろうが、こりゃ、人それぞれだから、何とも言えない
私だって、面白い漫画を読んだ時に、自分の世界が広がったり、閉じていたドアが開く感覚を覚える時がある
まぁ、有体に言っちゃうと、この『目玉焼きの黄身、いつつぶす?』にも、そういう力がある、と思っている。でなきゃ、読まない