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「私たちヒトとは、地球の生き物として、一体何をしでかした存在なのか」――あなたの身体に刻まれた「ぼろぼろの設計図」を読み解きながら、ヒトの過去・現在・未来を知る。
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Posted by ブクログ
「進化とは、新しい動物を白紙から創作することではなく、数々の設計変更が自然淘汰を受けて生き残っていく、継ぎ接ぎだらけのプロセスなのだ。」 生物の進化は面白い! 元々あったものを、別の役割・機能のために使い回す。設計変更を加えながら。必要のためなら生物はそんな離れ技をもやってのける。 本書は、様々な事...続きを読む例を紹介しながら、その面白さを伝えてくれる。
すごくおもしろい! 著者の楽しんでる感じも、熱意も、軽妙さも、いろいろ感じられる。 しかも、日常的におもしろがれるようなネタが多いし、学問的にも知らなかったネタがたくさんあった。
戦う遺体科学者の姿である。人間をこれほど進化の過程を描きながら明らかにしていく本も珍しいと思われる。
大変、興味深い本でした。ホモ・サピエンスは、50キロの身体に1400CCの脳をつなげてしまった哀しいモンスターである、との形容と、これに続く一連の文章が心を打つ。是非、一読を。
遠藤秀紀さんは獣医師で動物の遺体を通して動物の進化の歴史を研究している方です。 現在の肩書は京都大学霊長類研究所教授となっています。前職は博物館の研究官を務めていたこともあって遠藤さんのところには動物の遺体が持ち込まれる。解剖してひとつひとつのパーツを調べるのは地道な仕事ですが、進化の歴史を示す重要...続きを読むな証拠が隠されています。 この本のところどころには、そんな動物の遺骸や内臓や骨格の写真や図が載っています。 学生の頃の解剖学の教科書を思い出すのですが、あの頃は不真面目だったことが災いし未だにうろ覚えな知識しか持ち合わせていません。しかし、この本を読むと七面倒くさいとしか思えなかった筋肉や骨の名称もなるほど!そうだったのか・・と思ううちにすんなり頭に入ってくるから不思議です。 地球誕生から46億年、動物の原始的な祖先のほやなどからヒトの祖先が誕生するまで約5億年、それから現在までざっと370万年くらいの歴史ということです。 だから、たかだかそのくらいの時間で、四本足の獣から二足歩行になったヒトは、いかに身体に数々の無理な設計変更を来してきたかというのが遠藤さんのこの本での主張です。当然、我々が今悩んでいるような腰痛や股関節異常、ヘルニア、貧血や冷え性、浮腫や肩こり・・・のような数々の人間にしかない症状をもたらし、そして優秀すぎる大脳が産んだ近代社会は、多くの病を克服し長生きの社会を実現し、女性の妊娠や出産を遅らせたり阻んだりしています。 奇しくも、名古屋で生物多様性の会議が開かれています。詳しくは分かりませんが、食物連鎖の世界が地球だからそのバランスが崩れると、どんどん生物は死に絶えていくのでしょう。 遠藤さんは最後に、私たちホモ・サピエンスの将来を占っています。 内容は衝撃的ですが、今までの進化の歴史を考えればこの結末も致し方ないのでしょうか。
「進化」についてまじめに考えたことはあるだろうか。単純な適者生存モデルを鵜呑みにしているのではないだろうか。例えとして正しいかどうかは謎だが、野球において右バッターと左バッターどちらが有利でどちらが生存可能性が高いだろう。どちらかを滅ぼすほどの絶対性のある差異など存在しないのだ。生存可能性とは環境と...続きを読むの相関によって生まれるものであって、能力の絶対値が決めるというものではない。もし仮にそういう欠落がある場合、それは、すでに生存していないものであり、それこそが逆に単純な適者生存モデルにあてはまる忘れられた存在になるといえる。 私がこの本のタイトルに惹かれるのは人類が、「失敗」の進化史という何度も書き換えられ修正された「ぼろぼろの設計図」(遺伝子)を持ったままここまできている事を如実に教えてくれるからである。例えば二足歩行を始めた人類がもつ「人間病」のなかで、貧血、冷え性、脳梗塞、脱腸は同列に語るべき事象である。心臓から全身の細胞までの距離と血圧との関係が適正でない場合に起こりやすい病気である。例えば、ヘルニア、外反母趾(内反小趾)、肩凝りもまた二足歩行によって生まれる人間病である。 あらゆる身体的リスクの可能性が設計図に残され、それを消しては書き直して維持され続けているといっていい。そういった「病気」を設計図の中で維持し続ける意味があるのかというと実はある。答えは簡単だ。 「想定外」に対応するためである。失敗の蓄積とは「想定外」を「想定内」にしてしまおうという意志なのである。心して失敗せよ。
「私たちヒトとは、地球の生き物として、一体何をしでかした存在なのか」二足歩行という、ある意味とんでもない移動様式を生み出した私たちヒトは、そのために身体全体にわたって、「設計図」をたくさん描き換えなくてはならなかった。そうして得た最大の“目玉”は、巨大で飛び切り優秀な脳だったといえるだろう。 ホモ...続きを読む・サピエンスの短い歴史に残されたのは、何度も消しゴムと修正液で描き換えられた、ぼろぼろになった設計図の山だ。その描き換えられた設計図の未来にはどういう運命が待っているのだろうか。引き続き、描き換えに描き換えを続けながら、私たちは進化を続けていくのだろうか。
面白く読んだ。 文章のノリがちょっと好みが分かれそうな感じ。私は別に嫌いじゃないけど、だるいなって思う時はあった。 本のテーマとはズレてしまうのだけど、何故ひどいつわりがあるのか不思議だった。生物の最優先事項は子孫を残すことだ。こんなに進化した生物が、何故生み育てるために体調を崩すのか? 元々...続きを読む、赤ちゃんは卵黄嚢で成長していたものを、ある程度大きくなるまで体内に留めておくことを決めたのが哺乳類だ。 「異なる遺伝子的基盤を持つ細胞が混ざり合い、片時も休まずに物質のやりとりをするのだから」体調を崩すのは当たり前なのかもしれない。 これからの進化の過程で、つわりがなくなれば良いな…と思った。人間は環境を変える生き物だから、つわりを軽くする薬を発明することで進化するのかもしれない。 生理についても不思議だったけど、触れていた。 人間は、数より質で育てることを選んだ。妊娠〜授乳中は生理は来ない。妊娠出来る年齢になったら妊娠して、30代で死んでいく。昔は生理が不利になるほど頻繁に起きるものじゃなかった。 だから生理がなくなるように進化してこなかった、ということらしい。なるほどなあ。
クレイジージャーニーを観て。遺体科学という中で明らかになった骨格の進化。必ずしもデザインされたものではなく、前適応としてたまたま役に立つという。進化とは面白いものだなと思った。自分の体、動物の体を改めて見つめなおして意味付けを考えると、その不恰好な進化の歴史が感じられるようになった。
動物は基本的な「設計図」を持つ祖先がおり、次の段階では「設計変更」によって、新たな動物を創り出すとする。 その変遷を見ると、結果オーライの行き当たりばったりなものだと著者は言う。 ほ乳類の内耳の骨はアゴからの借り物で、アゴのほうは頭骨や歯の骨を細工してやりくりしたとかの話は面白く読めた。
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