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柴崎友香の作品に魅了された文学社会学者が読み解く、物語の広がり、記憶や空間の交差、つながるものとつながらないもの。
『きょうのできごと』『寝ても覚めても』『わたしがいなかった街で』『千の扉』の4作品を取り上げ、人物や物語を精緻に読解する。また、作品に描かれた土地を実際に歩き、空間的な視点からテクストの情景を私たちの目の前に浮上させる。
私とあなた、昨日と今日、日常と戦場、現在と過去――。柴崎作品が偶発的なつながりから日常に潜む危うさや生きることの不安定さを描き、私たちに謎や問いをそっと提示する、その巧みな手つきや魅力を明らかにする。
柴崎が描く物語世界で様々なつながりは日常的な振る舞いのなかで生まれ、ときには偶発的に持続し、またときにはあっけなく消失する。そのつながりのもろさのはざまで懸命に生きる私たちの「生」のありようを浮き彫りにする文学評論。
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