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◆脳の解明に挑んだ数々の研究者たちの功績をたどる一冊◆
読者を魅了しつつも平易であり、夢中にさせる科学史であると同時に、神経科学の最前線への優れた案内役ともなっている。 ―――リアム・ドリュー(サイエンスライター、神経生物学博士)
脳に関する我々の研究と、脳を理解するための科学的洞察を集めた一冊。
―――ラリー・アボット(コロンビア大学理論神経科学センター教授)
グレース・リンゼイはこの研究分野の魅力を十二分に語っており、難解なテーマを巧みな筆致と機知に富んだ表現で解き明かしている。
―――ショーン・キャロル(ジョンズ・ホプキンズ大学自然哲学科教授)
人間の脳は約850億個のニューロンで構成されており、それらは100兆以上のシナプスによって結びついている。1世紀以上にわたり、たくさんの研究者たちが、これらのニューロンが何をしているのか、どのように情報をやりとりし、どのようにして思考や知覚、行動を生み出すのかを記述するための「言語」を探し求めてきた。そして求めていた言語こそ数学であり、数学なしには今日のように脳を理解することはできなかっただろう。
『Models of the Mind』では、著者であり計算論的神経科学者のグレース・リンゼイが、数学的モデルがどのようにして意思決定や感覚処理、記憶の定量化など、脳のさまざまなプロセスの解明に貢献してきたのかを解説する。現代神経科学の最も重要な概念を紹介するとともに、数学的モデリングという抽象的な世界と、生物学の複雑で混沌とした現実とがぶつかることで生じる緊張関係にも光を当てる。
各章では、神経科学の特定の分野に適用されてきた数学的手法に焦点を当て、脳の最も基本的な構成要素である個々のニューロンから始まり、相互作用するニューロンの回路、脳の領域全体、そして脳が制御する行動へと進んでいく。
リンゼイはこの分野の歴史を振り返り、18世紀後半にカエルの脚を使って行われた実験から始まり、現代の人工知能の基盤となる大規模な人工ニューラルネットワークのモデルへと至る過程を探求する。そして、神経科学という精緻な機構を記述するうえで、数学という優雅な言語が持つ価値を明らかにしていく。
■目次
1章 球形の牛~数学が提供するもの
2章 ニューロンが発火する仕組み~漏れ積分発火モデルとホジキン・ハクスリーニューロン
3章 計算能力の獲得~マカロック・ピッツモデル、パーセプトロン、人工ニューラルネットワーク
4章 記憶の形成と維持~ホップフィールドネットワークとアトラクター
5章 興奮と抑制~バランスのとれたネットワークと振動
6章 視覚の発達~ネオコグニトロンと畳み込みニューラルネットワーク
7章 神経符号の解読~情報理論と効率的符号化
8章 低次元空間における運動制御~動力学、運動学、そして次元削減
9章 構造から機能へ~グラフ理論とネットワーク神経科学
10章 合理的な意思決定の方法~確率とベイズの法則
11章 報酬が行動選択に与える影響~時間差分と強化学習
12章 脳の大統一理論~自由エネルギー原理、1000の脳理論、そして統合情報理論
■著者プロフィール
Grace Lindsay(グレース・リンゼイ):ニューヨーク大学アシスタントプロフェッサー。2018年にコロンビア大学の理論神経科学センターで博士号を取得。その後、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで博士研究員を務め、感覚処理を探求する数理モデルの構築に焦点を当てた研究を行う。それ以前は、ピッツバーグ大学で神経科学の学士号を取得し、ドイツのフライブルクにあるベルンシュタイン計算神経科学センターに在籍。2016年には、計算神経科学のGoogle PhDフェローシップを授与され、複数の国際会議で講演を行った。
■訳者プロフィール
市川太祐(いちかわだいすけ):医師・医学博士。現職は キバロク株式会社 代表取締役。医師としての知見と、電子カルテ/健診/レセプト等の医療ビッグデータを統計解析・AIで扱うデータサイエンスの専門性を併せ持ち、医療の質と効率を改善するソリューションの提供に注力している。
高柳 慎一(たかやなぎしんいち):2020 年 総合研究大学院大学複合科学研究科博士課程修了、博士(統計科学)。著書、監修書等多数。
牧山幸史(まきやまこうじ):LINEヤフー株式会社データサイエンティスト 兼 株式会社ホクソエム代表取締役社長。翻訳書多数
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