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八世紀初めに成立した現存するわが国最古の歴史書・文学書。数多い口伝えを天武天皇が稗田阿礼に命じて覚えさせ、元明天皇が太安麻侶に書きとめさせたもの。天地開闢に始まり、伊邪那岐命・伊邪那美命の国生み神話、須佐之男命の大蛇退治等、神代より推古天皇に至る皇室の系図を中心に、わが国古代の神話・伝説・歌謡を広く収録。
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Posted by ブクログ
『古事記』(712) は、古代日本に伝えられた様々の興味深い物語の集大成である。その内の一つが、天の石屋戸の話である。天岩戸 (あまのいわと)に隠れた天照大神を導き出すために天宇受売命 (あめのうずめのみこと) が神懸かりしてストリップを演じ、居並ぶ神々がやんやの喝さいをする。文学的香気を感じさせる...続きを読む一節である。 「天宇受蕒(あめのうずめの)命(みこと)、神懸(かむがか)りして、胸乳(むなち)をかき出(い)で裳(も)緒(ひも)を陰(ほと)に押し垂れき。ここに高天の原動(とよ)みて、八百萬の神共(とも)に咲(わら)ひき」
日本最古の歴史書。朝廷が国際的な威信をかけて制作した日本書紀とは違い、神話が多くより素朴な古代日本人の感性をうかがい知ることができる。
古文をきちんと勉強しておけばよかったなあと後悔しきりなくらい面白い。神々からお天ちゃんまで実に人間臭くてドロドロしていてそしてダイナミックでドラマチックな話だった。女装にロリにショタに近親相姦に色々詰まってます。
古事記を読むなら、原文(音の意味で)がいいと言われ購入した。 意外に読め、意味もそれとなく理解できるので驚き、日本人だなあと感激。また語感の響きに忠実な言葉なんだと実感中です。 私は何かあるたびに関連ページを読むという読み方で一気読みはしていませんが、現代語訳だけではわからない雰囲気があるの...続きを読むで、併読にかかせません。 1年ほどいつも身近に置いてます。 古事記は日本人の原点ですね。 しかも今年は編纂1300年の記念すべき年ですから、より身近です。
神話や昔話においては、一見ストーリーと関係なさそうな言葉も重要な意味をはらむ。しかし、そんな言葉が翻訳や再話で抜けてしまうこともありがちだ。そろそろ原文で読まないと、と感じていたところ、家の電話に本書が立てかけてあるのを発見。奇なりと思って読み始めた。(実際には何年もそこにあったのだと思う。気づかな...続きを読むかったが。) 万葉仮名みたいに「どう読むの、これ!?」という表記を予想していたが、ふつうに漢文。しかも返り点つき。意外に読みやすい。が…あくまで「意外に」。結局訓み下し文で読んでいるへなちょこな私。読みたいとこだけつまみ読み。
日本最古の本、超ロングセラーは外せません。 イザナキとイザナミの出会い、国造り、黄泉の国での話、スサノウの乱暴狼藉、八岐の大蛇の退治、因幡の兎など、ストーリーが実に面白くセンスがあります。天才! これを読まずして物語を語るなかれ、と思います。
神々が現れる。国之常立神(くにのとこたちのかみ)・豊雲野神(とよくもののかみ)から七代目にイザナギ・イザナミが現れる。▼イザナミ「自分の身体は1か所欠けている」。イザナギ「自分の身体には余っているところがあるので、私のそれであなたの足りない部分をふさぎ、国を生もう」。柱の下でイザナミから声をかけると...続きを読む「良くない」島(第一子、蛭子ひるこ)が生まれた(蛭子は水子を守護する神として祀られている)。イザナギから声をかけると日本列島の島が生まれた。▼イザナミが火之迦具土神(ひのかぐちのかみ)を生んだとき、イザナミは陰部に大やけどを負い死んでしまう。イザナギは怒り、火之迦具土神を斬り殺す。※神が死ぬという発想。▼死んだイザナミは黄泉の国へ。イザナギはイザナミを取り戻すため黄泉の国へ行き、イザナミと再会。イザナミ「わたしの顔を絶対に見ないでください」。しかしイザナギは全身ウジが湧いて腐乱死体となったイザナミを見てしまう。イザナミは激怒し、イザナギを追いかける。イザナギは逃げ切り、黄泉の国の入り口を岩で塞ぐ。怒りが収まらないイザナミ「これからわたしは人間を1日1000人殺します」。イザナギ「ならば私は1日に1500の産小屋を建て、新たな命を生み出そう」。▼暗くて穢れた黄泉の国からこの世に逃げ帰ったイザナギ。川の水で死の穢れを清める(*禊みそぎ・手水舎ちょうずやの由来・阿波岐原あわきはら宮崎)。左の目を洗うとアマテラス、右の目を洗うとツキヨミ、鼻を洗うとスサノオが生まれた。▼イザナギはスサノオに海を統治せよと命じるが、スサノオは「死んだ母(イザナミ)に会いたいと」泣いてばかり。イザナギはスサノオを天から追放する。▼弟スサノオの悪行に困り果てた姉アマテラスは岩屋に閉じこもる。すると世界は闇に包まれ、邪神が天変地異を起す。女神アメノウズメが胸を露わにして踊り狂うと、他の神々は大笑い。外の騒ぎを聞いて出てきたアマテラスを、力自慢のアメノタヂカラオが引きずり出す。岩屋の入り口はしめ縄をかけて封印した。▼一方、天から追放され地上にやってきたスサノオ。食の女神・大宜都比売神(おおげつひめのかみ)に食べ物を求めると、大宜都比売神は鼻・口・肛門から御馳走を出す。スサノオは肛門から出たものなど食べれないと怒り、大宜都比売神を斬り殺す。すると、大宜都比売神の亡骸から五種の穀物が生まれた。▼出雲にやって来たスサノオは老夫婦に会う。老夫婦は娘クシナダヒメが八岐大蛇(ヤマタノオロチ)に食われてしまうと嘆く。八岐大蛇は八つの頭と八つの尾、胴体に苔、体からヒノキや杉が生え、腹は血膿のようにただれている。スサノオは八岐大蛇をおびき出し、酒を飲ませ、八岐大蛇の首を斬り落とす。尾から出てきた草薙剣はアマテラスに献上した。▼スサノオは出雲に宮殿を作り、多くの子を生む。その子孫がオオクニヌシ(オオナムジ)。▼オオクニヌシは、ワニに皮を剥がされて痛がる白兎を助け、美人ヤガミヒメに求婚されるが、嫉妬した兄弟に焼き殺される。母親に蘇らせてもらったオオクニヌシは、スサノオの国へ旅立つ。▼スサノオの国へ来たオクニヌシは、スサノオの娘スセリビメと恋に落ちる。スサノオの試練を乗り越え、二人は結ばれる。▼オオクニヌシは、天にいるアマテラスから国を譲るようせまられる。オオクニヌシの息子は、天から派遣された武の神に敗れる。アマテラスの子ニニギは三種の神器を持って、日向ひゅうが(宮崎県)の高千穂峰の山頂に降り立つ。▼ニニギは地上の娘コノハナサクヤヒメと結ばれ、海幸彦(兄)と山幸彦(弟)が生まれる。『古事記 上巻』712 ニニギの孫イワレビコ(神武天皇)は東へ。日向(宮崎)を出発し、海路で筑紫の宇佐(大分)、筑紫の遠賀(福岡)、安芸(広島)、吉備(岡山)へ移動。吉備(岡山)で8年過ごす。そこから海路で、難波(大阪)へ。ナガスネヒコ軍との戦いで兄イツセが負傷。イツセ「我々は日の神の御子。東を向き、日に向かって戦うのはよくない」。そこで南へまわり、熊野の丹敷浦にしきうら(和歌山)から上陸。熊野から大和までは八咫烏(三本足)が道案内。ナガスネヒコを倒して大和を平定し、橿原(奈良)に宮殿を建て、天皇として即位。『古事記 中巻』712 奈良、ヤマト国家連合(ニギハヤヒを祀る物部氏)と合流。合流を拒絶する勢力(ナガスネヒコ)は滅ぼされる。 *************** ※日嗣/日継(ひつぎ)。日を継ぐ。皇位を継承すること。 ※神武天皇。カムヤマトイワレビコ。ニニギノミコトの曾孫。御陵は畝傍山(うねびやまの)東北(うしとらのすみの)陵(ささぎ)。橿原神宮は神武天皇を祀る。 ※両面宿儺(りょうめんすくな)。二つの顔と四本の腕を持った鬼神。『日本書紀』※舎人親王(天武天皇の子)。 ※百足らず八十。百にはみたない数として八十。 *************** 金持ちの弟と貧しい兄がいた。神(スサノオ・牛頭天王)が宿を求めたとき、弟(巨旦こたん将来)は断った。兄の蘇民将来は宿を貸して粟飯をふるまった。その報いとして、弟の子孫は滅び、兄の子孫は栄えた。『備後国風土記』 継体天皇の時代、蛇の神(夜刀神やとのかみ)が現れ、開墾の邪魔をしたため、男は蛇の神を打ち殺して、山の麓に追い払った。男は麓を神の地と人の地の境界として、蛇の神をまつることで許しを乞うた。『常陸国風土記』茨城県 もし恋に死があるのなら、私は千度でも死を繰り返しましょう(笠郎女)。▼朝の寝乱れた髪にくしを入れることはしません。いとしいあの人の手(腕枕)が触れたものだから(作者不明)。▼紫草の野原で、あなたがわたしに袖を振る。見張りに見られてしまいますよ(額田王・白鳳)。▼うららかに照っている春の日に、ヒバリが空に上がっていく。独りものを思うと心悲しい(大伴家持)。▼生は貪るべく、死は畏るべし。▼大君は神にしませば天雲のいかづちの上にいおりせるかも。柿本人麻呂(白鳳)。大君は神にしませば赤駒のはらばう田居たいを都となしつ。大伴御行みゆき(白鳳)。『万葉集』759 ※天皇の歌と共に名もない民衆の歌が収録されている稀有な文学作品。 ※奈良時代後期。
日本誕生の神話が綴られる、わが国最古の歴史書。「天の下治らしめす」すめらみことたちの系譜が丹念に記されています。
読み下しの他、原文掲載。 以前からちょくちょくつまんでいて知っている部分もあったが、活字ベースでの通読は初めてである。今まで手薄だった中つ巻以降については初めて触れる部分(清寧天皇代、二王子発見)もあった。 神社等の由来については古事記以外の飼料にも中る必要があると痛感する。
物語として楽しむというなら、伊邪那岐命・伊邪那美命、天照大神・須佐之男命等一度は聞いたことありそうな神々が出てくる上巻部分まで、って感じです。 中巻・下巻は物語はほとんどなく、系譜が書いてあるというイメージでいいのかな。
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