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ヒットの影にインサイトあり。消費者の心の奥底に隠されたホンネをいかにつかむか。つい買いたくなるツボを押す秘訣を大公開。
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Posted by ブクログ
プロポジションという解決策 インサイトが消費者の行動を変える、心のホット・ボタンだとしたら、そのボタンを押すのがプロポジション(消費者を口説く、ブランドや製品からの提案)である。このプロポジションは、インサイトと表裏をなす場合がほとんどだ。 シックのトリプルエッジでは、「ひと剃りで剃れるのが、理想の...続きを読むカミソリ」という潜在的なニーズを発見した。これがインサイトである。それをとらえたプロポジションは、ずばり「ひと剃り」(ワンストローク)となる。第3章で紹介したスキー・リゾートの例でいえば、インサイトは「クリスマスに行きたい。でも予約が取れない」というもの。それをとらえたプロポジションが「毎日がクリスマス」である。 このように、プロポジションは、インサイトに基づいて開発される。 みなさんはそれぞれのビジネスにおいて、ポジショニングという概念を日常的に使っているだろう。そのブランドや製品が、競合ブランド(あるいはカテゴリー)との関係のなかで、どういう位置を占めたいか、あるいは消費者からどういうブランドや製品だと見られたいか、というゴールを設定する ものだ。 戦略とは、そのゴールを達成するために、実際にどういった活動をどのように展開していくか、ということだ。具体的な施策が見えてこなければ、単なる机上の空論になってしまう。その解決策を消費者理解から導き出そうというのが、インサイトの考え方だ。そして、その戦略上の答え(解決策)が、プロポジション(消費者を口説く提案)である。 それでは、なぜポジショニングという考え方だけでは、解決策にならないのだろう。たしかに、ポジショニングによって、パーセプション・ゴール(消費者に思ってほしいこと)を設定することができる。また、ポジショニングのなかで、そのブランドや製品のベネフィットを定義することもかせないだろう。 しかし、それが消費者にとって、振り向くほどのインパクトはない場合もある。すでにほかの製品がアピールしていることだったり、消費者にとってはそれほど画期的と感じないものだったりすることも多い。 だから、ベネフィットを中心としたポジショニング設定だけでは、実際にどんな手を打てばよいのか見えないことが往々にしてある。そのとき、その解決策となるのが、プロポジションであり、そのもとになるインサイトなの だ。 たとえば、ハーゲンダッツの個々のフレーバー(製品)で考えてみよう。 その究極のポジショニング(ベネフィット)は、「おいしい」ということに尽きるだろう。どのフレーバーも、おいしいと思ってもらいたいわけだ。しかし、いくら企業側が「おいしいですよ」と言ったところで、消費者にそう思ってもらえるわけではない。ここが、肝心だ。 だから、何をアピールすれば(プロポジションとして提案すれば)、おいしそうだと思ってもらえるのか、そのためにはどういう消費者の気持ち(インサイト)を活用できるかを見つけ出すわけだ。 ハーゲンダッツの「カスタードプディング」というフレーバーの場合を考えてみよう。消費者にどう思われたいかというと、ほかのフレーバーと同様、「おいしそう。食べてみたい」と思ってもらえたらベストである。そのためには、どうすればいいのか。何を伝えれば、消費者にそう思ってもらえるの か。 この場合、消費者の「パティシエがつくったプディングは、大人向けの本格的なおいしさ。子供向けのプリンとは違う」という気持ちがインサイトだった。そこから導き出されたプロポジションが、「パティシエのプディング」である。 これは、製品のベネフィットである「おいしい」ということを、ストレートにアピールしているわけではない。しかし、「パティシエのプディング」というイメージから、「おいしそう」というベネフィットを感じてもらうのである。 同じように、「グリーンティー」の場合では、「グリーンの色の濃さから、おいしさと品質を感じる」という、消費者がすでに感じている気持ちをインサイトとして活用した。そして「濃いグリーン」というプロポジションによって、抹茶がふんだんでおいしそうだというベネフィットを感じてもらうことに成功した。 このように、おいしいというベネフィットを感じさせるために何を提案するか、どう消費者を口説くかがプロポジションである。そのために、消費者が意識している、していないにかかわらず、深く心の底で持っている気持ちを活用すること。それが、インサイトの考え方だ。 インサイトと、それに基づいたプロポジションは、戦略上の答えを出す。 たとえ閉塞した状況であっても、その壁を打ち破り、思いがけないほどの売上げ増大の機会と利益をもたらすのだ。
メーカーの開発は、競合他社にあって自社には無い機能、意匠を安く出す耐久戦に終始している。 インサイトを活用したプロポジションにより、価格が高くても欲しい人は買う、というブルーオーシャンを築き上げるのがあるべき姿だ。 疲弊した開発兵達を一年間新商品開発をやめさせて、腰を据えて行動観察から導かれたインサ...続きを読むイトを軸とした渾身の商品企画をさせるのも手だと思い始めた。
インサイトの、概念→何で大切なのか→インサイトを探る方法→事例→その効果についてかかれている本。マーケティングや広告を仕事にしている人には面白い本だと思う。事例や話し言葉なので、読解力の少ない人にも読みやすい。おわりにも若手には熱い言葉だった!
消費者のホンネを探り、それに訴えかけるように PR、商品を考えると上手くマーケティングできる内容の本。 沢山のホンネを掘り起こしたビジネスケースが 書かれており、とても面白かった☆ 消費者の気持ちを考えることって本当に大切だなぁと 改めて思わされた。
マーケティングの仕事を始めてから1年経ち、見よう見まねで手探りでやってきていましたが、教科書にようやく出会えた気持ちです。マーケティングの仕事を始めるときにすぐに読んでしまうと「当たり前のことを言ってる」と思うかもしれませんが、1年やったからこそ、当たり前だけど難しいこと、真理を突いてるなあと感じま...続きを読むした。 マーケティング部門に配属になったら一度読み、時間をおいてもう一度読むとより理解が深まり仕事に生かせる気がします。自分もまた1年経ったら読み直してみたいなと思います。
インサイト一つでシェアを逆転させられることが勉強になった。インサイトについてもっと深く知りたいと思った。
・インサイトは消費者のホンネであり、論理ではなく気持ちの部分である。 ・インサイトの探るには、消費者を細かく分類するのではなく、奥底にある感情や気持ちを探るために、人を大きく捉える。 ・人を属性ではなく、感情(や課題)で分類する。 ・インサイトを見つけるには、何のためにインサイトを見つけるかのテーマ...続きを読むを決め、ターゲットを絞り、仮説を立て、調査する。そこから使えるインサイトを絞り、マーケティング活動に繋げる。 ・何をアピールすれば〇〇と思ってもらえるか?そのためにはどういう消費者の気持ちを活用できるか?を見つけ出す。 ・カテゴリーを離れて、人の今のインサイトを探ったり、カテゴリーに対するインサイトを探ったりしながら見つけていく。
顕在的なニーズと潜在的なニーズ。むしろ後者に目を向ける必要性を知りました。本書は方法論ではないですが、必読本であるため、読書のインプットのみならずアウトプットをしていきます。
グロービス経営大学院の「顧客インサイトとブランディング」クラスの参考図書。 「環境分析→STP→4P」というMBA的マーケティング(以降、MKT)とはまた違う考え方を提示していて、MBA的MKTに浸かりきっていたので、とても面白かった。 ●従来のMKTとその欠点 ※以下のように従来のMKTを定義す...続きを読むる ・論理性:従来のMKTは論理的にMKT戦略を構築する(環境分析→STP→4P)。 →①マーケターの感覚的能力の活用を妨げる。 ②論理の飛躍を生むようなイノベーティブな戦略が生まれにくい。 ・消費者:従来のMKTは消費者を論理的に考える存在と見なす。 →消費者の感覚的・感情的側面を捉え損なう。 ・視点:従来のMKTは企業視点から価値提供を構築する。 →消費者視点を取り込みづらくなる。 ・ターゲット:セグメンテーションにより自社が狙うべき顧客を特定し、施策を構築する →消費者が多様化し、競争も激化した現在では極めて狭い顧客に絞る必要が生じた。結果、利益率、売上ともに低下傾向 ●消費者とは ・従来のMKT調査で用いられるアンケートやインタビューでは本音はわからない。 理由①:意識:消費者は意識していることを必ずしも言わない。その理由は、(1)見栄などの感情が邪魔する (2)感情を言葉にする時に、誤って変換される(言語にすることで感覚的なことも、思考的な見え方、表現の仕方になる) 理由②:無意識:人の行動の90%以上は無意識に決定される。意識していないことは伝えられない (所感)これは、消費者だけでなく企業の従業員に対しても言える。現場にとり納得感の高い戦略を立案するために現場の声を聞くことはよくあるが、彼らの声を取り入れた戦略だからと言って、必ずしも実行性の高い戦略とならない理由は、これが一因だろう。 ●インサイトを活用したMKT(概要) ・消費者:インサイトを活用するMKTはより感情的な存在として捉える ・論理性・視点:従来のマーケターは「論理的に」「企業視点」からMKT戦略を構築(STP→4P)するが、インサイトを活用するマーケターはより「感覚的に」「消費者視点」でMKT戦略を創り出す ・ターゲット:インサイトは多くの顧客に共通する感情や思考を特定し、そこに働きかけるアプローチ。よって、過剰なセグメンテーションによる利益率や売上減を防げる ●インサイトを活用したMKT(思考・態度) ・態度 遊び心・五感・感情を持って楽しんで作る。理屈に囚われない。 ・仮説 調査の前にインサイトの仮説を立てる。仮説なき調査からインサイトが見つかることが殆どない。 →『心脳マーケティング』など、他の感性的・感情的MKT手法と異なる点と感じた。「仮説を立てることは消費者の心像をある論点から偏って見ることに繋がるため、避けるべき」との考え方もあるが、本書は異なる立場をとる。 消費者調査において仮説を持って臨む場合、以下2点が重要だろう。 ①筋のいい仮説を立てる:消費者への聞き取りや観察、消費者体験を基に仮説を立てる ②仮説に囚われない:反証や、設定していない論点も柔軟に拾う ●インサイトを活用したMKT(具体的手法) ①エスノグラフィック調査 消費者を観察し、その行動から消費者心理を理解する ②ポラロイド写真調査 消費者に写真を撮影してもらい、それを基に聞き取り調査 ③コラージュ・エクササイズ 事前に準備した写真を組み合わせ、消費者に絵を作ってもらう ④ポストカード調査 ポストカードに記載されたキーワードに関し、好きに議論してもらう。企業発信のメッセージに見えないような書き方で。(例:×アンチ・エイジング効果をもたらします →○アンチ・エイジング) ●従来のMKTとインサイトを活用したMKTの使い分け インサイトを活用したMKTが常に優れる訳ではない。以下のように使い分ける ・顧客理解:顧客理解が深いなら、インサイトを活用する意義は大きくない。具体的には、業界経験の長い企業や、顧客変化の乏しい業界が当てはまる。 ・新規事業or既存事業:新規事業において、よりインサイトが活用しやすい。理由は、①顧客理解が浅く、顧客理解を重視する必要がある ②自社製品が未確定で、顧客理解に合わせ変化させることが容易 ・自社の業績や目標:現状維持ではなく、大きく状況を変化させる必要がある場合、論理からの飛躍を生むインサイトの重要度は高まる。業績がいいなどの状況で、現状維持や改善が目標なら、STP→4Pに従い整合性のとれた戦略にする方が低リスク。 ・MKT戦略立案の段階:初期段階でインサイトが重要で、細部を詰める段階では従来のMKTが重要。インサイトを活用したMKTであっても、最終的には4Pに従い整合性のとれた戦略に落とし込まなければ、実行時に矛盾が生じる。 ●「ブランディングと短期的売上のジレンマ」の解決策としてのインサイト ブランディングのために、企業はブランドイメージを高めるPRや、ブランドイメージを保てるチャネルのみでの販売、ブランドイメージを保つ価格設定などを行うが、これはしばしば短期的売上増と矛盾する。短期的売上増は、あらゆるチャネルで値引き販売すれば達成できる可能性は高い(特にラグジュアリーブランドでは)。 その解決策として、インサイトが活用出来る。インサイトを突くMKT戦略は、顧客の心に響きブランドイメージを形成すると共に、購買行動を促す。 ●ポジショニングとインサイト 従来のMKTでポジショニングを確定した後、それを実現するための4Pの構築が困難なことが多い(他社との差別化が困難)。そこで、求めるポジショニングを実現する企業から消費者への提案(プロポジション)を構築するために、インサイトを活用する。 他社の捉えていないインサイトを捉えることで、競合には提供出来ないプロポジション(4Pなど)を作れる。結果、自社の求める他社と異なるポジショニングを実現出来る。 ↓ だが、自社が捉えたインサイトをMKT戦略に活用すれば、競合に把握され、模倣されるリスクがある。だからこそ、数あるインサイトの中から「自社では満たせるが、他社では満たせないインサイト」を見つけることが鍵となる。 (例:「王道の安定感が欲しい」というインサイトを最もよく満たせるのはリーダー企業) ●所感 ・インサイトと従来のMKT インサイトの考え方は従来のMKTを否定するものではなく、補完するもの。科学・論理(従来のMKT)と感性・感情(インサイトを活用したMKT)のどちらか一方でなく、両者を両立させたMKTが理想だが、近年のMKTは科学的・論理的側面を強調し過ぎたということだろう。 ・インサイトと日本人 日本人は、論理性は弱いが、感性面に強いとしばしば言われる。また、高コスト国でもあり、世界市場ではコストリーダーではなく差別化で勝つより方法はないとも考えられる。であるなら、感性を用い、インサイトを捉えたMKTを構築することで、他国企業との差別化を実現出来るのではと感じた。 一方、個人としては感性的でも、集団としては排他的・均一的な側面もあるため、インサイトに偏った戦略では社内承認を得づらい側面もあるだろう。 であるなら、新規事業として既存組織から切り離す、一定の失敗事業が生じる前提で走らせるなどの対応が必要だろう。 また、日本はハイコンテクストな文化であり、それはしばしばマイナス要素として捉えられるが、インサイトの観点では、他者が言語化しない感情や思考を読み取る能力に長けているとも捉えられる?と感じる。「日本人が相手の感情を読み取る能力に長けているのは、相手が自分に文脈を共有している場合のみであり、異なる文化圏の相手には機能しない」可能性もあるが、私の感覚ではたとえ文脈の相手であっても、感情を察知する能力は高いのではと感じている(根拠なし)。
シックの事例は納得感があった。最近は心理学を他の領域と絡めて活用するのが流行っているような気がする。
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