ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
6pt
中世において「哲学」は「神学」の形をとった。キリスト教信仰と古代ギリシア哲学の出会いによって「神についての学問」が生まれ、ヨーロッパ精神が形作られていった。神の存在、天使の堕落、人間の富や色欲を当時のヨーロッパ人はどう捉えていたのか。中世神学から「信仰」というベールを剥ぎ、その実像に迫る。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
アンセルムス,トマス・アクィナス,ドゥンス・スコトゥス,ヨハニス・オリヴィの業績についてよくまとめられている。時に日本の思想を補助線に。
中世のアルプス以北の森の中を開拓した修道士。町の半数は修道士だったのでは。 童貞は結婚に勝る。童貞を捧げることで神は報酬をくれる。現世では知識、死後は天国を。知的好奇心旺盛な若者は修道士になることを選んでしまう。 修道士は天使のように生きる。ただしキューピッドはローマ神話の悪魔の一種。肉欲。 武...続きを読む力では領土の独立しか果たさないが、宗教によって統一が果たされる。天使のような、神に仕える平和の戦士。 形而上学と神学のセット。 (現代でもスピリチュアル系の人は中世神学の感覚なのではないか?) アンセルムスの神の証明でも最終的に、存在するから存在するという同語反復となる。しかし神学は、信仰の世界をもつ人間にとって信仰の内側の世界で成り立つ哲学を目指している。 外部からの反論に対する論拠も、外部とはユダヤ教イスラム教を想定しているので絶対神や旧約聖書を前提とした論拠であった。 神の世界は円と幾何学の整然とした世界。建築も庭園も、音楽も幾何学的にキレイでなければならない。 予定説は下位のすべても予定されているというが、新プラトン主義のように上位の存在は摂理に支配されているが下位の存在は偶然に支配されているという。 (予定説は無理がありすぎるのでこれでよかったのでは?でもそれだと辛い人生を納得させる術がないのか……) 一方スコトゥスの説では、予定説はなくどんな行いも過去も死後神の前に来たときに信仰心に応じて書き換えられることになっている。 信心深い人の不幸もこれで解決。 神の自由さを有限化したのが人間の自由なので、信仰心のもと自由に色々やるべし。→科学の発達へ。分析哲学「可能世界論」へ。 キリスト教的理性とは、ロジックから出てくることでそこには理性的感情というものもある。日本人は理性と感情を対比させるので非常にわかりづらい。 修道士には非常に細かい日々の規範やスケジュールがあった。 中世でもアリストテレス哲学(最新の知識)を学んだ人たちの中で、信仰(宗教)など必要ないという風潮も。 また神学を学ぶことに熱心な人の中にも、信仰の実践が疎かになる人も。 本書では中世の価値観に少し近づけた気がする。 最終的には神だから神なのだ、神はいるのだという同語反復や、信仰の心を体験したものには分かるという主張の神の存在証明中心の中世に、アリストテレス哲学の論理による存在証明が入ってきてどちらとも整合をつけようとする当時の修道士・神学者の論理や気持ちに少し近づけた気がする。
[時去れど今なおの輝き]その分野が重要であろうことは頭で理解しつつも、多くの日本人にとってなかなか手が出ないヨーロッパ中世期の哲学。現在の考え方と中世のそれとはどのように異なるのか、そして中世の哲学は神と世界をどのように理解していたのかを探る一冊です。著者は、西欧中世哲学を専門とする一方、日本思想に...続きを読むついても詳しい八木雄二。 中世哲学の世界に入る前に、その世界に入るための頭作りをしっかりとしてくれるところが魅力的。現在の一般的な考え方からはおよそ理解できないであろう世界観を、懇切丁寧に比較や例示を用いて説明してくれています。「中世」と「哲学」という言葉が2つ並んだだけで(自分もそうなんですが)尻込みしてしまいがちになりますが、本書を手がかりにその奥深さを体験してみてはいかがでしょうか。 哲学という主題を通して、中世の人々の生活、特に修道士のそれについての知見を得ることもできます。現在では想像もつかないほど大きな影響力を有していたという修道士の生き方を覗くことで、キリスト教(特にローマ・カトリック)の教義や「仕組み」を学ぶことができたのも有益でした。 〜近代科学の運動の考察にも神学の寄与があったことを知るとき、人間には何らかの形で信仰が必要であることを認めざるを得ないのではないだろうか。この問いは、やはり今なお、哲学に突きつけられている。〜 彼我の隔たりを否応無く感じました☆5つ
中世の神学と哲学とについて初歩的な事柄から教えてくれる。 三位一体、新プラトニズム、アリストテレス形而上学、普遍論争、神の存在証明など キリスト教独特の概念を、繰り返し別の言葉で説明してくれる。 時として日本人の考え方との対比を出してくれたりもする。 神への信仰が西洋の哲学的土壌を生み出したのだなと...続きを読む感じさせる。 神学は存在そのものや眼前で起きる事象に対して、 神にまつわるなんらかの理由付けを模索することに徹底しており、 その理由付けの批判と発展によって近代哲学や近代科学を生み出した。 また、個人主義は神と一個人との対峙の中で生まれる思想であったことを改めて知った。
神を哲学した中世
未だ半分しか読んでいません。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
神を哲学した中世―ヨーロッパ精神の源流―
新刊情報をお知らせします。
八木雄二
フォロー機能について
「新潮選書」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
思い出のなかのバード・アンド・ハート
古代哲学への招待
スコトゥスの存在理解
「ただ一人」生きる思想 ――ヨーロッパ思想の源流から
「八木雄二」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲神を哲学した中世―ヨーロッパ精神の源流― ページトップヘ