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Posted by ブクログ
住野よるのまとめ!と言った感じの作品だった。
ところどころ叙述トリックのような表現があるので少し読みづらさはあるが、それに報いる満足感は確かにあった。喪失をテーマにした作品は無条件に自分に刺さる部分はあるが、この作品はその中でもマイルドに苦しさに寄り添ってくれるものだと思った。
星空中毒というワードのファンタジー色が強く、もっとライトな内容を勝手に想像していたが良い意味でその想像を裏切られた。
むしろそのライトなファンタジー感が、シリアスな物語にうまく輝きを与えているように感じた。
どの場面も人物同士のやり取りがとても綺麗で、タイトル通り常に夜を想わせられるような素敵な作品でした。
Posted by ブクログ
同級生の「死」をテーマにしながらも、死の瞬間そのものを直接描かず、星空中毒というファンタジックな病を組み合わせることで、「死」そのものへの漠然とした恐怖や痛み、悲しみよりも、もう会えない寂しさや生活からその人がいなくなってしまう喪失感に自然と焦点が定まっているように感じた。かといって、いわゆる“お涙頂戴”的な展開になっていないところに好感を持った。
物語では、様々な人物の一人称や三人称も使われている。その中で、
・ツグミの第三者の視点にボリュームがあること
・ひまわりには一人称がないこと
が気になった。
ツグミと第三者の視点では、タルトのおいしさを表現する場面をはじめ、豊かな語彙や印象的な比喩が数多く使われている。読者自身も、言葉の豊かさと、それが人に与える影響を感じることができる。
「そこに話しかけに行くのは綺麗に出来たシャボン玉を割りに行くようで気が引けた。」が好き。
ツグミを”少年”と呼ぶ存在は、きっと星空ではないかと感じている。星空と一体になったツグミの視点。
一方で、ひまわりの複雑な胸中については、あえて一人称で語らせず、読者がその想いを察することに委ねられているようにも思えた。始の「結構、むかつきます」という表現に共感したが、彼氏と別れた理由や巡との共通点を考えると、ひょっとしたら影響力と行動力のある表面とは違い、彼女にもどこか「幽霊」のような気質があるのかもしれない。
何より、「星空中毒」というものについて考えさせられた。星空中毒が、ファンタジックな単なる病気ではなく、愛情でもあり、弔いでもあり、贖罪でもあり、執着でもあり、もしかしたら自傷行為ですらあるのではないか。そうに思い至ったとき、この作品には、書かれている以上の奥深さを感じた。
青春、恋愛モノではあるけれど、その枠だけでは収まらない、著者らしい深みのある良作だと思う。
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