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Posted by ブクログ
Yahoo!ニュースなどに載せた記事がページビュー数を伸ばすためにどうすればよいのか、試行錯誤した経験を書いたもの。とても参考になる。
著者は共同通信の記者からネットニュース担当に異動し、それまで書いていた「よい記事」がPV数を稼げないことから試行錯誤に踏み出した。
要するに「よい記事」の基準が違うということが書かれている。ネット記事(現代の若者向けの文章を含意)では読者の共感を得るような書き方が望ましいということだ。
個人的には「順接の接続詞、ワードを積極的に入れる」というのに衝撃を受けた。
つまり、「この先に何が書いてあるのかが見えないと読み進めてもらえないのでガイドすべき」ということだ。なるほど、とても現代的だ。
しかし私は「きちんとした文章であれば順接の接続詞を入れなくてもすんなり頭に入る」というのを理想として描いているので、受け入れたくない気持ちも残っている。
この本は会得したノウハウを反映しているのか、すごく読みやすくて1日で読み終わった。それもすごい。
Posted by ブクログ
■記事がバズった理由を5つの要素に分類することができる。
①「共感」や「感動」
②ストーリー性
③最新ニュースの関連記事
④見出しとサムネイルの結びつきの強さ
⑤コメントの盛り上がり
■ストーリー形式の威力
デジタル記事の書き方
・記事を説明文にせず、物語(ストーリー)にする
・出だしはできれば場面の描写から入る
・リードの末尾には本文に読み進んでもらうための「匂わせ」を入れる
・主人公を一人立てて場面ごとに主人公の気持ち・感情を書き込む
・できれば時制を遡らず時系列で書く
・一文を短くし、テンポを良くする。主語の前に長い修飾つけない
・カギカッコの前にはできるだけその発言者を置き、後ろに述語を置かないようにする
・接続詞や指示語をくどいくらい付け、段落や文同士の関係性を明確にする
・データや指揮者の言葉など「説明文」になりがちな要素はストーリーの後ろに回す
・新聞慣用の省略形は使わない
・表記に迷ったらGoogleトレンドで比較する
Posted by ブクログ
近年、マスメディアとしては急速に影響力を失っている新聞、70代以上が8割購読しているのに対して、4-50代でも5割、2-30代に至っては2割程度しか読まれていない。斜陽産業とも言われる新聞から、ネットに情報伝達の主流が移るなかでその記事の書き方についても違いがみられる。それらを新聞記者の立場から分析し語った内容となっている。
個人的にも新聞は読んでいないし、ネット記事にしても新聞社の配信する情報は即時性に欠けて、政治やスポーツなど限られた分野でしか参照しなくなっている。限られた紙面においてコンパクトに要旨をまとめ、見出し⇒リード⇒1行目と重要度に応じてニュースの内容が理解できる書き方は社会全般の動きを知る上では有用だが、毎日購読した上での続報や独特の略称、暗黙の了解のような前提情報といった紙面は若者にとってはとっつきづらい。
新聞記者からネット配信担当へと立場が変わった筆者は、従来の新聞の書き方ではバズらない=PV数が増えないとして、試行錯誤しながらアプローチを変えていった。具体的にはより情緒やストーリーを重視した“エモい”書き方をすることで、ネット記事はより多くの人々に見てもらえるのだ。このプロセスは、新聞記者に限らず多くの書き手にとって参考になる内容だし、読み手として無意識に続きが読みたくなる仕組みが言語化されており、概ね納得感のあるものだった。
Posted by ブクログ
同じ日本語で書いた文章であったとしても、場合によっては読まれない。言い換えると、ある工夫を施すと多くの人に読まれる。新聞記者である著者は、本書で新聞とデジタルそれぞれの特徴と、現在主流であるデジタル記事が読まれる要素を分析する。著者によると、記事の初めに重要な情報をコンパクトにまとめた逆三角形スタイルが現在通用しないと痛感した。その一方で、多くの人に読まれるデジタル記事は、共感や感動があり、ストーリー性のあるものだとわかった。文章の書き方においても接続詞、指示語の多用、一文を短くするというように、これまでは過剰だと思われたこともしなくてはならない。これ以上にも読まれる記事のポイントがあげられるが、いずれにしても、読者にとって自分事であるものが現在求められる。
Posted by ブクログ
ネット記事についてでいえばタイトルの惹句がどうにも、「釣り」的とまではいかないにせよ著でいう共感などを目論んだ提示の仕方には未だに喉に小骨が刺さったような感覚はあるものの
新聞業界の文化に染まった記者の目線から、デジタル的なニュース配信における善後策を探る中で、購読者層の高齢化が叫ばれる新聞メディアとネットメディアとの差異があぶり出される様は、単なる世代間論以上に実像のある解釈をもたらしているように思う。
とはいえ、アテンションエコノミーに堕することを防がねばならないという前提があるような現代のメディアの立ち位置は今後どうなるのかとも。
Posted by ブクログ
紙とデジタルのちがひ
Twitterの田中健一さんから。
興味深い内容だ。
能動的に読む新聞記事から、受動的に読むネット記事へ移ると、なにが起るか。読者は気ままにニュースにふれてゐるから、格式張った新聞記事は苦しいのだといふ。
また、PVを得る仕組みも、新聞記事とはちがってゐる。そのため、要点を先に伝へる逆三角形の文章では、最後まで読んでもらへないのだ。
要するに、紙の記事とデジタル記事は根本的にプラットフォームの性質が異なるのであり、そのまま移行しただけではいけない。
筆者はそれに苦心して、PVを稼ぐ(しかし嘘はつかない)記事を書かうと努力した。
たとへば、単語もなるべくGoogleトレンドでどちらが優勢に使はれてゐるかを比較した。五輪とオリンピックだったら、後者に直す。という具合だ。
ところで、余談。
文学畑のおれからすると、ここでつい村上春樹と大江健三郎の文章について考へてしまふのだが、小説の未来もなんとなく見えてきさうな内容だった。大江はすぐれた作家だが、同時に中期の文章の面では、やはり失敗してゐたのだらう。(反省があって、後期は改善した。)内容は大江で、文章は村上で。といきたいものだ。
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