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「勝手に目がそっち(オリヴィア)に行ってしまうんだ。なんて摩訶不思議な現象だ」「恋っていうんですよ、それ」呪われた屋敷で過ごす楽しく優しく――少し寂しい愛の物語
父を亡くし破産した大商家の長女であるオリヴィア=アシェルは、残された家族のために命をなげうつ覚悟で娼館の扉を叩こうとしていたところ、身なりのいい紳士に声をかけられた。「どうせならば我が家の主人のために死んでくれませんか」と。先々代オールステット夫人が残した“主人が愛した女は死ぬ”呪い――そんな呪われた屋敷にオリヴィアは身を寄せる。この屋敷の主人クラース=オールステットに愛され、死ぬために。その報酬である金貨100枚を家族に残すために。ところが、オリヴィアの前に現れた主人クラースは……なんか思っていたよりも面白い人だった。オリヴィアはクラースに“愛される”ように、クラースはオリヴィアを”愛さない”ように、二人の愛の駆け引きが始まる。
(C)2023 Sachi Konzome┴(C)2023 DSmile
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Posted by ブクログ
FFさんのおすすめ。
ほのぼのとした優しい色合いの表紙とコメディ感溢れる帯のセリフに完全にほのぼの系だと思って油断してたら、もう涙でぐっしょぐしょになるくらい泣きました( ߹ㅁ߹)
おでん屋の時とはまた違った紺染先生のぐっと心にくるお話、今回も最高に良かったです。
前半は初めて女性という存在を知って、誰より言葉を知ってるはずのクラースの語彙力が溶けて挙動不審になる様子とそれを包み込むような優しさと温かな微笑みで応じるオリヴィアを中心に、オールステットの屋敷に流れる優しくて穏やかな時間にほのぼのとしてタイトルが真実そのままだなんていう深刻さはまだどこか信じ切れずに柔らかい空気に浸っていました(* ˘͈ ᵕ ˘͈ *)✾
それでもタイムリミットは刻一刻と迫っていて、春から夏へ、夏がすぎて秋へ......と2人が少しずつ距離を縮めていくと同時に移ろう季節......そして、お互いのことを知っていけば知っていくほど、楽しい時間を重ねれば重ねるほど、その時は近くなるという事実に、覚悟を決めたはずの男たちの方がどんどん笑わなくなっていく様子がそれを現実として伝えてきているようで切なさが溢れ、6章のクラースの誕生日辺りから涙が止まらなくなり、8章では涙腺が崩壊し切って大号泣でした。゚( ゚இωஇ゚)゚。
呪われたオールステットが生贄を用意してでも守り通そうとした天才とそのお仕事を旅に例える描写も、コニーやトビアスを始めとするオールステット家に仕える人々が守るものの大切さを感じて彼らが仕事をする姿をオリヴィアと一緒に不思議な気持ちで見つめていました。
短いような長いような期限付きの残酷で幸せな日々を一日だって無駄にしない、毎日を心の底から幸せそうに過ごすオリヴィアの微笑みに何度涙を流したかしれません。。。
優しいけど臆病で甘えることが苦手なオリヴィアを「愛していない」と口にしながらどうしようもなく愛してしまっているクラースがお互いを信頼し合い、誰が見ても相思相愛な様子に、ずっとこの時間が続けばいいのにと胸が苦しくてボロボロと涙がこぼれました。
愛を言葉としてしか知らなかったクラースが自分の気持ちとして誰かを愛するということを知ることができたのはオリヴィアとの出会い無くしては有り得なかったと思います。
オリヴィアの優しさや愛はきっと彼女を沢山愛してくれた今の母と父から受け継いだものでもあるのかなと感じてまた胸がじんわりしました。本当に素敵なご両親で、クラースに母が語った言葉からいかに彼女がオリヴィアを娘として大切に思っているかが伝わってきてまた大号泣でした( ߹ㅁ߹)
あとがきのリンクからとべるオリヴィアの手紙も読みました、、、
本当に優しい人たちが優しい世界できれいな気持ちで幸せそうに笑える未来で良かったです(´;ω;`)♡
世の中にはこんなにも美しくて優しい愛のかたちがあるのだなと心がほっこりと温かくなるお話でした。
バランスが完璧な作品
悲しい結末に向かっているのにお互いのために楽しげに過ごす日々の描写のバランスが完璧で、おまけも蛇足ではなくて物語をきれいに補完していて素晴らしいです。
魅力的な登場人物たちが過ごす四季の移ろいに合わせた穏やかな日常の一方で運命は残酷で、その対比が良いです。
結末は人それぞれ好みがあるでしょうけど、どちらであっても納得のいく展開になるんだろうなと早い段階で確信できる稀有な作家さんだと思います。
もちろん挿絵も素敵です。トータルで本当に素晴らしいです。
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