生命科学クライシス 新薬開発の危ない現場

生命科学クライシス 新薬開発の危ない現場

2,970円 (税込)

14pt

4.3

製薬企業が53件の研究を追試したところ、結果を再現できたのはそのうちわずか6件。
再現失敗率、約90%――


命を救うはずの研究が、低すぎる再現性のために、無用な臨床試験、誤った情報、虚しい希望を生みだし続ける。ずさんな研究はなぜ横行するのか? その影響はどこまで及ぶのか? 改革は可能か?

トップ研究者から、政府組織の要人、業界の権威や慣習に立ちむかう「反逆児」、臨床試験に望みを託す患者まで、 広範な調査・取材を基に、ひそかに生命科学をむしばんできた「再現性問題」の全貌をあぶりだす。

【次々と明らかになる、ずさんな研究の実態】
・乳がん細胞と黒色腫細胞を間違えて、1000件以上の乳がん研究がおこなわれた
・糖尿病や心臓病などの疾患との関連が報告された遺伝子の98.8%が、のちに関連が否定された
・実験の結果が出た後に、それをうまく説明できるように仮説を立てなおすことが横行している
・わずか数匹のマウスの実験結果をもとに、人での臨床試験がおこなわれた
・マウスで開発された敗血症治療薬150種類すべてが人では効果がなかった

……生命科学では、いったい何が起きているのか?

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生命科学クライシス 新薬開発の危ない現場 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月17日

    医学生命科学における再現性の問題について、現場レベルの要因から研究者コミュニティの置かれた構造的要因まで幅広く分析した本。
    膨大なインタビューや文献調査に基づき、再現性のなさの原因だけでなく、再現性を向上させるための多様な施策についても紹介している。
    「だから医学・生命科学はダメ」という内容ではなく...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年10月14日

    生物医学研究の危機=再現性の危機
    <原因>
    ・お粗末な実験計画(実は基礎研究に欠陥があった!)
    ・実験材料が悪い(培養細胞の汚染=誤認細胞株、他に効かないモノクロナール抗体)
    ・解析の誤り(バッチ効果=ノイズを意味あるものと誤認、pハッキング=統計的検定を繰り返す、ハーキング=実験を行ってからデータ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年10月23日

    生命科学・生物医学は現在、大きな発展を遂げ、その研究成果は社会に大きく貢献してきた。あるいは、してきたように見える。
    なるほど、生物の設計図ともいえるゲノムの解読は進み、新しい診断検査や治療法も生まれている。優れた薬や公衆衛生上のアドバイスも得られる。
    だが一方で、例えばアルツハイマー病や転移がん、...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2019年06月04日

    生命科学は窮地に追いやられている.
    それは故意/悪意があるようなものではなく,実験の厳密性/再現性が担保されない研究やちょっとのミス(例えば取り扱う細胞株の誤認)により台無しになる実験があまりに多いからである.


    ヒーラ細胞:研究室に群がる雑草

    pハッキング 

    HARKing

    探求研究と確認...続きを読む

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