Posted by ブクログ
2009年10月04日
「ひぐらしのなく頃に」として語られる4話(鬼隠し編〜暇潰し編)を“問題編”とするなら「ひぐらしのなく頃に 解」の4話(目明し編〜祭囃し編)はいわば“解答編”。惨劇の発端と悲劇の連鎖について、「何故起こったのか」という命題に対し各話少しずつ謎が解き明かされていきます。問題に本気で立ち向かった読者でも、...続きを読む全ての謎を解明することは難易度から考えてまず不可能。推理と答えを照らし合わせていくことで得られるカタルシス。もちろん委ねた読者も楽しめることは間違いなし。PCゲーム版はその絵のロリっぽさに抵抗を感じる方もおられるでしょう。でも絵のカワイさは「恐怖のための演出」ともなります。また残虐な表現があるという情報から避けている方もおられるでしょう。ゲーム版はサウンドノベルで「文章による展開」のためショッキングな映像はありません。個々の表現としては普通のホラー小説とそう変わらないでしょう。この物語を名作たらしめるのは暴力シーンというインスタントな恐怖などではなく、人の価値観そのものに直接揺さぶりをかける展開を見せるからだと思います。そしてもちろん、怖いだけじゃありません。私はこの「〜解」の各所で泣きました。ひとつの作品でこんなに泣いたのは初めてです。「ひぐらし」のBGMはフリーの素材集から用いられたものでしたが、「〜解」では物語に共感した方々から楽曲が提供されました。そのクオリティの高さがこの作品の価値をさらに高くしているのでしょう。「THANKS」という曲はもはや、聴くだけで泣きそうです。少しでも興味をもたれた方は、制作者「07th Expansion」のHPから、ひぐらし第1話となる「鬼隠し編」が1話まるまる無料でDLできます。全てはそこから始まります。ぜひ。