漂着物、または見捨てられたものたち

漂着物、または見捨てられたものたち

2,970円 (税込)

14pt

3.5

巨大なアンテナ設備の近くにある家で、幼い娘を育てる父親が体験する数々の異変(「アンテナ」)、なにげなく漂着物を砂浜に埋めたことで老夫婦が巻きこまれる思わぬ事態(表題作)、中年になり帰郷した男が振り返る、キャンプ場で姉と過ごした子供時代のあれこれ(「海辺のうた」)……。海沿いに点在する無人の家、大潮の日にだけ行ける入り江、漂着物が絶えず流れ着く砂浜、さびれたキャンプ場……英国コーンウォールの海辺に見られるありふれた場所では、ふとしたはずみに幻めいた現象が起こり、もの哀しくも美しい物語がいくつも紡がれる。現実と幻想の境目で生まれた、いずれも忘れがたき13の短編を収録。サマセット・モーム賞受賞作『潜水鐘に乗って』に続く、珠玉の第二短編集。/【目次】空っぽの家/アンテナ/すぐの未来に/帰郷/出て行け/ソルトハウス/漂着物、または見捨てられたものたち/波乗り/嵐の日/死者たちの年/ケーブル/海辺のうた/漂流するクラゲたち/謝辞/解説=石井千湖

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漂着物、または見捨てられたものたち のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    冬曇りの孤独な海が好きなので、タイトルと装丁に惹かれて手に取ったらば大当たり!
    コーンウォールを舞台に語られる短編集は、そのどれもが寂寞と、停滞と、焦燥とに満ちている
    ここではないどこか、豊かな何か、愛せる誰かを求め続けていながら、あと一歩が踏み出せず、荒い海風や冷たい荒野に囚われ続けている登場人物

    0
    2025年10月01日

    Posted by ブクログ

    向かうべき所を見いだせず、かといって留まるだけの確たる故もない。積み重ねた記憶だけが土地にしみ込み込み溶けあってゆく。
    読み耽っていると、ふとそんな言葉が浮かび、いつしか胸に満ちてゆく。
    夏の陽光を求めて押し寄せていた観光客が一斉に引き上げた後の、閑散とした海辺の町を舞台として語られる物語は、寂寥感

    0
    2025年07月01日

    Posted by ブクログ

    文章が詩的で寂しさと寂寥感を掻き立てられる内容でした。
    人間は停滞していたくても一つの場所にはいれない。そう思わせられました。

    0
    2025年11月16日

    Posted by ブクログ

    デビュー作の『潜水鐘に乗って』(未読)でサマセット・モーム賞とホリヤー・アン・ゴフ賞を受賞した作家の第2短篇集。13篇を収録している。
    うーん、これは苦手なタイプの作品集だった(^_^;)。映像的ではあるのだが、そこからなにを感じればいいのかがわからない。ただ文章を愉しめばいいのかとも思うし実際それ

    0
    2025年06月21日

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