宗教は地理から学べ

宗教は地理から学べ

1,870円 (税込)

9pt

4.0

■はじめに

【religion】とは何か?
近代日本が始まる幕末の世において、この言葉にどんな日本語を対応させるかという難問に直面していました。
1858年、江戸幕府は全十四条からなる日米修好通商条約をアメリカ合衆国と締結しました。この不平等条約の第八条に登場する、religionという用語に対応する日本語として【宗法】という言葉が用いられました。当時の宗法とは、各宗派固有の教えや規律を意味する言葉です。
また、同条約では日本人とアメリカ人が互いの【宗旨】(宗派上の信条)をめぐって争論しないよう定められています。つまり幕末の日本人にとって宗教とは、個人の自由な信仰というよりも、特定の宗派に属してその教えやしきたりを守ることを指していたと考えられます。
実際、【宗教】という概念自体が当時の日本にはまだ馴染みが薄く、明治時代に入ってようやく現在のような意味で定着しました。これらの事実は、日本の宗教観が西洋とは異なる独自の歩みをたどってきたことを示しています。

(中略)

本書では、宗教と地理がどのように影響し合い、人々の価値観を形作ってきたのかを、さまざまな角度からひも解いてみました。ユダヤ教やキリスト教、イスラーム、仏教、ヒンドゥー教など、それぞれが歩んできた歴史や広がりを地理と結びつけて見直すことで、各宗教圏がより立体的に見えてくるはずです。
宗教は歴史を動かし、文化を形作る大きな力です。普段はあまり意識しない【地理】が、実は信仰の誕生や伝播、そして私たちの身近な文化や習慣にも深く影響していると知れば、新鮮な驚きとともに理解が深まるはずです。

本書を手に取ってくださったみなさんの知的探究心が刺激され、より深い理解へと誘われることを願っています。

※カバー画像が異なる場合があります。

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

宗教は地理から学べ のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    地理は利権を生み、支配層と民衆をまとめ導く宗教は必要とされる。歯車が噛み合わなくなるとき諍いは起き、時の情勢に合わなくなると淘汰されそして消えていく。
    現在有力な宗教がその立場へ至れた道程を主に地理を使って紐解いたもの。それぞれの宗教に使うページはコンパクトで、より深く知りたければ別の本が必要になる

    0
    2025年11月15日

    Posted by ブクログ

    気候と各地域の地形を踏まえて、宗教がいかに気候と国の制度、文化に影響をあたえているか書いてる。
    世界史と地理の融合した本で非常にわかりやすかった。
    ただ、高校の地理知識が必要になるので、あれば深い理解ができるかも。
    #読書
    #読書記録
    #読書ノート
    #読書好きな人と繋がりたい
    #地理

    0
    2025年06月02日

宗教は地理から学べ の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める 学術・語学

学術・語学 ランキング

宮路秀作 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す