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急増する孤独死、深刻化する無縁社会。人が看取られ、弔われるということは、もはや当然のことではなくなっている。死後を託す人がみつけられない人々を支え、他者とともに生きる「生」を取り戻すために私たちが今なすべき選択とは何か。「跡継ぎ」が不在の時代に、社会で死を受け止める道を模索する。
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Posted by ブクログ
★は3か4か迷いましたが、最後の数ページで4かなと。 人には「弔う権利」があり、「弔われる権利」があるというのはなかなか面白いなと思いました。 死者を弔うのは家族だけでなく万人が有する。 また、死者は誰に弔われても構わないし、弔ってほしくないやつもいる。 けれど、死者に権利なんてありますかね。 ...続きを読む弔われ方を希望する権利はあるでしょう。でも弔われる権利は、物理的にないわけです。 ここで筆者が訴える「弔われる権利」とは、生前に身寄りのない方々の、死の、死後の恐怖への緩和のためでしかないように思います。 現実的に社会の個人化、脱家族化が進んでいるのは事実でしょうし、孤独死やお一人様問題は早急に対処しなければならず、それらに対して筆者の提案はとても有効です。NPOなどの非営利組織による葬送の社会化。家族のいない者や家族を拒否する者には有効な社会デザインだと思います。 ただそれは極めて短期的な視点であり、むしろ、個人化する社会、脱家族化する社会をそどうするか、という根本的な解決こそが真に求められることではないでしょうか(もちろんそれは筆者のフィールドを大きく超える話になります)。 人は望むと望まないと一対の男女から生まれ、家庭という小さな社会の中で成長発育して大人になるわけです。 ですから、どんなに社会が脱家族化していこうと、その原点に帰結していくのが、人間の望むところではないのでしょうか。 社会主義者の描く葬送デザインだなという印象がどうしても拭いきれなかったですね。 社会が個人の葬送を担うのではなく、家族が故人を葬送するその支援体制を社会の中でもっと充実させていくことはできないのだろうか。 家族という旧来の共同体の崩壊というものの、家族は極めて原始的かつ原初的な、究極のつながりであるはずだから。 そういう意味で、最後に寺院への期待を提言したところに好感が持てました。新しいシステムの構築ではなく、旧来のシステムを上手く現代版に利用するという提言の方がはるかに現実的で優しい。もっとページ割けばよかったのに。 少子高齢化における死をめぐっての「安心システム」を構築することは、家族だけでも、NPOだけでも、行政だけでも、企業だけでも無理であることははっきりしている。公助だけでも、共助だけでも、もちろん自助だけでも不可能なのである。いま求められているのは個人化社会で広がっている「自助>共助>公助」の構図ではなく、自助と共助と公助が必要に応じて支えあう構図である。(本書より)
【終活のあり方が変わっていく現状を伝える】 家族のあり方が変わっていく中で、死への向き合い方にも変化が起こっている。 家族に看取られるような死、親戚大勢に看取られる死は年々減少し、少人数での葬式や孤独死などが増加している。そん中で、家族との関係が疎遠となった人たちがどのようなエンディングストーリー...続きを読むを描くのかにフォーカスを当てた一冊になる。 お一人様が増加する世の中、一体人々はどのように死に向き合うのか。そんな問に答えてくれる一冊になります。
現状認識は確かだと思うが「弔われる権利」「葬送の社会化」といった提言はピンと来なかった。社会主義者が葬送を語るとこうなるのね、という勉強にはなった。
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