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Posted by ブクログ
「『再魔術化』とは、ひとくちにいえば、非合理なもの、神秘的なものと、私達の生活の結びつきを強化するべきだ、あるいは今現在、そのような結びつきが強化されつつあると考える議論だ」 ー 152ページ
本書で用いられている「再魔術化」とは若干対象が違うのだけど、このことについて最近よく考えている。
何かに没頭しようとする(没頭しなければならない)際、そこに至るためになにかの物語を用意しなければいけない。
たとえば昇進。たとえば社会福祉。たとえば金。たとえば何か。
このあたりのことはとてもわかりやすくて、非常に近代的な理由付けだ。物語は外に開かれていて誰にでも理解できるし、世間的にも認められている。
しかしそこに失われているものがあると感じている人は確かにいる。近代的すぎるものは質感がつるつるしすぎていて、ともすれば滑り落ちてしまいそうになる。
その時、より非合理で「魔術的」な理由を好む人というのが存在する。何かよりファンタジーなものになりきって、自分とそれを重ねあわせて、そして現実を執行する。たとえば僕の身近でいえば巫女だとか魔女だとかシャーマンだとか自覚して、それを現実世界に適用させる人のことをここでは想定しているわけだけど。
この心性の変遷というのはとても興味深い。「魔術」的な思考パターンはより個人的だし、外には開かれておらず、社会的には認められていない。人前で言うのだとしたら、時には白い目で見られることもあるだろう。
しかしより個人的かつ絡みつく類のものになりうるのではないか、と思う。それは特に開かれていない分、社会的なレールに乗っている/乗っていないということを気にする必要がない。つまり同調圧力に乗る必要もないし、なにより自分が形作っているという実感を持つことができる。
これからそういう人が多くなるのか、そのへんはよくわからないけれども、特に女性を中心にそういう人って増えるのかなと思う。進化した中二病、みたいな。あるいはそのままただの中二病というだけなのかもしれないが、そこにはある種の価値があるのだ。
Posted by ブクログ
「なぜ自分探しや自己実現を目指すのか?」という問いを、社会学者が90年代以降の社会および技術から読み解く本。
たまたま同じ時期に読んだ速水健朗さんの『自分探しが止まらない』とは、同じ文化系トークラジオLifeメンバーということもあってか、ちょうど裏表の関係のような感じ。
おおざっぱにまとめると
バブル崩壊で就職しづらくなったし自己分析を通じて意欲や個性やノリをめっちゃ問われるようになったよ
↓
情報技術の進歩で自分の意欲や個性がデータベース化され場に応じてキャラを変えやすくなったよ
↓
本当の自分がわからなくなってきた、誰も本当の自分を受け入れてくれない
↓
よくわからないからカーニヴァル的に非合理的なものと乱舞するしかない、もしくは本当の自分をハイテンションなノリで探し続けるか、さもなきゃ自分探しを諦めるしかない
、ってとこか。
どちらかというと問題を分析することに終始していて、「んじゃ具体的にどうすりゃいいの?」というのにあまり言及されていないのが残念というかそれは別の場で語られるべきことか。
けど、「個性化の進んだ時代となった」「それには経済情勢および技術革新が影響した」「それらに適応して社会が変わらなければならない」というのは、問題提起として重要だと思う。
例えば就職のマッチング、SNSによる「ありのままの自分でいられる人間関係作り」、自分探しをビジネスにつなげる仕組み…などなど、この知見を活かしてすごしやすい社会にできるんじゃないかな、とも。
鈴木謙介さんの本や言及には「カーニヴァル化」という言葉が頻出するので、チャーリーファンなら早めに読んでおきたい。
(俺は読む時期が結構遅かった。実は。)
Posted by ブクログ
この本で言われていることは、この2011年においても実感、納得できることばかり。1章から3章で語られている社会状況の変化が、日本で「カーニヴァル」が発生するベースを醸成してきたとチャーリーは言っている、そこは正しいと思う、その流れは近年加速しているのではないか。そこには世界の均質化、フラット化がものすごい勢いで広がっていることもあると思う。アメリカで金融緩和が行われたら、即オーストラリアのマーケットにお金が流れこむ、政策・経済が急激にグローバル化したことにより、市民社会の思想伝播もまたありえない速度で行われた。その結果が、中東で起こっている独裁政権に対する運動なのかなと。あれをカーニヴァルと呼ぶ事に対して異論があると思うけれども、チャーリーがp.139にて書いている「カーニヴァルそれ自体にサステイナビリティを欠いている」という点で一致を見ているかなと思う。カーニヴァルでは蜂起し、破壊することはできても、創造、安定することは難しそうだ。担い手は同一でも、手段は異なる必要があるのだろう。日本でもそろそろ政治的な意味を持つカーニヴァル(=デモ)が起こってもいいような気がするけど・・・あ、心ある若者は物理的行動にでなくともいい武器を手にしていることを十分に知っているのであった。
Posted by ブクログ
記念すべきチャーリーの第一冊目。170ページほどの厚さしかないのに、内容は結構ねじ暮れて小難しく、読みごたえがあった。カーニヴァルという言葉を使うので、昨今の空虚な盛り上がりに情熱を傾けている人々の世代を言っているのかと平たく考えてしまいましたが、現れる結果としてはそういう部分もあるけど、もっと人間の時代真理の深い部分をしっかりとつかんでいる奴でした。「反省的自己」と「再帰的自己」というあたり、そこからのアイデンティティの説明までがかなりしっくりいきました。ただカーニヴァルという表現の意図するとことはわかるけど、ニュアンスとしてもう少しうまい表現があるとありがたいと勝手に考えたりします。
よかったです。商業的に考えれば、この一冊の内容を引き延ばして、新書だったら3~4冊ぐらい書けそうなんだけどそうしないところはチャーリーの誠実さなんだろうなと思います。
17.4.18
入試とかに引用されまくりの作品
鈴木謙介さんの20代半ばぐらいの作品。
今は、関学で教えているけどまだ、
野良社会学者の時の考えまとめ。
これから、色々とあるけど、都度、考えをアップデートしているけど、基本的な考え方がこのまま。
舞台志望の九州っこがいつのまにやら、
宮台の弟子になり、本を出して、ラジオ、テレビに出て、
大学の准教授になっているって言う、最初の一歩目の部分。
育成ゲー的には最初の大イベントの一つ。
この後、鈴木謙介は、tbsラジオでパーソナリティーをしたり、ラブプラスにはまったり、秋葉原の事件に知り合いが巻き込まれたり、子どもが産れたり。
成長ものとして今読んでもおもしろいかも。。。
Posted by ブクログ
答えを急がない、一方の見方に立たない、という徹底した態度に平伏。もっと早く読んでおけばよかったなと思うほどでしたが、今読むご縁だったのだと思い大事にしたいですん。
一人のひとの中にかように多様な価値観があったら、それはそれだけで希望なんじゃまいか。とも思った。
あと、こんなに噛み砕いてもらってるのにまだわからないところがあって、ときどき落ちる。。。というのが何処だったのか、今後はそいうのを書き出して置こうと思いました。
自分と違うからわからないのか、使ってある言葉や文脈が(あるいはその使い方が)違うからわからないのか、みたいのをちと明確にしたら、良いかなと。
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