【感想・ネタバレ】カーニヴァル化する社会のレビュー

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Posted by ブクログ 2013年11月25日

「『再魔術化』とは、ひとくちにいえば、非合理なもの、神秘的なものと、私達の生活の結びつきを強化するべきだ、あるいは今現在、そのような結びつきが強化されつつあると考える議論だ」 ー 152ページ

本書で用いられている「再魔術化」とは若干対象が違うのだけど、このことについて最近よく考えている。

何か...続きを読むに没頭しようとする(没頭しなければならない)際、そこに至るためになにかの物語を用意しなければいけない。

たとえば昇進。たとえば社会福祉。たとえば金。たとえば何か。

このあたりのことはとてもわかりやすくて、非常に近代的な理由付けだ。物語は外に開かれていて誰にでも理解できるし、世間的にも認められている。

しかしそこに失われているものがあると感じている人は確かにいる。近代的すぎるものは質感がつるつるしすぎていて、ともすれば滑り落ちてしまいそうになる。

その時、より非合理で「魔術的」な理由を好む人というのが存在する。何かよりファンタジーなものになりきって、自分とそれを重ねあわせて、そして現実を執行する。たとえば僕の身近でいえば巫女だとか魔女だとかシャーマンだとか自覚して、それを現実世界に適用させる人のことをここでは想定しているわけだけど。

この心性の変遷というのはとても興味深い。「魔術」的な思考パターンはより個人的だし、外には開かれておらず、社会的には認められていない。人前で言うのだとしたら、時には白い目で見られることもあるだろう。

しかしより個人的かつ絡みつく類のものになりうるのではないか、と思う。それは特に開かれていない分、社会的なレールに乗っている/乗っていないということを気にする必要がない。つまり同調圧力に乗る必要もないし、なにより自分が形作っているという実感を持つことができる。

これからそういう人が多くなるのか、そのへんはよくわからないけれども、特に女性を中心にそういう人って増えるのかなと思う。進化した中二病、みたいな。あるいはそのままただの中二病というだけなのかもしれないが、そこにはある種の価値があるのだ。

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Posted by ブクログ 2013年04月25日

「なぜ自分探しや自己実現を目指すのか?」という問いを、社会学者が90年代以降の社会および技術から読み解く本。
たまたま同じ時期に読んだ速水健朗さんの『自分探しが止まらない』とは、同じ文化系トークラジオLifeメンバーということもあってか、ちょうど裏表の関係のような感じ。

おおざっぱにまとめると
...続きを読むブル崩壊で就職しづらくなったし自己分析を通じて意欲や個性やノリをめっちゃ問われるようになったよ

情報技術の進歩で自分の意欲や個性がデータベース化され場に応じてキャラを変えやすくなったよ

本当の自分がわからなくなってきた、誰も本当の自分を受け入れてくれない

よくわからないからカーニヴァル的に非合理的なものと乱舞するしかない、もしくは本当の自分をハイテンションなノリで探し続けるか、さもなきゃ自分探しを諦めるしかない
、ってとこか。

どちらかというと問題を分析することに終始していて、「んじゃ具体的にどうすりゃいいの?」というのにあまり言及されていないのが残念というかそれは別の場で語られるべきことか。

けど、「個性化の進んだ時代となった」「それには経済情勢および技術革新が影響した」「それらに適応して社会が変わらなければならない」というのは、問題提起として重要だと思う。
例えば就職のマッチング、SNSによる「ありのままの自分でいられる人間関係作り」、自分探しをビジネスにつなげる仕組み…などなど、この知見を活かしてすごしやすい社会にできるんじゃないかな、とも。

鈴木謙介さんの本や言及には「カーニヴァル化」という言葉が頻出するので、チャーリーファンなら早めに読んでおきたい。
(俺は読む時期が結構遅かった。実は。)

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Posted by ブクログ 2011年05月04日

この本で言われていることは、この2011年においても実感、納得できることばかり。1章から3章で語られている社会状況の変化が、日本で「カーニヴァル」が発生するベースを醸成してきたとチャーリーは言っている、そこは正しいと思う、その流れは近年加速しているのではないか。そこには世界の均質化、フラット化がもの...続きを読むすごい勢いで広がっていることもあると思う。アメリカで金融緩和が行われたら、即オーストラリアのマーケットにお金が流れこむ、政策・経済が急激にグローバル化したことにより、市民社会の思想伝播もまたありえない速度で行われた。その結果が、中東で起こっている独裁政権に対する運動なのかなと。あれをカーニヴァルと呼ぶ事に対して異論があると思うけれども、チャーリーがp.139にて書いている「カーニヴァルそれ自体にサステイナビリティを欠いている」という点で一致を見ているかなと思う。カーニヴァルでは蜂起し、破壊することはできても、創造、安定することは難しそうだ。担い手は同一でも、手段は異なる必要があるのだろう。日本でもそろそろ政治的な意味を持つカーニヴァル(=デモ)が起こってもいいような気がするけど・・・あ、心ある若者は物理的行動にでなくともいい武器を手にしていることを十分に知っているのであった。

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Posted by ブクログ 2017年04月18日

記念すべきチャーリーの第一冊目。170ページほどの厚さしかないのに、内容は結構ねじ暮れて小難しく、読みごたえがあった。カーニヴァルという言葉を使うので、昨今の空虚な盛り上がりに情熱を傾けている人々の世代を言っているのかと平たく考えてしまいましたが、現れる結果としてはそういう部分もあるけど、もっと人間...続きを読むの時代真理の深い部分をしっかりとつかんでいる奴でした。「反省的自己」と「再帰的自己」というあたり、そこからのアイデンティティの説明までがかなりしっくりいきました。ただカーニヴァルという表現の意図するとことはわかるけど、ニュアンスとしてもう少しうまい表現があるとありがたいと勝手に考えたりします。

よかったです。商業的に考えれば、この一冊の内容を引き延ばして、新書だったら3~4冊ぐらい書けそうなんだけどそうしないところはチャーリーの誠実さなんだろうなと思います。

17.4.18

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Posted by ブクログ 2014年10月07日

古書店で見かけて購入。
10年後まで続いているテーマがたくさん。発売時に「カーニヴァル化」ってタイトルがなんか狙ってる感じがして、手を伸ばすのをやめてしまったことを後悔。

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Posted by ブクログ 2014年09月15日

2ちゃんねるを中心とした「祭り」という現象から、現代社会をとらえている。
ちょっと話題があちこち発散するが、かねがねおかしいと感じる世の中の色んなことの解説の多くが納得出来る。
少し感覚がずれていると感じる部分は著者との年齢差が原因か?(同業者だが、著者はまだ20代後半)

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入試とかに引用されまくりの作品

2013年10月07日

鈴木謙介さんの20代半ばぐらいの作品。

今は、関学で教えているけどまだ、
野良社会学者の時の考えまとめ。


これから、色々とあるけど、都度、考えをアップデートしているけど、基本的な考え方がこのまま。

舞台志望の九州っこがいつのまにやら、
宮台の弟子になり、本を出して、ラジオ、...続きを読むテレビに出て、
大学の准教授になっているって言う、最初の一歩目の部分。

育成ゲー的には最初の大イベントの一つ。
この後、鈴木謙介は、tbsラジオでパーソナリティーをしたり、ラブプラスにはまったり、秋葉原の事件に知り合いが巻き込まれたり、子どもが産れたり。


成長ものとして今読んでもおもしろいかも。。。

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Posted by ブクログ 2013年03月15日

独特の漢文調で読みづらい部分も多々あったが、何とか読み切った。
いわゆる「社会学の文章」という印象は、『希望難民御一行様』と似ている。
大量の引用文、精神性の分析、データの活用など。
内容についても、独自性は高いと思う。興味深い記述もいくつかあったので、整理しておきたい。

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Posted by ブクログ 2012年06月04日

なんとなく違和感を感じていたネタとベタ使い分けがよくわかった。
けど、実生活でこの違いを見分ける、空気を読むのは難しいと感じた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年09月26日

「やりたいこと」という蜃気楼に、躁状態のまま向かい続けるわたし。それに興味を喪えば燃え尽きるが、また新たな蜃気楼を見つけ出して追いかけはじめるわたし。その、際限のない繰り返し。感性の次元で湧き立ち、ある時突然それが冷める。それを繰り返す日常を、筆者は「カーニヴァル」のようだという。元ネタは、バウマン...続きを読むだったらしい。

途中、「データベース的対人関係」のくだりでSNSについて言及がある。この当時からすればSNSのシステムもだいぶ多様化し、携帯のアドレス帳と同じように「つながっている」感覚を担保するだけのものではなくなってきた。そこには、「○○というつながり」という分別や、「重要な友達」「限定公開」「ブロック」という選別の機能が欲望されるようになり、それがシステムとして制度化された。ともあれ、データベースの中の人間関係が、生身の人間関係をある程度(というより、かなり)飲み込んで支えているという指摘は、今も強い示唆を持つ。

もう一度、というか今度こそ、社会学にしっかりと取り組んでみたいという気持ちを思い起こさせた。

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Posted by ブクログ 2011年06月27日

答えを急がない、一方の見方に立たない、という徹底した態度に平伏。もっと早く読んでおけばよかったなと思うほどでしたが、今読むご縁だったのだと思い大事にしたいですん。

一人のひとの中にかように多様な価値観があったら、それはそれだけで希望なんじゃまいか。とも思った。

あと、こんなに噛み砕いてもらってる...続きを読むのにまだわからないところがあって、ときどき落ちる。。。というのが何処だったのか、今後はそいうのを書き出して置こうと思いました。

自分と違うからわからないのか、使ってある言葉や文脈が(あるいはその使い方が)違うからわからないのか、みたいのをちと明確にしたら、良いかなと。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年04月29日

鈴木謙介の本は好きだな。扱う内容が興味の対象ど真ん中ってのがあるのかな。社会と個人のあり方や私とはなんなのかを社会学の枠組みを使って考えるのが僕にはたまらないです。

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Posted by ブクログ 2010年03月09日

2006.10 なぜ、若者が会社を辞めてしまうのか?監視社会とは?読めばよく分かる。とても納得です。注目の若手研究者。

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Posted by ブクログ 2018年11月23日

インターネットや世代間を題材にして書かれた作品。技術が進んだ現代社会の一面を捉えており考えさせられる内容。

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Posted by ブクログ 2014年11月20日

フリーターやニートなどの若年層の労働問題、監視社会論、ネット上のコミュニケーションの問題を取り上げ、バウマンの言う「カーニヴァル型の近代」に向かう動向を読み取ろうとしています。

労働問題、監視社会論、ネット上のコミュニケーションの問題と、いずれも大きなテーマについての著者自身の見方が示されているの...続きを読むですが、やや密度の濃い議論を詰め込みすぎのように感じました。

いちおう本書の結論は、ギデンズの言う「再帰的近代」が進み、あらゆるものごとが自己にとっての選択の対象となることで、さまざまな社会関係の中で自己に割り振られた「役割」を統合する「反省的な自我」が失われ、そのつどデータベースに問い合わせをおこなうことでアド・ホックな「自己」を作り上げるような振舞いが広く見られるようになったというもので、バウマンの「カーニヴァル」の概念を借りることで、そうした再帰的な自己のあり方を可能にしているメカニズムを解明しようとしていると、言うことができるように思います。

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Posted by ブクログ 2013年11月03日

2005-6年頃に話題になった本だと思いますが、2012年現在の今のほうが、本書の指摘する下記の傾向は、より強まっているように感じます。

-----抜粋-----

いわば「共同体」から「共同性」への転換だ。すなわち、ある種の構造を維持していくことではなく、共同性――<繋がりうること>の証左を見い...続きを読むだすこと――をフックにした、瞬発的な盛り上がりこそが、人々の集団への帰属感の源泉となっているのである。
このような瞬発的な盛り上がりこそが、ここでいう「カーニヴァル」にあたる。
(略)
そのもっとも大規模だった例は、おそらく2002年のサッカー・ワールドカップになるだろう。
(略)
コミュニケーションのための「ネタ」に堕している
(略)
始まる前から「感動をありがとう」がコピーになっていた2004年のオリンピックにせよ、問題は、日本という国への帰属感ではなく、感動のネタとしての「オリンピック」であり「日本」だったわけだ。

-----抜粋-----

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Posted by ブクログ 2013年09月24日

カーニヴァル化する社会というのは、ジークムント・バウマンの「カーニヴァル型近代」から援用した考えのようです。

ハイ・テンションな自己啓発や、監視社会化の議論をおさえつつ、
カーニヴァル化する社会とは何かに迫ります。



カーニヴァル化する社会という考え方、視点はおもしろいと思います。

祭りと...続きを読むいうより、カーニヴァル。
内容を伴うというより、一瞬の熱狂に人が集い、夢中になり、そしてそれは消費されていく。

ただただ熱狂によるつながりや生の実感を求めていくというものでしょう。



現実を直視するのではなく、ハイ・テンションな自己啓発によって、ハイになった思考で動き、
現実に直面してはテンションが下がって。

リキッドな社会ゆえのつながり方、楽しみ方ともいえるし、
あらゆる人間の部分が道具化、外在化されていってしまうがゆえの、感情や内面重視の傾向ともいえるかもしれません。



感動の消費、など、現在もカーニヴァル化の中にあるのかもしれない、と思いました。

“しかしながら、バウマンも指摘するとおり、蓄積や一貫性を維持することが困難な後期近代においては、共同体への感情は、アドホックな、個人的な選択の帰結から生じるもの以外ではあり得なくなる。そうした点を踏まえて彼が考えるのは、いわば「共同体」から「共同性」への転換だ。すなわち、ある種の構造を維持していくことではなく、共同性-<繋がり得ること>の証左を見いだすこと-をフックにした、瞬発的な盛り上がりこそが、人々の集団への帰属感の源泉となっているのである。”

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Posted by ブクログ 2013年05月26日

読みやすく書いてくれているとはいえ、さすがに難しかったー。

専門家がわかりやすく一般市民向けに書いてくれている書籍の内容くらいは、しっかり理解できる頭になりたい。

社会学系の本をもっと読んでいけば、社会学者独特の言い回しがスッと入ってくるのだろうか。

この本は2005年に書かれているが、社会の...続きを読むカーニヴァル化はますます進んできているなぁという印象。

本に乗ってる著者の写真が、ヤンキーっぽくて、今のチャーリーの印象と違って笑った。

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Posted by ブクログ 2013年05月24日

事例は面白いが、全体的に読みづらい。
データベース化によって社会の輪郭が変化していっていうのは面白い。あと5年でより変わって行きそう。

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Posted by ブクログ 2013年05月05日

8年前にかかれた内容がまさに現在進行形で起こっているのを考えると、非常に鋭い視点を持っていると思う。文章として散らかっている感じがして読みにくい感じはする。

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Posted by ブクログ 2013年04月27日

面白いけれど、私の知識不足なのでしょうか途中わかりにくかったです。とりあえず読み終えましたが、読みかけてた別の本で知識を補ってからまた再チャレンジしたい。

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Posted by ブクログ 2012年04月20日

著者は若くて割とイケメ…ン?かな。
若くて学者とかって、ベタながらかっこよく見えてしまうだけですが。

この本は「かゆいところに手が届く」シリーズの一作目かな!
私の家からいちばん近いところに住んでる、同級生のことを思い出しました。
彼はむかしからオタクで、マニアでもあり、2ちゃん語を駆使し...続きを読む、超有名大学に通うまさに絵に描いたような人。
彼は、カーニヴァルを待ち望んでいます。2ちゃんとか右とかお家に人を呼ぶとか全てで。
実際、この流れは社会の流れなんだ、ってこの本を読んで感じ取りました。
彼はlatestなんだな。

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Posted by ブクログ 2012年04月14日

東浩紀氏『一般意志2.0』に通ずるところがあり、2012年現在読んでも面白かった。
結局性質や問題点は変わっていないということですね。

本書に書かれているテーマが前提として頭に入っていなければ、政治、経済、社会は考えられません。

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Posted by ブクログ 2013年01月06日

大学のときに読み残した本を消化しようキャンペーン。

ハイテンションな自己啓発―遠大な目標としての「やりたいこと」と現状の自己との間で
躁状態としてのハイテンションな自己啓発とそこから醒めてしまう冷静な鬱状態とが分断されている。

監視社会化、
データベース化

そして

再帰的な近代

個々のテー...続きを読むマや視点は割りと面白く感じた。


以下、気になる点メモ。

「大きな物語」の欠落→遠大な目標としての「やりたいこと」の設定=自己象の分断
→宿命論の台頭(社会の進歩としての近代的革命論との対置)=現状の甘受(カーニヴァル化、動物化)

but

「社会を変える」「社会に役に立つことをしたい」とする志向が若者世代に増加していることの意味。

「社会を変える」という「やりたいこと」自体が遠大な目標であり、ハイテンションな自己啓発にいるだけであるか、もしくは若者世代の分断。

筆者のいう分断=多数の、内的に幸福な、しかし客観的には搾取され、使い捨てられる大衆と、夢からさめているが故に愛的には不幸だが、セーフティネットや社会的資源を活用することのできる少数のエリートへと分極化する可能性を有している。

ここで考えるべきはエリートの定義。

高給、めぐまれた労働環境、制度としてのセーフティネットの活用可能性などはエリートの要素として挙げられるが、社会的資源は捉え方により多様化するのでは。


前述の「社会を変えたい」層にとっての社会的資源は同じ思考の仲間たちのソーシャル・キャピタルであるかもしれない。

また、データベース化する人間関係という論点からもここにつながりうる。

ソーシャルグラフをソーシャル・キャピタルに読み替えうる場合が徐々に出てきている中で、
筆者の議論とのズレも感じる。(5年以上前だしそこは仕方ないかとも)

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Posted by ブクログ 2011年06月18日

 現代社会が、歴史性や本質的理由を欠いた突発的な「祝祭」によって動いているのではないかと指摘する本。

 「祝祭」の例は2002年のワールドカップの熱狂的盛り上がりや、2ちゃんねるでしばしば発生する、ある出来事が槍玉に挙げられ、そのスレッドに書き込みが急増する現象=「祭り」といったものである。

...続きを読む その背景には、若者が雇用の流動化や教育カリキュラムの度重なる変更により十分なスキルや経験を積めず、フリーターや派遣社員にならざるを得ない雇用情勢や、「監視社会」が構築されつつあるいう要因がある

 また、著者は因果関係が曖昧なのにもかかわらず「携帯電話を持っている若者の方が非行に走りやすい」という「ケータイ・バッシング」が蔓延していることが指摘する。それには、人々が子どもの「非行」や「逸脱」の情報のインパクトの強さに引かれ、結果が無批判に受け入れられていることと関係があると思った。

 その例が、本書に挙げられている「ケータイ・バッシング」、「ゲーム脳」の他「少年犯罪が増加、凶悪化している」とか「フリーターやニートは甘えているだけだ」といった言説なのだと私は思った。

 以上のような現象が起こっている背景にあるのが、最終的に目指すべき目標や理念=大きな物語が失われつつあることだ。章同士の繋がりが弱く、抽象性が高めだったのもあるが、全体的に読みにくいという印象を受けた。

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Posted by ブクログ 2011年04月09日

筆者・Charlieのブログはいつも難しい文章なので覚悟はしていたが、書かれていることの全体像をまだうまく理解できていない。
しかし、紹介されている個々の事例からの解釈は私にとって頷けるものが多かったし、最後の方に示される筆者の危惧もわかるような気がする。(ただこの共感があっているのかは自信がない)...続きを読む

この、その場その場の事情はわかるけど全体の一貫性や方向性がいまいち見えない…っていう感覚はまさにこの本が問題としているところだよね、と思ったり。

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Posted by ブクログ 2011年03月16日

今の社会と若者の自分の認識の仕方について。昨今の色んな惨事が「感動」を生み出すための「祭り」としてとらえられているというのはなんとなくなるほどと思った。

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Posted by ブクログ 2011年01月17日

たまたま聴いたラジオのパーソナリティーが
何やってる人なんだろう?と気になったので
プロフ見たらこの本の著者だった。
へぇ~。

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Posted by ブクログ 2010年10月09日

[ 内容 ]
分断される自己イメージ、データベース化する人間関係…ネット世代の論客が解き明かす「僕たちの日常」。
「ニート論議」「監視社会論議」の本質も明らかに。

[ 目次 ]
第1章 「やりたいこと」しかしたくない―液状化する労働観(フリーターやニートだけが問題なのか 「やりたいこと」という貧困...続きを読む ハイ・テンションな自己啓発)
第2章 ずっと自分を見張っていたい―情報社会における監視(「監視国家」か「監視社会」かデータが監視されるということ データベースとの往復運動)
第3章 「圏外」を逃れて―自分中毒としての携帯電話(携帯電話と再帰的近代 「自己への嗜癖」とデータベース)
終章 カーニヴァル化するモダニティ(カーニヴァル化と再帰性 革命か、宿命か―カーニヴァルの時代を生きる)

[ POP ]


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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2010年04月30日

言いたいことが分かるような分からないような。受けて(自分)の理解力不足ゆえの部分と書き手の発信力不足ゆえの部分があるように思う。時間をおいて再読すると、もう少し著者の言わんとするところが分かるのかも。気が向いたらやろう。

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Posted by ブクログ 2011年05月06日

この本のテーマじゃないかもしれないけど、「宿命論」に覆われた社会の分断って、下のほうの人間は「社会」から降りちゃうってことかな?と感じました。

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