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新学期に担任の先生がいない,病休の先生の代理が見つからない…….そんな悲鳴が全国の学校で絶えない.少子化にもかかわらず,事態が深刻化するのはなぜか.過密化する業務,増大する非正規,軽視される専門性など,問題の本質を独自調査で追究.教育格差の広がるアメリカの実態も交え,教育をどう立て直すかを提言する.
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Posted by ブクログ
【教員不足は四段階に整理できる】 正規が足りないのか。非正規(臨任)が足りないのか。常勤的非常勤講師とは何なのか。学校現場は穴をどう埋めるのか。 教員不足を語るなら、必読の1冊。
教員不足──誰が子どもを支えるのか。佐久間 亜紀先生の著書。教員不足になるのは職業としての教員の魅力が下がっているから。モンスターペアレンツやモンスターチルドレンの相手をして精神をすり減らす毎日。教員不足にならないように教員を社会全体でサポートしないと何も変わらない。モンスターペアレンツ手当やモンス...続きを読むターチルドレン手当でもつけたかのように教員のお給料を少し上げたからって何も変わらない。
現状に強い怒りを覚える。国とは人であり、資源がない島国であればなおのことだろう。長期的に物事を見ることができない人達に荒らし尽くされる前に何とかしなければならない。
結局、金の問題なのが寂しい。 そして日本という国が教育よりも目先の経済政策を優先してきた結果が今なのだ。政治の貧困を嘆かざるを得ない。 痛恨だったのは1980年代に、少子化への対応として教員養成の枠を縮小したこと。当時から思っていたけど、文科省はなぜ頑張って小人数学級への転換を進めることができなかっ...続きを読むたのか? 今となっては教師に求める役割を減らしていくしかないけど、その代わりの目処も立っていない。
過密化する業務や増大する非正規など複合的要因で起きる教員不足。その構造を綿密に解き明かすのが本書だ。非公表のデータを匿名で受取り世に問う。読んで分かるのはもはや崩壊ともいえる悲惨な現状。国の無策により先進国でも下位に落ちた日本の教育はどこへ向かうのか。
学校の先生が不足しているというのはチラホラといろんな所で聞くけれど、具体的に多角的に定量的に総括的にまとまった情報を本書で初めて見て、根深さと残念さと不安を感じた。 ■教員数はどう決まるか 義務標準法などに基づき国が「基礎定数」や「加配定数」を決める。加配定数とは学校課題に応じて年度毎に設定される...続きを読む。 →都道府県が教育予算や教員政策等をもとに「条例定数」を決める。 →どの学校のどの教科のどのポストの教員を何名配置するかの「予算定数」を決める。 →実際の「配当定数」が決定される。 ■いつ時点の不足か 三学期の不足数は一学期の2倍近いことも。 しかし定数調査は年度初めの数値。 ■どの地域の不足か 地域により大きく異なる。人口増加地域か減少地域か、地理的条件などにより、同じ都道府県内でも差がある。 ■どの種類の学校の不足か 割合でいうと、特別支援学級や中学校の不足感が強い。特別支援や専科など専門性が必要だと人員募集も難しい。 ■非正規教員 非正規の先生の任用区分は22種類も見つかる。種類の多さは採用の難しさを反映。 ■不足の原因 少子化、特別支援学級の増加、採用試験応募者の減少、産育休中の増加、病欠など
結局政策が世界と逆行したんだよな…(アメリカを除く)。教職の特別さと尊さを見直さないと、学校は潰れてしまうよ。アメリカの例を見てとても怖くなった。ちゃんと給与を見直し、頭数を増やして、少し余るくらいの先生を配置してほしい。 p.103 教職の門的力量形成(professional develop...続きを読む- ment)に関する様々な研究では、教員の経験年数が専門職化に関わる重要な因子であることが明らかにされてきた。例えば、教職の国際比較研究で知られるアンディ・ハーグリーブスは、プロの教師として子どもの前でとっさに適切な意思決定や判断を行えるようになるためには、各国で共通しておよそ一万時間の経験(八~一〇年の勤務経験)が求められることを指摘し、それはスポーツや音楽などの領域でプロとして習熟するのに一万時間の練習量が必要であるとされる各種研究とも整合性があると指摘している(ハーグリーブス&フラン二〇二二)。経験年数の短い一〇年未満の教員が約五割を占め、そこへさらに非正規雇用教員が約三十人雇用されているX県の実態は、教職の専門性に負の影響を及ぼしている可能性を示唆している。さらに、非正規依存率の高まりとともに、教師の仕事が自由裁量労働にもとづく専門的な職 104 種から、時間によって労働管理される不安定な労働へと変化しつつあることもうかがえる。イギリスの労働経済学者ガイ・スタンディングは、「不安定な(プレカリウス)」と「労働者(プロレタリアート)」という語を組み合わせて「プレカリアート化」という造語でこの変化を表現し、鐘を鳴らしている(Standing 2014)。またアメリカのジェンダー問題を研究するマーギー・バーンズらは、プレカリアート化は一つの職業内で分断や階層化を引き起こすうえ、女性を一層不利な立場に追い込みやすいことを指摘している(Burns et al. 2019)。 教員不足の結果、いま日本の学校では、正規雇用教員と非正規雇用教員との分断が少しずつ進行し、専門職としての教職のあり方を変容させている可能性が高いといえるだろう。例えば、第1章でみた亜美先生のように、職員室で子どもの「ちょっといい姿」を話して共有したくなる先生と、「休み時間くらいほっといて」と夜のインスタ・ライブ配信のことを考えている先生との違いのように、である。 p.151 「子どもが好き」「専門的技術・知識がいかせる」である。子供と向き合い、子供が笑顔になるのを見届けたり、自分が大学で専門的に学んだ学問を教えたりして、、「精神的報酬(psychicrewards)」と呼ばれる人間的な喜びを感じられることが教職最大の魅力だった。 力だった。 p.160 中井の「食糧難とは「三日食べずにいること」ではなく、「手持ちのわずかな食糧をいつまで食いのばせばいいかわからないこと」である」という言葉は、胸に迫る。「食糧難」を「人員難」に置き換えれば、いま必死で学校現場の人員難を支えて踏ん張っている教員の心情とも、重なり合うものと言える。 p.227 総じて、教育や福祉や保健などが、なぜこれほどに軽視されるのかが大きな論点となる。 この点は、近年の持続可能な社会のあり方を模索する諸研究や、ケアの倫理に関する諸研究、フェミニズムやジェンダー研究の領域等で盛んに議論されてきた。私たちの社会では、デヴィッド・グレーバーが「ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)」(グレーバー 二〇二〇)と呼ぶような仕事が高収入を得られるのに対し、子育てや教育、看護や福祉などの人間をケアする仕事は、低い社会的地位に留め置かれてきた。 しかも、ケア労働の研究者ナンシー・フォーブレは、ケア労働を担う人々や、ケア労働に関わるセクターが、ケア労働を行うことで逆に、社会的・経済的に不利な立場に置かれることを、「ケア罰(care penalty)」という表現で指摘している(Folbre 2002)。 本 ロバート・パットナムが『われらの子どもー米国における機会格差の拡大』(パットナム 二〇一七) 数育社会学者の始谷職産が指摘するように、「よりましな不平等社会」を築いていくためには、誰もがきちんとした教育を受けられる機会を保障する政策や所得再配分政策が必要になるのである(苅谷二〇〇三)。
深刻化する教員不足問題について、独自調査でその実態を明らかにするとともに、その構造的な要因として行財政改革と教育改革を指摘し、解決に向けた提言を行っている。また、このまま教員不足問題が放置されると日本はどうなってしまうのかを、教員不足大国アメリカの現状を手がかりに考察している。 教員不足問題にはこれ...続きを読むまでから関心を持っていたが、その実情や背景となる制度的枠組み、経緯など、よく理解できた。行財政改革と教育改革が教員不足の構造的要因だとする著者の分析には納得感があった。そして、国による教職員定数改善計画の再開、授業時間数の削減等による教員の仕事量の適正化、「乗ずる数」の改善、地方自治体による病休・育休復帰支援など、提案されている処方箋ももっともなものばかりと感じた。 正規教員の定数増のための財源確保など課題はあるとは思うが、アメリカのような教育格差が生じてしまうことはなんとしても避けねばならず、教員不足問題への対応は焦眉の急であると考える(令和7年6月に給特法の改正はなされたが、まだまだ不十分である。)。私立を含む高校教育費無償化や教員の魅力発信など、不要不急の施策を実施する余裕があるのであれば、本書も参考に本質的な教員不足対策に本腰を入れるべきだと感じた。
自分は現在公立の小学校に娘たちを通わせていますが、そうでなかったとしても教育は社会の構成員皆にとって必要なものだなと改めて思った。だから、教員が不足している現状を解消しようとするアクションを自分なりにできるところからしていこうと思った。
教員という仕事の歴史から現在に至るまでの過程を知ることができた。 なぜ、教員不足が起こるのか。 雇用をギリギリに減らして、非正規雇用に頼ったことも理由だと分かった。 これからの教育ってどうなっていくんだろう…
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