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子どもは未熟で弱く,親が常に愛情を注ぎ育て上げなければいけない――.しかしそれだけでは,親は追い詰められてしまう.動物とヒトの行動を比較すると,親の資源を奪いながら自ら育つ,ヒトの子どもの強さがみえてくる.対立や衝突を繰り返しつつ,親も子も共に育つ調和した関係をどう築くか.発達行動学の知見から探る.
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Posted by ブクログ
- 現代の子育てをヒト・モノ・シクミの重層的なアロマザリング・システムとして捉え直すことで、親の「子育て」との距離感もよりゆとりを持って考えられるようになりそう。 - 災害における医学の情報や母乳保育・離乳指導など、専門家(権威)が外圧として親の主体性を奪いうる場面(親としての不全感の元にもなる、...続きを読むp116)については、子どもの主体性を視野に入れることで本当に解決されるのだろうか?と疑問も残った。 - 重要だと思った概念: 子どもの遠心性、チャイルドリブ
ヒトを哺乳類や霊長類などの動物的側面から捉え、子育てに出てくる悩みと関連づけて解き明かす本書。ヒトが持つ子育てツールや、子育てにおける親子の距離感・関わり方における悩みが、動物界(先祖であるサル)ではどのように対応されているか?から現代のヒトの子育てにおける悩みの原因が見えてくる。 子育て真っ只中...続きを読むの身としては、理由のわからない泣きやぐずりがなぜ起きるのかを説明されておりすっきりした部分もあった! 記憶に残った内容 ・子育ては親子の主体性のぶつかり合い。「親の自由」と「子が保護を求めること」のお互いの本能がせめぎ合っている。 ・その困難を軽減するには、子育てを自分1人で抱え込まないこと。他人や補助ツール(物)による「アロマザリング」をうまく使う視点が大切。 ・子どもは弱いだけでなく大人をコントロールする強い面も出せるしたたかさを備えている。
こどもの「弱強さ」をキーワードに、求心性(近づきたい気持ち)-遠心性(離れたい気持ち)を親子双方が持ち合わせており、こどもも単に保護されるだけの単に弱い存在ではなく、保護を求めつつも自立を目指す強い側面を持つ存在として捉え直すことから、子育てのあり方を見直そうというのがコンセプトかな。 こどもを単に...続きを読む弱い存在とみなして「できる限りの保護を」と考えてしまうと、こどもに本来備わっている自立へ向けた遠心性を抑圧することにも繋がるが故、親子もまた一つの人間関係として、大人同士の人間関係にもあるような天秤的な相互作用(駆け引き?)が求められるのだと理解した
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抱え込まない子育て 発達行動学からみる親子の葛藤
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根ヶ山光一
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