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若き藤原定家が、生首に紫式部の和歌が添えられた事件や、西行が遭遇した密室からの人間消失などに挑む。後に『百人一首』に選出される、和歌の絡んだ謎解きを描く連作集。
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Posted by ブクログ
頼盛さんは物静かだったけどずいぶん騒がしい主人公来たな。 そして初めてあとがきがあったので思わず先に読んでしまった。暴力はいけません定家さん。
鎌倉時代ならではの登場人物、トリックが面白かった。最後にちょっとした読者騙しの種明かしがあり、してやられた感がありました。全く気付かなかった。続編が出ることを期待してます。
前作の主人公の息子・平保盛と藤原定家が謎解きをする。どの事件も和歌が関連しているので定家の力の見せ所。和歌は知っていてもその意味合いは薄っぺらにしか知らなかったから、事件との関連や定家の蘊蓄でとても造詣が深い内容になっている。 樋洗童(ひすましのわらわ)なるものの存在(貴人のしもの世話をする)を初...続きを読むめて知りました。定家の為人はかなりエキセントリックだがそこも面白さのひとつ。保盛が亡き父を偲ぶ場面が多々あり、前作を思い出してしんみりする。蝶の模様の狩衣着てるところでは胸が熱くなりました。
ミステリーを久しぶりに読みましたが、読みやすかったです。時代考証もきっちりされていて、勉強になることも多い一冊でした。発想が面白く、ワクワクしてページを捲ることができました。
前二作品の主人公、平頼盛を偲ぶ話が盛り込まれていてホロリとしました。良かったです。 藤原定家にクセがあるために、定家推しの方にはどう映るのかなぁ… 屍が少しグロテスク。弱い方は気を付けてください。
【収録作品】 一 くもがくれにし よはのつきかな 二 かこちがほなる わがなみだかな 三 からくれなゐに みづくくるとは 四 もみぢのにしき かみのまにまに 五 しのぶることの よわりもぞする 探偵役は藤原定家。相棒は、頼盛の長男・保盛。 一 紫式部の和歌×『今昔物語集』の鬼の話。バラバラ殺人の謎...続きを読む。 二 西行 × 『伊勢物語』の悲恋伝説。密室からの人間消失。 三 在原業平 × 『沙石集』 和歌の見立て殺人。 四 菅原道真 × 『棠陰比事』 和歌に込められた過去の事件の真相 五 式子内親王 × 『栄華物語』 道長の姉超子の急死事件と似た、庚申講の席での女房の連続怪死事件。 定家の奇矯な振る舞いに引くが、謎自体はオーソドックスで、時代の空気感がよく出ている。和歌も有名なものばかりなので、とっつきやすい。
平頼盛を探偵役にした〈平家物語推理抄〉シリーズの続編。といっても頼盛の死後、その息子・保盛をワトソン役、歌人で友人の藤原定家をホームズ役にしているのでスピンオフといったところか。 頼盛の検死の技術は保盛が受け継いでいるが、推理するのは苦手。逆に定家は自身でも聞き込みなどは行うが、保盛の検死や物的・...続きを読む状況証拠等から推理を展開する。 切断遺体が一度焼失し再び現れた謎、密室からの消失、火事の原因、宮中行事のなかでの怪死など、事件も様々で趣向を凝らしてある。 探偵役が定家ということで和歌も絡んであり、そちらからの視点も興味深い。 キャラクターとしては、保盛は武士としてのキャリアを積み重ねてきただけに残酷な場面にも冷静、だが和歌は苦手としているのに対し、定家は虚弱体質で出世とは無縁だが和歌に対する情熱は誰よりも熱く、和歌を汚したり貶めたり、間違った解釈も許さないという激しい気性。 突然激昂して語尾に『っ!』が多用されるのは面白いと見るか、鬱陶しいと見るか、好みが分かれそう。 面白いバディものではあるが、個人的には最後の章は蛇足だったように感じた。 二人の関係が良いままだったのでホッとしたけれど。
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