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非正規雇用の急増だけではなく、雇用そのものも厳しい時代になった。ひと昔前のキャリアアップのストーリーも様変わりしている。著者は、日立電子でエンジニアとして働いた後、DECの日本法人でセールスとマーケティングに挑戦し、最後は外資系IT企業の経営者として活躍する。また、グーグルの日本での基礎をつくった人物としても有名である。それらの経験を元に「どうすれば食っていけるのか」「どうすればいい仕事ができるのか」といった働く人たちの悩みに答えてくれる。「理想ばかり追うと仕事が上滑りする」「転職ではなく、転社でキャリアをつくれ」とアドバイスし、「もう東大に行っても仕方がない」とまでいう。最後に「食うために働け。そして、世界をイメージせよ」と若い人たちに檄を飛ばす。真剣に仕事について考えている若い世代や世代を越えて職業人の方々に、「働き方のヒント」を与えてくれるだろう。
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Posted by ブクログ
■マインド
1.彼ら(キリスト教を基盤にもっている人)は、経済的な成功・失敗という人間的な価値とは別に、それよりはるかに重要な宗教的な価値の評価軸を持っています。だから仕事で失敗してもそれによって自分が全面的に否定されると感じることはない。しかし、日本では、どういうわけか会社でのポジションや、給料の額が自分の人格を代表しているような思い込みがある。
2.最悪を想定すると余裕が生まれる
3.カスタマーサティスファクションにフォーカスして手を抜く
4.リスクをとれそうすれば変化がついてくる
5.いい仕事をしたけれど大赤字でしたは人類の貴重な資源の無駄遣い
6.リスクのある仕事は、自分の「できることリスト」を増やしてくれることが多い
Posted by ブクログ
●内容
・京大の学生活動から足ぬけして日立電子に就職し、米国DEC社、インフォミックス社長、グーグルジャパン社長を歴任した著者によるキャリア論
・自らを「頭でっかち」と称する著者は、新しい仕事にどんどん首を突っ込むことで「できることリスト」を増やし、いつの間にか「好きなことを仕事に」また「今やっている仕事を好きに」なっていた、という。
・繰り返し語られる「世界とのつながり」が独自視点。
●コメント
・「世界と自分」「全体と部分」の意識、大局観についての考え方がすごくわかりやすい。知識派で好奇心が強いタイプなら、著者の手法をそのまま使えそう。
(引用)
目先の仕事も世界とつながっている。本来、人間の視野は狭いもの。誰でも窓から世界を眺めているようなもの。問題はその窓をどうやって広くするようにこじ開けるか。未知の分野に出会ったら首を突っ込む。ここで窓をこじ開ける。疑問があればその場で解消する。という場数を積み重ねていけばいい。
・キャリアについては、目先の仕事を「将来」あるいは「大局」につなげるための視点の持ちかたが示されている。今の仕事に飽き足らない人にはこういう視点が刺激になりそう。
(引用)
仕事を通じて「職務経歴書を作る」という発想。転職の声がかかったときに私が考えたのが「DECで手に入れられるべきものとして、何が残っているだろう」というもの。「会社を踏み台にしなさい」とは、職務経歴書を飾る材料を、遠慮なく会社からもらいなさいということ。
(引用)
基本的な知識を大雑把に学ぶ。会社設立のプロセス、手続き、定款に何を書くか。それが済んだら清算手続き、倒産法制。入口と出口を抑える。さらに税法や労働法といった、会社がその活動に伴って課されているさまざまな法的枠組みについても勉強しましょう。
・管理職になったばかりのころの習慣として、『人を動かす』の目次をボロボロになるまで毎日眺めたエピソードが紹介されている。フランクリン自伝のやりかたで、自己啓発好きな人の習慣ぽい。
(引用)
管理職研修でカーネギーの『人を動かす』と出会い感銘を受けた。以来私は『人を動かす』の目次をコピーしてデスクの引き出しに入れておくようになった。毎朝出勤すると、コピーを取り出します。目次の項目を眺めて「ああ、昨日もまた間違えた」「実践できなかった」と赤面するためです。この習慣はコピーがボロボロになるまで続きました。
Posted by ブクログ
Google日本法人社長などを歴任された著者による働き方を指南する一冊。10年以上前の著書になります。
最初から終了直前まで、著者の半生を紹介しながら、そのときの決断した理由や背景が語られており、少し期待はずれな印象でした。
残り2章あたりで、当時のアメリカと日本の現状を比較し、問題点の提起と解決策を述べています。10年前の内容とはいえ、雇用に関する状況はほとんど変わっていない状況に驚くとともに、わずかながらでも理想とする方向に進みつつあることを感じます。雇用の確保を優先するとはよく聞かれましたが、その意味を1つの会社に囲い込むことではなく、雇用の流動性を確保することで、社会全体として雇用を確保していくのは必要な考え方です。コロナと少子高齢化による人材不足により、図らずもその方向に動いている感じもします。
著者の言う「一生食べられる働き方」というのが東大で満足せず世界を目指す、くらいにしか感じられなかったので、働き方の話というより、日米比較で感じた社会制度の改革の話、といったほうがいいのかもしれません。
▼自分の部下に「会社を踏み台にしなさい」とよく言うようになった。会社を軽視せよということではなく、職務経歴書を飾る材料を遠慮なく会社からもらえという意味
▼経済にはトレンドがあるので、社会的役割を終えた企業が消えていくのは健全なこと。斜陽の会社が消えることで、優秀な人材が放出される。そして、新しい成長分野に人材が供給される。
次々に会社がつぶれ、リストラが繰り返されても、人材が新たな成長企業に移っていく道さえ確保さrていれば、全体としてみれば雇用は維持され、経済全体のダイナミズムも保たれる。
▼雇用の流動性が確保されていないのは、日本にとって非常に大きな損失だといわざるをえない。日本では企業が正社員を解雇することは事実上不可能になっている。
雇用の流動性がないなかで雇用を維持するためにはどうするか。役割を終えたゾンビ企業を生き残らせ、むりやりそこに人材を閉じ込めておくしかない。そのためには公的資金も注入しなければならないし、おかしな規制も横行することになる。なにより、ゾンビ企業のなかで優秀だったはずの人材が腐っていくのが最大の問題
▼「転社」を当然のことと考え、会社任せでなく、自分でキャリアをつくっていくという考え方が浸透すれば、現在の日本社会に漂っているなんともいえない陰鬱な空気も晴れていくのではないか。いくら景気が悪い、失業率も上がっているとはいっても、年間三万人も自殺者が出る日本の状況は明らかに異常
▼日本人もアメリカ人にとってのキリスト教のような「垂直方向の軸」を持てれば、たとえ経済状況が厳しいままだとしても、自殺者も減るだろうし、社会全体の空気も明るくなるだろう。だからこそ、会社から離れた専門職としての安定感を手に入れていくことは、日本人にとっては非常に重要ではないか。
▼日本の教育を見ると、先頭集団にいる子どもたちをエリート候補として後押しするどころか、むしろ足を引っ張っているように見受けられる。そもそも、最大の問題は、日本のエリート候補の教育が、最終的には東京大学に入学することを目標にしてしまっているところ
▼日本の教育のもう1つの問題は、年齢による制限をしてしまうこと
▼現在の日本の教育制度は、若い才能、頭脳に足かせをはめて、わざわざ可能性をつぶしているようにしか見えない。
<目次>
第1章 明日の食料に戦慄せよ
第2章 セールスを愛したエンジニア
第3章 自分の強みを活かす
第4章 成長する企業、消えていく企業
第5章 リスクを取れ!そうすれば変化がついてくる
第6章 あなたは世界をイメージできるか
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