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社説「関東防空大演習を嗤ふ」で軍部を激しく怒らせた桐生悠々.明治末から日米開戦前夜まで,『信濃毎日』『新愛知』の主筆として,また個人雑誌『他山の石』の発行人として,反戦と不正追及の姿勢を貫いた烈々たる生涯を時代の変転のなかに描き切る.五男による回想「私にとっての〈親子関係〉」も収録.[解説=青木理]
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Posted by ブクログ
名文である。筆者の桐生悠々に対する愛情がひしひしと感じられる。 現在でも、首相と飲食を共にする新聞社の主筆や編集委員がいるという現状を仄聞するにつけ、自分たちの大先輩に当たるとも言うべき桐生悠々が貫いたジャーナリストとしての矜持は、いったい奈辺にあるのかと情けなくなってしまう。 それにしても、特高警...続きを読む察による出版物検閲や差押えの恐ろしさ。そんな時代が二度と来てはならない。たとえ少数といえども、「嵐の夜でも鳴き続ける蟋蟀」の心意気に期待したい。
なぜ、あの戦争が起きたのか興味があり、関連した書籍の中で桐生悠々の名を知った。 1980年に発刊された本が再販になったとのことだが、文章は全く古さを感じさせない。 本文はもとより、5男の方が特別寄稿しているが、本質を捉えていると感じる。 解説で述べられている、悠々が果たしてたのは「義務の履行」であ...続きを読むったと。なるほどと思ったのと同時に、その難しさを感じた。 良書でした。
社説「関東防空大演習を嗤ふ」で軍部を激しく怒らせた、 明治末から日米開戦前夜まで、『信濃毎日』『新愛知』の主筆、 桐生悠々のお話。 岩波新書(黄版)が文庫に形を変えたという。 私の好きなジャーナリスト青木理氏は、 高校生時代にこの新書を読んで、 ジャーナリストを志したと、解説に書いてある。 この本...続きを読むを手に取ったのも、彼の話を聴いてだったのだと思う。 そこを行くと私はこの本、あまり理解できなかった。 読みにくかった。 当時の引用も多く、なおてこずった。 乃木将軍の殉死について桐生悠々が批評しているところは 少しは理解できた気がした。 礼賛の嵐に対する批判的な見方。 これこそがジャーナリストの矜持、というのはわかった。 まさに今の時代に必要な魂だ。 時の政権に迎合するメディアなどに用はないのだ。 権力を付託したものを監視する役目としてのメディア。 ・・・今まで払っていた新聞代はそのためでもあったのだな、 と思う。 部数を減らした新聞社は記者を減らさざるを得ず、 質が落ちて当然。 マネタイズの難しさよ。 富の偏在。 権力者が富を持つようになってはおしまい。 そこを変えるのは投票しかないのが現状。 どんづまりだ。 はじめに 第一章 先祖由緒書から 第二章 若き二人の作家の肖像 第三章 記者への道 第四章 「陋習打破論」前後 第五章 大正デモクラシーのなかの悠々 第六章 「関東防空大演習を嗤ふ」 第七章 『他山の石』――極北に輝く星 主なる参考文献 あとがきに換えて [特別付録] 私にとっての《親子関係》 ……………桐生昭男(桐生悠々 五男) 解 説……………青木 理
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抵抗の新聞人 桐生悠々
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