中国の死神

中国の死神

ビジネス・実用
2,860円 (税込)

14pt

中国の死神である「無常」。寿命が尽きようとする者の魂を捉えにくるこの冥界からの使者は、日本では無名だが中国ではよく知られた民間信仰の鬼神である。冥界と密接な関係をもつ廟で盛んに祀られ、その信仰は中国にとどまらず台湾や東南アジア各地にまで広がっている。

「白と黒」のペアで存在することが多い無常は、謎の高帽子をかぶったり長い舌をダラリと垂らしたりと、強烈な視覚イメージで中国人のあいだに根づいている。だがその一方、無常がいつ、どの地域で、どのように誕生して現在に至るのか、なぜ人々は死神を拝むのか、そうした無常信仰に対する客観的な考察はこれまで十分になされてこなかった。

本書は、2年半に及ぶ中国でのフィールドワークに基づきながら、無常の歴史的変遷を緻密にたどり、妖怪から神へと上り詰めたそのプロセスや背景にある民間信仰の原理を明らかにする中国妖怪学の書。貴重な写真をフルカラーで130点以上収録。

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中国の死神 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    藤乃屋書店のイベントにて購入
    中国映画7.31に白黒のとんがり帽子を被った人が出てきて、あれは何だろうと思っていた所、この本に出会った。内容は、まさに無常研究の最先端だ。

    フィールドワークのコツは参考になるし、現地でのエピソードも面白かった。

    信仰についての研究は難しいというイメージだったけど、無常のように廟に像があったり、昔の冊子に絵が残っていると意外と目に見えるものとして採取可能なんだなあと気付いた。

    0
    2026年09月23日

    Posted by ブクログ

    昔読んだ漫画に無常が出てきて気になっていたのだ。中国のものは何でも数千年歴史があるのかなってつい思ってしまうけど、化合物的に後年出来上がっていくものもあるんだね。
    フィールドワークと文献から起源と正体を探っていくのは楽しい。旅行記パートも怪しくて楽しい。いつまでも楽しい中国でいてほしい

    0
    2026年09月17日

    Posted by ブクログ

    中華文化圏の民間信仰にて崇拝される神・無常について解説した書。異形の死神である無常の多種多様な様相を文献調査やフィールドワークを踏まえて紹介すると共に、その起源と変遷の歴史について考察する。
    本書は、著者の博士論文『無常鬼の研究―<精怪>から<神>への軌跡』をベースに書籍化したものである。中国並びに東南アジアの華人文化圏にて信仰される神――無常。死者の魂を冥界へと連れていく「勾魂使者」であるこの神格は、そのおどろおどろしい容貌とは裏腹に今日もなお民間信仰の場では人気を博している。本書はそんな異形の鬼神である無常について紹介すると共に、その起源から今日の姿に至るまでの変遷史を追った書物である。様々な文献やフィールドワークの現場で登場するのは、時代や地域によって種々様々な形態をとる無常、その前身となる(没個性的な)勾魂使者、そして山魈や模壁鬼といった「魂を取る(惑わす)」諸々のバケモノたち。無常探求の果てに著者が見出すのは、アナロジーの重複に基づく鬼神と妖怪の混交、権威を増大させるための神化が為される民間信仰のダイナミズムであった――。
    『中国TikTok民俗学』の著者の前著に当たる本書は、著者の中国民間信仰研究の原点となる無常を扱ったものである。中国の多様な民間信仰の現場を活写する著者の姿勢は既に本書の時点で確立されているといっても過言ではなく、多数の図版や写真で紹介される無常の姿は見ているだけでも面白いものとなっている。各論の合間には著者のフィールドワーク中での出来事を記した紀行も挟まれており、研究書としてだけではなく読み物としても楽しめる一冊。

    0
    2026年08月10日

    Posted by ブクログ

    各時代の政権や宗教団体に整備された神様然とした神ではなく、特定地域の庶民発・流転を繰り返してきた地元の信仰対象としての死神・無常と庶民の関わりを描く
    元々の由来がここで考察されている通りとしたらかなり格が上がりつつあるようにも見えるが、分身の取り入れなど今後も変化が見られそうで楽しみ

    0
    2025年06月23日

    Posted by ブクログ

    民俗学系のYouTubeチャンネルで紹介されていたことをきっかけに読みました
    元々妖怪好きで日本の妖怪には興味を持って来ましたが、今回この本を読んで中国の妖怪や東南アジアの他の地域に伝わる妖怪伝説のようなものにも断然興味が湧いてきたところです
    学術論文の間に挟まる著者のフィールドワークでの体験を書いたエッセイがどれも面白くて最後まで楽しく読めました

    0
    2024年12月29日

    Posted by ブクログ

    ブサ怖い表紙に誘われて最後まで一気に読んでしまいました。この本を知って台湾等アジアの廟を巡ると面白いかも。民間信仰の無常の歴史良く調べている。
    中国の妖怪の原点かな。
    とにかく色鮮やかで、ブサ可愛い、不気味で怖い、楽しく入りやすい面白い学術書です。
    こんなの初めて見ました!

    0
    2024年03月04日

    Posted by ブクログ

    何かで紹介されていて、表紙を見た時から読みたかった一冊。
    中国の「死神」無常に関してのとても丁寧な解説書。今の在り方だけではなく、その発生過程を愉快なフィールドワークで丹念に記している。
    個人的には、一服のように添えられているそのフィールドワークも、一冊の本として読んでみたい。

    0
    2024年01月30日

    Posted by ブクログ

    YouTubeチャンネルで本著を知り、拝読。中国で一般的な神である「無常」について民俗学の視点から考察していく。民俗学に興味を持ち、フィールドワークの手法を知るのに非常に参考になった。なんでもありな東洋思想の柔軟性は、現代に生きる我々にも「ま、いっか。生きてれば」そんな安心感も与えてくれる。中国の謎の神無常について著者が様々な場所に赴き、様々な経験をするさまは、中国の片田舎を知る紀行文としても読むことができる。中国妖怪学の進展を期待してならない。

    0
    2026年09月02日

    Posted by ブクログ

    「無常」という、死神というかなんというか…を人類学的に追跡研究した本。堅すぎなくて面白かった。旅行記も。
    妖怪は日本人はよく研究してるけど中国は全然らしい。へえ~。こういう怪異がこういう別の解釈をされて変容してもとの怪異に逆輸入…みたいな論理は京極夏彦をたしなんでいるのでよく理解できた。

    0
    2026年07月22日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    フィールドワークだけでなく過去の古い資料からも考察の材料を得ていて、多角的に捉えられていた。ほぼ聞いたことがない神様だったので意外性もなにもない気もするが、かなり信仰されている神がそんな薄弱な根拠(逸話)で成立しているのは興味深い。

    0
    2026年03月16日

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