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Posted by ブクログ
言葉選びが正しいかどうか確信がないけど、こういうのをジュブナイル小説っていうんだろう。
自分がまだ多感だった(はずだ)中高生の時に読んでたら間違いなく感化されまくって、不意に真っ白い本が鞄に入ってやしないかと期待する日々を過ごしてたんだろうなと思う。「もしかしたら自分の身にもこういう不思議で魅力的な出来事が起こるんじゃないか」ってワクワクが詰め込まれた物語。全体的に散りばめられた夏の季節感も相まって、好きです。ゆりか先輩。
話の展開やノリに時代を感じるけど、それも含めて学生時代への懐かしさがこみ上げてくる素敵な一冊だった。僕はゆりか先輩こと自分の世界を確立しているコスプレ好きを姉にしておきたい派です。
Posted by ブクログ
“「えっとね。いきなりだけど私、現実じゃないのね」
本当にいきなりだ。
「立場とか、説明するの難しいんだけど……ヨシユキ君が持っている本の、抱いている魂っていうか、物語を管理する人っていうか……
一番近い言葉でいうと、本の妖精かな」
「きついなーおい」
「きついよね。私もそう思う。羽もないし、不思議な力使えないし、ただ、その本をどうにかしてほしいっていう気持ちだけで、人間の形になっているようなもんだし。あ、そう考えると私って霊に近いのか」”
嘘と不思議の町物語の三部作の中では、一番しっくりした終わり方だといえる。
これは、バラバラになった物語を集めて欲しいという妖精のみどと嘘の話。
どこか飄々としている少年、川原ヨシユキ=太田さん
ヨシユキの父、ヨシオ
妖精で妹で嘘な、みど=イライザ
コスプレ趣味の、荻原ゆりか=地縛霊子
作家志望の、合田文乃=アリス
小柄で華奢な少年、紺野拓海=純平
みえる幽霊の、宮村直子=直ちゃん
カメラマンの、湯沢卓也=ヒロミ先生
同じくカメラマンの、石井和志=ナガタ先生
ヨシユキ君がいなかったら消えてしまう。
そんなみどの存在が、最後の最後には確かなものになった。
だから、うん。
この話は、ハッピーエンドといえるだろう。
“ぺちん、といきなりみどが自分の膝の上を叩いた。
「蚊にくわれた」
「どこまで人間的な妖精だお前は」
「あ、見て!あれ、文乃さんだよ」
薄緑のドアが少しだけ開いて、隙間をくぐるように文乃が出てきた。私服姿だ。
「よし、みど走れ!」
「瞬間移動は?」
「効率悪いから禁止だ、早く行け」
「うんっ」”
Posted by ブクログ
本の精が出てきて「世界中に散らばったシナリオを一緒に集めてくださいお兄ちゃん!」という話。設定はあざといはずなのに不思議と全然萌えたりしないあたり、絶妙のバランスってやつですね。いや、褒めてるんですけど。
だいたい一章につき一人のペースで新キャラが出てきます。どのキャラも純粋で、それがこのお話の「おとぎ話」っぽさに拍車をかけているような気がします。なのであんまりリアリティとか求めるとダメですよ。あと、一つ一つの章が短すぎてちょっと起伏に欠けるのが難点。
現代のおとぎ話、って感じが溢れるストーリーの中で、「直ちゃん」シナリオの所有者だけが浮いている。砂糖菓子の赤い部分は唐辛子でできています、みたいな。その後に繋がる必然性もないし、そこだけが喉につかえた小骨のように残ってしまう。それだけは不満。
最後はえーなんだよこれわけわかんねえよどうなったんだよ妹は、って感じなんですけど、まあこれは「ミステリー」ではなく「おとぎ話」なんで「なんだかよくわからないけどめでたしめでたし」でいいんじゃないでしょうか。ミステリ好きには勧めませんけど、ファンタジー(っぽい話)が読みたい人にはおすすめ。
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