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Posted by ブクログ
「三毛猫ホームズの家出」3
著者 赤川次郎
出版 角川文庫
p71より引用
“通信簿。ーそれが、リカの心に重くのしかかっているのだった。
”
頭のいい三毛猫が活躍する、ミステリー短篇集。
いまいち頼りない刑事としっかり者の妹が、相棒の三毛猫ホーム
ズと、いろんな事件を解決していきます。
上記の引用は、収録中2話目の中での一文。
通信簿とは、コレまた懐かしい響きです。私も一喜一憂、憂ばか
りしていましたが、通り過ぎてしまえばなんてことはないもので
す。通り過ぎて結果が数字で出なくなってから、どれだけサボら
ず頑張れるか、こちらの方が難しいのではないかと思います。
短編なので気楽に読めて、時間のない人には良いのではないで
しょうか。
ーーーーー
Posted by ブクログ
あらすじ
警視庁捜査一課のダメ刑事・片山義太郎の相棒である名探偵猫・ホームズが、ふとしたことから行方不明になってしまう。必死に捜索する片山たちだったが、ホームズは偶然知り合った女性を助けたことを機に、ある資産家一族が暮らす豪邸へと身を寄せていた。そこで次々と発生する不審な密室殺人事件と、遺産相続を巡るドロドロとした血縁の争い。不在のホームズを追う片山と、現場で独自の推理を巡らせるホームズの捜査が交錯していく。
感想
赤川次郎の人気シリーズの中でも、本作はタイトル通り「ホームズが家出する」という導入から読者の心をぐっと掴んで離さない。普段は片山刑事のそばで静かにヒントを与える名探偵猫が、今回は主人のもとを離れ、独自の視点で事件の渦中へと飛び込んでいく展開が実に新鮮で小気味よい。
豪邸で繰り広げられる遺産相続争いや不可解な密室殺人は、クラシックな本格ミステリーの王道を行く設定だ。一族の愛憎劇や人間のドロドロとした欲望が描かれる一方で、物語が決して重苦しくなりすぎないのは、やはりホームズと片山一家の絶妙な掛け合いと軽妙なユーモアのおかげだろう。血生臭い事件現場の緊張感と、猫の気まぐれかつ的確な仕草がもたらす温かさのバランスが心地よい。
また、離れて行動しているからこそ際立つ、片山とホームズの信頼関係の深さも大きな見どころだ。普段は頼りなくホームズの知恵に助けられてばかりの片山だが、相棒を心配し必死に足跡を追う姿には確かな愛情が滲んでいる。そしてホームズもまた、言葉を話せぬ身でありながら、人間たちの愚行を冷静に見つめ、鮮やかに真実の糸口を手繰り寄せていく。
テンポの良さと謎解きの爽快感はもちろん、事件の裏にある人間の哀哀や切なさをサラリと描き切る手腕はさすが赤川次郎だと感じる。肩の力を抜いて気軽に読めつつも、読後にはしっかりとした満足感が残る、シリーズの魅力が凝縮された一冊だった。
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小説・文芸
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