Posted by ブクログ
2011年06月18日
かつて民主党で顧問をしていた著者による民主党の解説書。鳩山由紀夫・邦夫兄弟と菅直人が中心となって96年9月28日(くしくも自分の誕生日と同じ)に発足した民主党の歴史、政策、ビジョン、課題について語る。
興味深い点
・発足時に中曽根康弘元首相だけでなく、のち民主党代表となる新進党の小沢一郎党...続きを読む首(当時)からも「すぐになくなる弱小政党」という趣旨のコメントがあった
・選挙結果は5勝1敗2引分。05年の衆議院議員選挙(いわゆる郵政選挙)以外を見ると着実に議席を伸ばしている
・永田議員偽メール事件で前原代表が辞任し、瓦解しかけた民主党を統合させた小沢一郎はやはり只者ではないと思った。その割には前原氏が小沢氏を批判することがあったりとなかなかよくわからない現象が起こった
思ったのは民主党は良くも悪くも日本の政党らしい政党だということ。対中国・北朝鮮に強硬的なバリバリのタカ派から、労組と関係の深い旧社会党、社民党の議員までいろいろ… 曖昧さがあったからこそ高度成長期を支えてきた実績のある自民党に対抗している政党なのに、自民党以上の曖昧さがある寄り合い所帯。まさしく政治思想のサラダボウル
民主党が本気で政権を交代させ、それを維持していきたいと思うのなら、自民党との違いを明確にすべきである。政党を名乗る以上、憲法や外交、教育の認識をもう少し共有する必要があるのでは(あるとしたら反与党の姿勢ぐらいか)。今のところどちらの党も支持するつもりはないが、政党同士の足の引っ張り合いが続いている現状からは脱却してほしい。
民主党が政権を取る可能性が高い今、民主党を知るために有権者として読むべき本だと思う。
というのが、政権交代前に読んだ時の感想。今となってはグダグダ…