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酒にも色々あるけれど、飲まずにいられないのは皆同じ。今日も酒場を漂流する“あたし”こと、なぎら健壱のおかしさと哀しみに彩られた呑兵衛エッセイ。出会いがしらに「山!」と合言葉を発する見知らぬ男に対し、咄嗟に「川!」と答えると「あのことは万事うまくいった。心配するな」。うまくいったならいいか~と思った次の瞬間「よくねぇよ。あのことって何だよ」。そんなエピソードが満載。アルコールの匂いがムンムンの酒場写真、オリジナル〈蔵出し〉原稿も収録。
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Posted by ブクログ
なぎら健壱の酒にまつわるエッセイである。なぎらのウンチクも楽しいし、起承転結が出来過ぎた、綺麗なオチがついた、早い話がだいぶ脚色してんじゃねぇのか、って思えちゃう酒の失敗談が楽しすぎる。クスクス笑いながら、どんどんページをめくってしまう。話が嘘かホントかなんかどうでもよくなってくる。
で、なぎら健壱の江戸っ子な語り口が心地よい。
「まだ陽がある内から、ちょいと様子のいい蕎麦屋の暖簾をくぐる。間髪入れず「冷やと天抜きをもらおうか」と店員に声をかける。天抜きが出て来るまでのつなぎに板わさか、あるいは焼き海苔なんぞで一杯飲(や)って待っている。その様子はなんともオツなものである。またそんな時の形(なり)が和服などであれば、言うことはないのだが。
その日あたしはひとり、麹町のちょいと歴史を感じさせる蕎麦屋の客になっていた。」
エッセイの冒頭からこんな感じ、読んでて昼下がりの蕎麦屋で一杯飲(や)りたくなってくる。
ほっこりと暖かくて、笑えて、粋なエッセイ集でした。
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