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「せめてお別れだけでもしたい」――いくら探しても見つからないという家族から依頼を受け、著者は山へ向かう。たとえ身近な低山でも、運命の分かれ道は登山道の随所に潜んでいるのだ。家族のケアをしながら丹念に話を聞き、プロファイリングで消えた足跡を辿る6つのエピソード。予防と早期発見に役立つコラム付き。
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Posted by ブクログ
自分が遭難しないために。遭難の原因の4割程が道迷いということで、GPSは必須だなと思う。 青は自然界にない色なので何か身に付けておくと発見に繋がる。
著者は、看護師さんでありながら、民間で山の遭難者捜索団体を運営されている。 やあー。陳腐な推理小説を読むよりずっと面白かった。正に探偵のように、遭難者のプロファイルを作り、性格的に頂上まで行ったか?途中で引き返したか?など、ひとつひとつ謎を紐解いていく。また、著者が、山のプロではないため、素人だ...続きを読むったらこちらに進むはずなど、遭難者の道迷いをドンピシャ言い当てる。 残されたご家族にとっては、ご遺体が家に帰ってきただけでも、ほっとしたのではないだろうか。
地元丹沢で一般登山道だけでは物足りず破線ルートバリルート廃道、近頃は沢登りも始めたいなぁと考えていた私にはとても見慣れた場所でのお話が載っていました。長いこと山を続けている方々に話を聞いているとみんな一度二度は自身が遭難したりご遺体を発見することがあるようです。どこか他人事のように思えてしまいますが...続きを読む身を引き締めて山を楽しみたいですね 私のような中途半端な実力の山屋では助けたいと思っても助けられないしもし遭難しても無茶な行動はせず救助を待とうと思えることで大幅に生存率が上がると思います、捜索隊の方々には本当に頭が下がります
登山は怖い…その一言!! ちょっとした間違いで遭難してしまう 怖いのは標識が風などでズレて、違う方向を指すとか… ニュースになってないけど、遭難している人って多いんだろーな 警察って、案外早く捜査打ち切りにするのね そこから、民間の捜索隊に依頼する人がいるか 行方不明になって 死体が見つから...続きを読むないと、どこかで元気に暮らしてると思ってるしまうわ 死体が見つかるまで落ち着かないし 時間がかかるってことは、捜索費も高くつくし 保険に入ってないと残された家族は大変だ
ニュースになるのはほんの一部で、山の遭難事故はたくさん起こっているんだなぁ。 軽装備といわけでも、無謀な計画というわけでもなく、それでもアクシデントが起こってしまうのは自然相手では当たり前なのかもですね。 遭難したご本人はもちろん、ご家族の方々の目の前が真っ暗になったであろう気持ちを想像すると、なん...続きを読むか泣けてくるなぁ。 救助隊の皆様、ありがとうございます。 あと、国際山岳看護師なるものの存在を初めて知った~。すごい~。
先日行った低山ハイキングで救助隊に背負われている人を見かけ、そのかっこよさに興味を持ち関連した本を見かけたので手に取る。 遭難、滑落、死亡事故というと初心者が登るような山では想像できなかったが、どれも身近に感じる山ばかり。実際に行ったことがある場所もあり、本書の事例をとても身近に感じた。また、単独遭...続きを読む難が圧倒的に多く、単独登山の危険性はもとより、出かける前に身近な人に告げていくという事の重要性も感じた。過信、楽観視せずしっかりと備えておくことの重要性を考えさせられた。自然の脅威は身近にあることを忘れずに楽しみたい。
登山をする者にとって遭難は、だれにでもどこででもいつでも起こりえると言えます。 作者は普段は看護師として、医療に従事されていますが、山岳行方不明遭難者捜索活動および行方不明者家族のサポートを行う民間の山岳遭難捜索チーム、LiSSの代表です。 普通、遭難の一報が入ると警察、消防などによる捜索が開始され...続きを読むますが、大体一週間ほど捜索をして見つからない場合、公的な捜索はひとまず打ち切りになるようです。 しかし残された家族は何としても見つけてあげたい、帰ってきて欲しいのです。 そこで中村さんの団体に声がかかります。 中村さんはまず、家族との面談を行います。 本人について、事細かに聞き取りをし、その人の性格、行動パターンなどを割り出します。 そのうえで、地形図を読み込み、実際現場に足を運び、遭難者の行動を想像したり、起こりうるすべてについて検証します。 こうして中村さんは何人もの遭難者を発見してきました。長い人は何年も経過したり、残念ながら生存の確率は低いですが、家族の元に戻るということで、ご家族の気持ちにも区切りがつくでしょうし、納得できるのだと思います。 本書を読んで改めて心したこと。 山岳保険はぜったい加入するべき、最近は電子機器の発達により、自分の居場所がわかるというのもありますが、 捜索には本当にお金がかかるということです。 そしてもう一つ心掛けていることは、青色の物を身に着けるということ、青色は自然界には存在しないので、山の中で目立ちやすく、もしもの時見つけてもらいやすいと聞きました。 そして山道具はとても丈夫なので、結構年数がたっても風化しないということです、上着の切れ端が枝に引っかかっていて、本人にたどり着いたということもあるそうです。 でもまずは、遭難しないことに日々注意を払うことです。
「山好きが山でなくなったのだから本望だ」。とは思わない。 自身も登山が趣味でよく山に登る。初めて登る山は不安が多い。何度か道に迷ったことがある。すぐにルートに戻れることが多いが、なかなか戻れずに右往左往し、パニックになるそんなとき、“遭難”の二文字が頭をよぎる。それはまさしく恐怖!である。 この...続きを読む本の中での遭難者は皆、山迷いや転落などの事故死である。即死状態であったかもわからないし、事故によって動きが取れなくなり、忍び寄る死への恐怖を感じながら家族への思い、導かれた山への思いもあれば、後悔も無念さもいろんな気持ちで数時間、あるいは数日を過ごしたことだろう。 本望でないにしても本人の好きな山、自然の中で迎えた死はどこか悲惨ながらもなにか厳粛さを感じてしまう。 自然は甘くないとか、自然が牙をむくなどという表現があるが、この本を読んでいてほのかに感じるのは、その山が拒絶ではなく、事故にあったその遭難者を穏やかに包み込んで追悼しているような気がしてくるのである。 遭難者の発見を待つ家族に対峙する救助隊には遭難者を見つけるというだけでなく、深い思いやりの精神をもって辛苦の時を乗り越えさせる役目もあることを知った。 とてもいいドキュメントを読ませていただいたし、深く心に残るとてもいい本でした。 ちなみにNHK-FMラジオの「山カフェ」で紹介されていたので読みました。
山岳遭難捜索の現実を読ませてもらいました。 生きている間に見つけるのがどれほど難しいのかよくわかる。 自分だけは遭難しないとは絶対に思わないで、できる限りの準備をして山に出かけたいと強く思った。
山歩きを始めた人、全員に読んで欲しい本。 山の怖さ、なぜ遭難が起こるのか、捜索の難しさがよくわかる。迷惑をかけないよう、登山を楽しもうと心に誓った。
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「おかえり」と言える、その日まで―山岳遭難捜索の現場から―
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中村富士美
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