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リーマン・ショック後の世界はどのような国家モデルを目指せばよいのか。市場機能重視の「小さな政府」か、財政機能を重視した「大きな政府」か。一方、巨額の財政赤字を抱える日本はどうするのか? 万能薬とはなりえないが、一つの答えが「スウェーデン・モデル」である。同じ大きな政府の中でも、この国の財政は健全で、「世界トップクラスの所得・国際競争力」を誇り、年金・医療・雇用・税制にも個性的な政策が並ぶ。今、決定的に重要なのは、無批判にこの北欧の雄を成功モデルとして礼賛することではない。日本との立場の違いを明確にした上で、深く多面的に理解することなのだ。読了の後、「日本はスウェーデンになるべきか」というスウェーデン公使からの問いにわれわれは一つの方向性を見出すはずだ。
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Posted by ブクログ
今年の4月からスウェーデン語を勉強し始めた自分にとってスウェーデンの文化について断面的に横断しているこの書は概論として非常に良かった。
筆者によるとスウェーデン人の強さの秘密には2つの側面「自立した強い個人」と「規則に基づく組織力」にある。人類学者のÅke Daunはスウェーデン人を「北欧の日本人」と表現し、有名洋服ブランド「H&M」の日本市場での成功の一要因として見ている。彼も述べたように、スウェーデン人の国民性には横並び意識の強さ、内気で上下関係に敏感、など日本人のイメージに近いものがあり、親しみを持つ事ができた。この内気な国民性は外国人を受け入れることに乏しかったこと、日照時間の短さが家族と暮らす時間を増やしたという事実がある。この冬の厳しさはスウェーデン人が生きていくうえで個々を強くさせたと筆者は述べていた。スウェーデンとはどんな国か知りたい人にはおすすめの一冊。
Posted by ブクログ
日本はスウェーデンになるべきか――本書を読んだ感想としては、NOです。
否定される一番の要因は、国民が政府を信頼している点にあります。国家が国民を一元管理し、プライバシーもへったくれもない管理国家の印象を受けましたが、これが可能なのは、政府が国民の期待に応えているからです。年金や保険、医療等、政府が一元管理する方が合理的ではありますが、これが日本だと杜撰な管理になってしまい、個人情報が漏れて大変なことになるだろうと思います。またマイナンバー法案成立にも苦戦したことから、もはや日本国民は政府を信用していません。
民主主義の要請、体現が政府の責任で、スウェーデン政府はそれにきちんと応えているのに対し、日本では国民が裏切られる感が強いです。
スウェーデンの家にはカーテンがないという件は印象的でした。カーテンで部屋を隠すことで何かやましいことや犯罪を思わせるのだそうです。本書に出てくるエピソードを見ると、昔の日本のムラ社会を彷彿させます。互いが互いを監視して、悪いことができないような社会……。政府の透明性が求められるのはもちろんですが、国民の諸行動にも透明性が求められるのはちょっと辛いものがあります。
産業構造や税収、所得再分配、年金保障等、見習うべき点はいくつもありますが、これらを可能にするためにはマイナンバーが必須条件であり、僕自身はマイナンバーに反対なので、スウェーデンのようになってほしくない、というのが正直な感想です。
僕の評価はA+にします。
Posted by ブクログ
福祉先進国として、福祉の分野ではよく注目されるスウェーデン。だけど、実際のところどんな国でどんな制度なのか、実はあまりわかってなかったので、話題のこの本を読んでみた。
筆者が考えるスウェーデン国民のキーワードつまり高福祉高負担に必要な要素は、「自立した強い個人」「規則に基づく組織力」「透明性」「連帯」。
この本を読むと、“地域包括ケア”を掲げる日本の介護制度がスウェーデンに近い形をめざしてるのがわかる。
びっくりするのは専業主婦率2%という数字。さらに親との同居率も低い。一体どうやって子どもを育てているのか。社会全体の理解があるとはいえ、これはすごいことだと思う。
あと私が強く感じたのは政治に対する国民の意識の差。日本みたいに選挙を前にすると政治家が負担の話ができなくなるっていうのは、どう考えても国民に問題があると思う。
この本に書いてあるスウェーデンの生活は規則がきっちりだったり、効率性が求められたりとなかなかに大変そうだけど、日本はさらに厳しい状況なのだから、覚悟を決めてがんばるしかないんじゃないかな。
財政破綻でもしなきゃなかなか意識は変わらないのかもだけど。
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