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戦後すぐ(1947年)に発表されたカミュの『ペスト(La Peste)』は、新型コロナ肺炎の世界的拡大によって慌てふためく各国政府の対応や地域社会の情勢、人々の行動・心情の変化をまるで予言しているかのようです。作品では、疫病の終焉によって生まれた世界についても描かれており、コロナ禍を経験している私たちが、何を見て、何に気づき、何を思い、何を志向するべきか、そのヒントが強く示唆されているといえます。本書は小説『ペスト』を読み解きくための一冊です。
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Posted by ブクログ
小説版のペストが盛り上がっているが、子供にも読ませたいと思い購入。幸い、私も娘も妻もたっぷり楽しめる内容であった。
アルベール・カミュが描いた「ペスト」の世界が漫画でストーリー展開されることに加え、カミュ自身の生い立ちや彼が行きていた時代の解説も入り、ペストという小説が生まれた理由などにも触れている。
また過去に起きたペストなどの世界的なパンデミックの歴史と、今回のコロナ禍で取られた世界と日本での対応を例に挙げながら、いかにこのペストという小説が人間の本性を捉えているかに触れている。
カミュが行きていた時代は20世紀半ばで、ペストが刊行されたのは終戦直後の1947年のこと。この小説は民間人では対処のしようがない戦争の不条理へのメタファだとも言われている。彼が当時住んでいたフランスやヨーロッパでペストが流行したのは14世紀だったから、当時のホットなネタを扱ったわけではないが、それでも奇妙なほどに現在のコロナ禍によって垣間見える人間の本性を言い当てている。
最悪の事態を受け入れない政治家、自分勝手に行動する民間人、当たり前が奪われ、買い占め、値上がり、闇取引の横行、格差の明確化などなど。読んでいる最中に、これって今回のコロナ禍に書いたんじゃないの?と思えるようなシーンばかり出てきて、違った意味で笑えてしまう。
結局、「人は歴史に学ばない」の一言に尽きるわけだが、こういう局面だからこそ、正しく客観的に情報を見れる落ち着いた洞察力と、人間として正しい行動を取る誠実さが問われる。そしてそれは普段からどういう生活をしているかに裏付けられる。私自身も親しい人間関係に、およそ信じがたい言動を取る人が複数いた。新型コロナの蔓延により、その人の本性を垣間見ることになって関係が崩れた人も多かったんじゃないだろうか。
もしかしたらこれは、このコロナ禍がもたらした功罪の1つと言えるのかもしれない。
ペストの小説版を読むよりも考察と参考情報が多いので、「いままさに起こっている危機」を、あらためて見つめ直すのに最良の書だと思う。
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