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老舗を救うのは革新の味か、伝統の味か――。傾きかけた京都の料亭「糺ノ森山荘」を継いだ明美のもとに、亡き父の紹介状を携えた初老の料理人が現れた。この男、腕は確かだが、つくる料理は古風なものばかりで、現場の板長との衝突が絶えない。そこで明美はどちらが料亭に相応しい料理をつくれるか、板長の座をかけた料理対決を提案する。イワシ、筍、鱧……旬の食材を用いた勝負の行方、そして男の正体とは。文庫オリジナル。
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真実は?
始め、京言葉に馴染めなくて、ずいぶん読み辛く感じましたが、徐々に慣れてきて、なんとか、読み終えました。何となく、真実に近付いているようで、それを、はっきりさせないのが、京都風?続巻で、はっきりさせるのかな?
Posted by ブクログ
京都下鴨なぞとき写真帖の八代目当主・朱堂旬が引退!跡を継いだのは??? そして謎の料理人登場。まあ、私らには縁のない料理やけど、うまさは伝わる。で、当然のごとく続刊へ続くか・・・
特に期待せず手に取ったのですが(失礼!)、思いがけず楽しく読めました。 老舗料亭の九代目となった明美の語りで綴られる物語。 全体としてはほのぼのしているけれど、岩田さんがなぜ糺ノ森山荘に来ることになったのかなど、ミステリー要素を含んでいます。 岩田さんの鱧料理おいしそうだったなぁー。 続巻も読...続きを読むみたいし、明美の夫・旬が主人公の「京都下鴨なぞとき写真帖」シリーズも読んでみようと思います。
ほのぼのファンタジー、っていう印象。京都の老舗料亭を舞台にした料理対決が核になってるけど、その周辺の人情物語、みたいな感じ。そこにファンタジー要素がうまく乗っかってる、みたいな。出てくるキャラクターがみんなちょっと癖があって、よい。
京都は下鴨にある老舗料亭『糺ノ森山荘(ただすのもりさんそう)』の九代目を継いだ朱堂明美(すどう あけみ)の一年。 先に、明美の夫であり、入り婿で八代目を継いだ朱堂旬(すどう しゅん)が主人公の「京都下鴨なぞとき写真帖」という作品がある。 そこに、若女将の明美の名前は出るのだが、いっかなご本人が出て...続きを読むこないので、謎だった。 今度は明美が主役の物語。 主人が家族にも店にも隠し事って、どんな夫婦やねん、二人とも「外商」と理屈つけてそれぞれ勝手に外出ばかり。 と思っていたら、自宅で食卓を囲む二人は、なかなか良い夫婦で安心した。 夕食にはワイン傾けて、ね。 明美は、八代目の旬にいろいろ相談するのだが、いつも決まって「きみの好きなようにすればいいよ」と言うばかり。 無責任な男だなあー、と横目でにらみたくなるのだが、その実、しっかりアドバイスをしてくるのである。 いや、むしろ旬が黒幕? 一方、旬の隠し事に明美は薄々感づいている。 京女は、何もかも知った上で男を泳がせている、みたいなことを聞いた事があるけれど、相手の旬は京男ではないところが、違った関係をうむのかも。 ひとつ気になったのが「写真帖」で触れられていた旬の出身と、今回、明美が言っている旬の旧姓が違うこと。 まあ、何でもかんでも白黒はっきりさせんでもええ、という事にしておきます。 料理対決も、とても美味しそうだったし、美味しいだけでなく毎回、料理にとって大切なこと、料亭にとって大切なこと、夫婦にとって大切なことなどがさりげなく書かれているのが良い。 朝ドラ名物みたいな「立ち聞き」には、古い建物の壁の薄さが貢献している。 改装せんでもええです。 京都ならではの、ちょっと不思議な出来事もあり、ちゃんと謎解きもあり、次回が楽しみです。 明美さん、好きになりました。応援したい! 二人の板長さんたちの料理対決もまた楽しみです。 第一話 イワシ料理対決 第二話 筍料理対決 第三話 鱧料理対決 第四話 もみじ弁当対決 第五話 肉料理対決 「写真帖」を読んでいなくても問題なく楽しめるし、その上で「金田一ムートン」って何?!と気になったら読んでみるといいかもです。
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