431秒後の殺人

431秒後の殺人

1,899円 (税込)

9pt

3.8

写真を撮る楽しみを教えてくれた、松原京介の不可解な死。離婚話で揉めていた彼の妻は、関与が疑われたものの、死亡時刻にはタクシーに乗っていた。どこをどう見ても、不運な事故としか考えられない状況だったが──恩人の死をその妻の仕業と確信した駆け出しカメラマンの安見直行は、祖母の助言によって六角法衣店を訪れる。店の主は代々京の辻や橋に立ち、道のさざめきから神託を受け、失せ物を見つけ出すことができるというのだ。直行は恩人の死亡事故を他殺と証明する証拠を探して欲しいと依頼するが、若くて無愛想な店主・六角聡明からは、けんもほろろに断られてしまう。だが、直行の撮った一枚の写真がきっかけで、六角は事件の証拠探しに協力を約束する。現代のガジェットによって構成された不可能犯罪を、緻密な論証で見事に解き明かす表題作ほか全五編を収録。第十六回ミステリーズ!新人賞受賞者による出色のデビュー連作集。/【目次】第一話 431秒後の殺人●これは計算尽くで偶然の可能性を限りなく必然に近くなるまで高めた――殺人事件だよ。/第二話 睨み目の穴蔵の殺人●最近、お客さんから「襖の武将の目が動いた、絵の中から睨まれた」なんて言われるんです。/第三話 眠れる映画館の殺人●幽霊でもない限り、無理やん? だって誰にも首を絞めたりする時間なんかなかったやんか。/第四話 照明されない白刃の殺人●オレ達がそいつの後を追って角を曲がるまでに、次の瞬間にはもう通りから姿が消えていたんだ。/第五話 立ち消える死者の殺人●この部屋に入院した人はな、夜中に攫われて二度と戻ってこられへんねんて。/著者あとがき

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431秒後の殺人 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年03月08日

    老舗の袈裟店主・六角が鮮やかに事件を解決するハウダニットに特にこだわった5つの事件。1話目で事件を持ち込んだカメラマン・安見が2話目以降でパディとなりライトな感覚で読めるが、トリックは濃厚で読み応えあり。さらに種明かしの後には、店と共に受け継がれる「辻占』がジワリと効果を高める二重構成。最終話の六角...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年10月16日

    新米カメラマン『安見直行』、辻占家系の法衣店主『六角聡明』コンビが殺人事件のトリックを解くミステリーとオカルトの融合連作短編集

    ふたりを紐付けたのは安見が撮った一枚の写真
    そこに写っていたのは…
    京都の一年を背景に、六角のゆったりとした京ことばで真相が綴られる。

    魅力的なキャラクターの登場に是非...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年09月04日

     京都を舞台にした探偵ミステリー、陰のある辻占師とお人好しのカメラマン。ドラマにしたら誰がピッタリだろうと読後は、思わず勝手にキャスティングしてしまった。1話毎に謎解きのレベルが上がり、後半は一気読みした。

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    Posted by ブクログ 2022年05月14日

    ちょっと分かりにくい部分もあったけど、好みで面白かった。
    ただ安見がなんの役にも立ってないのが気になる。

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    Posted by ブクログ 2022年09月16日

    京都を舞台に、法衣屋の探偵役とカメラマンの助手が謎を解く連作短編集。
    不可能犯罪や超常現象と思われる出来事が合理的に解明されるのはすっきりする。物理トリックの話が多く、少々現実性に乏しいような気がするとのと、後半になると占い要素がなくなってしまうのが残念だったが、総じて面白かった。ドラマ化にもよさそ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月28日

    新人作家さんのデビュー作。凸凹コンビのキャラクターが良い味出していてユニーク。5作の短編集ですが、謎解き要素がしっかりしていて軽めのイメージとは裏腹の本格的雰囲気もたっぷり。探偵役の耳馴染みのない職業が生かされる場面もあって、これからの作品も大いに期待しています。

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    Posted by ブクログ 2022年07月22日

    法衣店を営んでいる六角とカメラマンの直行のバディもの。
    辻占要素はほとんどなく、六角の観察眼とトリックを暴く推理力で事件が解決していて、設定として必要あるのかなと、思いました。

    トリックは面白かったですが、なんだか現実性に乏しかったです。そして、あまり「京都感」もないように感じました。

    あまり直...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月08日

    易占+本格ミステリーという面白い設定。
    探偵役は京都の細い路地裏にある古い法衣店(法衣や袈裟などを扱う)を営む六角聡明26歳。
    最初の依頼者で、その後は友人として助手として側にいる同い年のカメラマン・安見直行と共に様々な事件のなぞ解きに挑む。

    犯人はどうやって被害者が歩いている場所にピンポイントで...続きを読む

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