源平合戦の虚像を剥ぐ 治承・寿永内乱史研究

源平合戦の虚像を剥ぐ 治承・寿永内乱史研究

1,210円 (税込)

6pt

4.4

「平家物語史観」を乗りこえ 内乱が生んだ異形の権力 鎌倉幕府の成立にせまる

屍を乗り越え進む坂東武者と文弱の平家公達――。我々がイメージする源平の角逐は、どこまで真実だったのか? 「平家物語史観」に基づく通説に対し、テクストの精緻な読みと実証的な探究によって、鋭く修正をせまる。さらに、源平合戦の実像や中世民衆の動向、内乱の歴史的所産としての鎌倉幕府の成立過程までを鮮やかに解明した、中世史研究の名品。

現在でも、武士を暴力団にたとえ、その武力を超歴史的に批判するような見解は目についても、肝心の武士が「戦士」として行動する「戦争」や「武力」の在りかたについては、まだまだ未解明な部分が多い。……「源平合戦」にロマンを感じておられた方は、少々失望されることになるかもしれないが、本書としてはできるだけ現実的・冷静に、治承・寿永内乱期の戦争の実態を復元し、そのうえで、たんに戦乱の被害者にとどまらない中世民衆の動向や、内乱の歴史的所産としての鎌倉幕府の成立を、検討していきたいと考えている。――<本書「はじめに」より>

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源平合戦の虚像を剥ぐ 治承・寿永内乱史研究 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2022年10月30日

    源氏が平氏に勝ち,朝廷とは別の統治体制を敷けた理由を戦闘方法や戦争行為の動機のリアルな分析から推測していて,読んでてワクワクしました。NHK「鎌倉殿の13人」も終盤になってきましたが,最初から見直すと違った見方ができて楽しそう。先に大河ドラマや新日本出版社/上杉和彦『源頼朝と鎌倉幕府』を読んでて,大...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年01月13日

    1996年刊行の原本を一部改定した文庫版。源平合戦の実像や鎌倉幕府の成立過程を、戦闘の実態や民衆の動向などを明らかにしながら再構築する内容。現在にいたる研究状況を理解するためにも読むべき内容と思えた。

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    Posted by ブクログ 2012年09月17日

    武士は弓馬の道の専門として王権に奉仕する家業として生まれた。馳射を競う武士の合戦は承平・天慶の内乱の質の劣る兵士の大量動員で変質した。乱後の鎌倉幕府は御家人に殊更、武士の表芸として弓馬の道を奨励する。また源頼朝は特別に貴種性が高かった訳ではなく、その確立の為、奥州征伐に全国から御家人のみの大動員を行...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年10月26日

    知的好奇心が満足される本です。
    「ああそうだったの」ということの連続です。
    歴史は「生きるか死ぬか」の選択を迫られた人々の足跡だということが改めて分かります。
    教科書的な「社会はこの方向に進むのが正しいので、彼らは全体としてこのように行動した」という説明では納得できない人にお勧めです。

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    Posted by ブクログ 2023年07月09日

    平家物語は物語として大幅に脚色が加えられており必ずしも史実を正確に表現していないこと、また平家物語の筋書きを正とし進めれていた中世史研究を批判し、源平合戦の史実としての姿を映し出そうとした書籍である。
    当時の文献や資料に基づき、誠実に内容を構築している印象を受けた。
    特に、奥州合戦が軍事的よりも政治...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年06月25日

    以前に買って積読状態だったものを読む。今年の大河ドラマ関係ということもあり、なかなか面白く読めた。内容は源平合戦期から奥州合戦までを「戦争」を中心に見て行ったもの。吾妻鏡などを表面的に読んで行ったのではわからない当時の様子がわかる。しかし、この本にも一部載せられているが、「吾妻」ってかなりすごい歴史...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年12月17日

    奥州征伐を急いだ理由が、御家人体制の再編成及び頼朝の権威づけにあることはなるほどと思う。
    前九年の役の頼家への自己投影による権威づけとは、家の出自に一番重きをおく日本人ならではの発想は、古代から受け継がれてきたものと感じた。

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    Posted by ブクログ 2013年01月03日

    武士は元々職能であり弓馬の道出会ったこと。=白兵戦がシュリュウではないこと。

    と思うと、その後の信長による鉄砲採用の素地は日本にもありアメリカの銃社会を云々いえないなーと。。

    あとは、源頼義を意識したアイコンとしての
    権威、仕組み作りもしさぶかい。

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