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中田忍の苦悩。物語は謎の限界へと向かう。
謎のメッセージとともにもたらされた“異世界エルフ”アリエルの身分を公的に証明する書類の数々。
多くの問題を解決し、忍の目指す異世界エルフの社会的自立を大きく助けてくれるはずのそれは、同時に『公的機関のデータベースを自在に操り、インターネット通信を常時監視しているかの如き、超越的な謎の監視者』の存在を示唆するものでもあった。
浮き彫りとなった異常を前に、家族を守るべく戦線を離脱する徹平、遠ざけられた由奈、空回りする環、じっと見守る義光。
そして、アリエルを送り出すべき現代社会もまた、中田忍を苦しめる。
いち現代人として、いち地方公務員として、目を逸らすことのできない人類の闇が、アリエルの自立を目指す忍の前に横たわる。
そして、ある真夜中。
完全体異世界エルフの装いとなり、己の前に立つアリエルを前に、忍はぽつりと呟く。
「さよならのためか」
「ハイ」
敵は現実。
逃れ得ぬ現実。
夕闇迫る江の島シーキャンドルの頂上で忍を襲う、前代未聞の「悪徳」とは。
打ち寄せる新たな波紋は、忍から何を奪い、何を与えるのか。
異世界エルフ×地方公務員×群像劇、開花の第四幕!!
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
クソ真面目だがぶっ飛んだ思考を持ったやべーやつが異世界エルフに出会ったら…。
これは地方公務員・中田忍と、彼の家に現れた異世界エルフによる異種族・異文化コミュニケーションを描いたお話。
「エルフを、冷凍したい」
普通ならほのぼのホームコメディにでもなりそうなところだが、そこはこのやべーやつ、中田忍である。
エルフには未知の細菌が潜んでいる可能性があり、そんなものがあれば人類が滅びかねないとして、エルフを冷凍して海底へ棄てるべきだという、なんとも物騒な発想に至ってしまう。
(友人の協力や説得もあり思い止まるが…。)
その後中田忍は人類の為そしてエルフの為、身命を賭してエルフを保護することを決意し、かくして彼らの同居生活が始まる。
言葉も通じない、生態もわからない未知とどうやって意思疎通を図っていくのか…。
中田忍のぶっ飛んだ言動と真面目な地の文のシュールさが笑いを誘う。
シリアス・サスペンスあり、ほっこりシーンもあり、これはジャンルという枠に収まらない唯一無二の快作だ。
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