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エンタープライズを守っているのは、戦艦ノースカロライナ、重巡ポートランド、軽巡アトランタ、それに駆逐艦四隻である。大音響とともにオレンジいろの閃光が光った。それは、なだしおから飛来したハープーン・ミサイルだった。ものすごい炎が噴き上がり、空母エンタープライズの飛行甲板に巨大なクレーターを空けた。Z部隊の戦火が切って落とされた!
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田中先生だけは信じてたのに…。
2025年3月読了。全巻(『ファイナル・カウントダウン』まで)纏めたレビューです。 精神的に落ち込んでいた為、まともな本はとても読めず、冷やかし半分で本書を手に取った。『新太平洋大戦記』シリーズが、嘘八百の「超兵器」の類を使わず、「あの時…たら…れば」だけをいじって戦ってみせると云うとても健康的な...続きを読む設定でw、当然結果は変わらないものの、当時の日本軍が充分に機能していれば『結構良いところまで行けた』のを、じっくりと描いていたからだ。 本書はいわゆる「タイムスリップ物」であり、古くは半村良の『戦国自衛隊』のような設定で、平成の自衛隊がミッドウェイ直後の日本へタイムスリップし、「積極的に歴史を変えようとしたら…?」と云う物語である。 そんな訳でマンガでも読む様な気分で、『新太平洋大戦記』を書いた田中先生を信じて、楽しみに読み始めた。 ところが…お歳を召されたのか、本来の戦争史への拘りが強過ぎたのか、自由に暴れ回って書ける筈の《架空戦闘》よりも、「旧史(実際の戦史)では…」と、昔の話ばかりに気持ちが行ってしまって、中々話が進まない。これが先ずイライラの始まり…。 又、架空戦記とは言え「彼我の戦力差が有り過ぎる」事が気になったのか、とにかく日本軍は〈徹底的に優しい〉のである。 その為、物語の進みは恐ろしくのろく、同じ「旧史では…」が何度も繰り返される等の停滞気味な筆により、読んでる方のストレスの方が強くて、最終巻の最後に至っても『こんな中途半端なところで終わるの?!』と、ガッカリなエンディング…。 確かに御高齢でしたでしょうし、『架空戦記ブーム』の最中、《超兵器》等と云う'70年代のロボットアニメみたいな何でも有りの子供騙しの小説を量産して書いていた某作家等と「同じ土俵で書きたくない」と思われたのかもしれませんが、それにしても昔話の重複や、殲滅戦を避けようとする優しさが、かえって読む側にとっては『じゃあ何の為に書き始めたんですか?』と聞きたくなる展開に、ほとほと悲しい気持ちで読了。 これに続く話があるのかも分からないので、ここで撤退します。 やっぱり『架空戦記モノ』って、書き手と読み手の知識や感情のズレが絶対に出ちゃうから、読んではいけないものなんだね…。 そんな事を学ばせていだきました。田中先生、お健やかにお過ごしください。
#アガる #スカッとする #じれったい
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