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Posted by ブクログ
京都の小さなお弁当屋さん、ちどり亭のシリーズ、三作目。
アルバイトの大学生、そして、今ではちどり亭の後継者を目指す、小泉彗太(こいずみ けいた)の目を通して描かれる、花柚さんの料理と恋、二十四節季に彩られる京都の四季。
有職を今に伝える名家のお嬢さんにして、お弁当屋さん「ちどり亭」の店主・蒔岡花柚(まきおか はなゆ)は、幼いころからの恋をようやく実らせ、許婚の永谷総一郎(ながや そういちろう)との結婚が決まる。
しかし、家の大人たち、特に、ちどり亭の家主である祖父からは、名家の跡取り同士の結婚を許す条件として、店をたたみ、花柚は店主をやめること、経営にかかわってもいけない、という条件を出される。
彗太が店を継ぐと申し出たことで閉店だけはまぬかれたが、別のオーナーを探すことになった。
そういう悩ましい状況を軸に…
なぜ料理をするのか、という大切な話が語られる。
11.草露白(くさのつゆ しろし)、漆塗りと栗おこわ
目に見えるもの、舌に感じる味…
人それぞれ、違っている。
お客さんに、自分の作ったきんぴらを「おいしくない」と言われ、彗太は人に料理を出すことが怖くなり、店を継ぐことの重さを今更ながらに感じる。
12.鶺鴒鳴(せきれい なく)、配膳さんと海老フライ
ちどり亭はお弁当を作ることを商売にしているわけだが、普通の人がお弁当を作る相手は、ごく親しい、家族やそれに準ずる関係の人に限られる。
案外面倒見のいい美津彦が連れてきた大学生、康介の、ちょっと微笑ましい勘違い。
13.鴻雁来(こう がん きたる)、野菜嫌いとつくねの照り焼き
親が子供の成長に願うこと。
とくに、一番気にかけるのは、成長に大きな影響を及ぼす“食べるもの”のことかも知れない。
大きすぎる愛情に反発するのも、子供の成長ではあり、
いつまでも甘え続けるのは大人になりきれない証拠でもある。
14.虹蔵不見(にじ かくれてみえず)、サンドイッチと琵琶の音
この、ちどり亭の物語の中で、最大の事件と言ってもいい。
花柚がこれまでの思いに始末をつけて、自分の意思でこの先を歩むためには必要だった再会。
藤沢先生の言葉、「誰かのために生きてはいけない」を、花柚が大切な人に贈る。
おいしい料理を作ってくれる誰かがそばにいてくれれば大丈夫。
番外編 月見る月はこの月の月
“ダメな京都の男の代表”から救いの神と化した白河美津彦(しらかわ みつひこ)視点で語られる、3巻のいきさつの裏と、ここにも母親の料理の呪縛から逃れようともがく、美津彦の女友達・村上莢子(むらかみ さやこ)の話。
人は半年で、細胞ごと生まれ変わる?
Posted by ブクログ
今回も人の想いのこもった優しいお話だった。
ただ今までよりも重い展開が多かった印象。
ちどり亭を継ぐことを決心した彗太にはプロの料理人としての怖さを経験するという試練が待っていたし、花柚さんの前には行くへ不明のお兄さんが現れて覚悟を問われる場面がやってくる。
そのどちらにも、実にこの物語らしい相手を想い遣る前向きな結末が語られて、あー、いいなあ。とてもいい。
読み終わって幸せな気持ちになる物語だ。
それにしても美津彦さんがこんなにまともになって行くとは思わなかった^^
あと、どの巻もそうなんだけど、読むと自分も料理したくななってくるよ。
これでおわりかなと思っていたら、まだ続くんだね。
うれしい。
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