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Posted by ブクログ
映画とは異なっていた。映画は、施設で働く職員側(またその家族)からの視点で描かれていたが、原作の小説は施設に住む方からの視点で描かれている。
重度の障害を抱える方が、どのようなことを実際に感じているか思っているかはわからないが、この小説で書かれてるような詩情的ではないにせよ、それに近いことを感じてるかもしれないなと思った。
特に痛みの記載については、行動障害を抱える方の抱える痛みに近いものがあるとしたらと思うと、何とも言えない気持ちが湧き上がってきた。
この本を読んで、障害を抱える方への支援について偉そうなことを思ってきたかもしれないと、反省させられた。
何か結論やヒントが分かるわけではないが、思考や考えが変わるような、一読すべき良書と思った。
Posted by ブクログ
重心とよばれる方々と関わる仕事をしています。
日常的に接する中で、彼、彼女らは確実に「人のこころ」を持っているし、むしろ、それがむきだしで、さまざまな忖度がないと思っています。彼らと好意をもって関わろうとしている人たちは、全員ではないにしろ、その忖度のなさに魅力を感じている人は多くいると思っています。
ただ、そういったある種、悲しいかな少数派の感覚をもった人の世界で生活していると、社会一般から、この世界がどう捉えられているかわからなくなり、それはそれで、平穏なことではないとも日々感じます。
辺見先生は、人間のおどろおどろしい局面に入り込み、この一冊に表現してくださっています。
本来であれば、私たちのように彼らに好意的感情をもって、生活している人たちにもぜひ読んでもらいたいです。
Posted by ブクログ
語り手が障害を持っている主人公きーちゃんであるというのが新しい。きーちゃんの考えが淡々と述べられ、最初は読みづらさがあったがきーちゃんが考えているコト、きーちゃんのさとくんへの想いがしっかり頭に入り込んで終盤にかけての展開は息を呑んだ。
多くの人に一度は読んで重度身体障害者、施設スタッフの現状を考える作業をしてほしいと思った。
私は実際に重度身体障害者の方に会ったこともなければ介助をしたことがあるわけでもない。
テレビの中で施設の方が介助をしてるのを見たとしてもテレビで映せる綺麗な部分を一部分だけ。実際には想像もできないような神経が削られる出来事、場面がたくさんあるのだろう。
その事実が人格や考え方を変えてしまうこともあるとは思う。
しかしどの命にも優劣はなく天秤にはかけてはいけない。これは当たり前。
問題と思ったのはこの重度身体障害者の介助をしているスタッフの心のケアがしっかり出来ているのか。さとくんのように現実を目の当たりにして心が壊れる瞬間が生まれてはいけない。あの事件が起こった容疑者側の背景にも目を向けたい。
日常的に入居者への虐待が行われてしまっている施設もあると言われてる今、しっかりとその根本に目を向けなければならない。互いが対等であり人としてあり続けるためには尊重が必要。その尊重を作るにはまず施設スタッフの気持ちに寄り添った働き方を作らなければならないのだと感じた。
Posted by ブクログ
相模原障害施設やまゆり園で起こった障害者殺傷事件をモデルとした物語。
身動きも出来ない「きーちゃん」は思う事だけは出来る。
そのきーちゃんの別人格「あかぎあかえ」や犯人の「さとちゃん」の思いで構成されていく。
非常に読みにくいが、その読みにくい文章で障害者の思い、障害者に対する思いを表現しているのだろう。
最後の数ページはさとちゃんが事件を起こしている時の思い。
「こころ」があるか無いかで殺すか殺さないか決めていく。実際の犯人は話せるか話せないかで決めていったらしい。
自分や家族が重い障害を抱えてない事に安堵する自分を見つめ直す作品でした。
Posted by ブクログ
読むことに多大なパワーが必要だった。
そして理解しようという事が辛かった。
まず思ったのは、他作品を思わせるひらがなの多さ。ひらがなの多用で障がい者の状態を表現するのか。そしてその中で一般的に難しい漢字や言い回しなどで知性を感じさせられる。
著者はきーちゃんの心の中を想像する中でその様な手法でこちらに、きーちゃんの様な状態でも表現できないだけなんだとこちらに伝える。
その様な人が被害に遭ったのではないかとこちらに問いかける。
そして世間の意識も『世界の隠された衝動』として表現する。
この作品は読み手にも刃を向けられた様な感じがした。それくらい切実に考えさせられる。
しかしその中で、政治的なメッセージが出てくるのがちょっと残念だった。
疲れる読書だった…
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