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三部作の前作「三四郎」で描かれた淡い恋愛は、この作で、より深刻な人間的苦悩にいろどられる。自然の情念に引きずられ、社会の掟に反いて友人の妻に恋慕をよせる主人公の苦しみは、明治四十年代の知識人の肖像でもある。三角関係の悲劇を通して漱石が追求したのは、分裂と破綻を約束された愛の運命というテーマだった。西洋化する近代日本文明への失望と封建的道徳の偽善の狭間で苦悩する自意識を描き鋭い文明批評ともなっている。明治42年作。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
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Posted by ブクログ
清くまっとうに生きる人間のなんとつまらないことか!代助は親の言うがままに従えばいくらでも楽に生きる道はあったのに、激情に任せて自分の意思で茨の道を選んだ。この後悔と裏腹な大胆な感情の揺らぎこそ漱石文学の醍醐味だと思う。ニートだろうが金が無かろうが親に勘当されようが、人を好きになってしまったらもうしょうがない。それでこそ人間ではないか。クソのつくほどつまらない人生を生きながら「オレはまだマシな方」と自己正当化を繰り返し、「あーあ可哀想に、あいつは堕ちたな」と他人の内心不幸を喜ぶだけが娯楽になっている人間から見れば代助の決断は大いなる愚行に過ぎないだろう。しかし私は代助のように真に人間的に生きたいと思う。
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