【感想・ネタバレ】寄り道のレビュー

あらすじ

元恋人が自殺したことで、その責任を感じて思い詰めていた32歳の北岡紫希子は、一人で京都を訪れていた。その道中、綿貫という男に声をかけられる。30歳半ばの綿貫は、少々軽薄そうな男であったが、今の紫希子にはその軽さが逆に心地良かった。初めて会った相手だというのに、いつの間にか自分の置かれている状況をペラペラと話してしまう紫希子。すると綿貫も、妻が1年前に亡くなったと告白する。数時間後……。二人はホテルに居た。二度と恋はしないと誓っていた紫希子であったが、秘壷は肉茎を強く求めており……。

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主人公が救われて良かった

主人公は三十代前半の女性。元カレが自ら命を絶ったことで自身も罪の意識を負い、傷心からひとり京都を訪れる。本作は北嵯峨は大沢池での偶然の出会いからラブロマンスへと発展するというスジ。このあたりはお馴染みの展開。その後、結ばれるまでの展開は自然な筆致で無理なく読め、あらためて著者の力量を見せつけられる。プレイ内容も倒錯と呼ぶようなものはなく、至ってオーソドックスだが、丁寧な描かれ方で格調の高さを感じる。主人公は相手の男に愛されていくにつれ、徐々に罪悪感から救われて前を向き始める。その様子を読者も追体験することで、同様に幸福感を味わっていく。元恋人はヒロインに別れを告げられたことで、当てつけから自死したものの、成仏して魂が浄化され、ヒロインに新しい出会いを与えた、という見方もできる。読後感がすこぶる良いこともあり高評価とした。

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2024年06月22日

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