あらすじ
あなたは知らない。私の指がなにに使われているか―。団鬼六賞大賞受賞第一作「おばけ」を含む、女流官能小説家・花房観音の、止めどないエロスと隠微なユーモアに満ちた傑作官能短編集。
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Posted by ブクログ
これまで読んだ花房観音の作品の中でも、ハードな描写が目立つ官能短編集。七篇の短編が収録されているが、いずれも味わいの異なる短編であり、複数の作家によるアンソロジーではないかと錯覚してしまう。
『おばけ』。京都を舞台に描かれるサスペンスフルな作品。節分祭で賑わう吉田神社に向かった香名が体験したことは夢か現実か…
『花灯路』。かつての恋人の三倉と再会した弥生はより一層女らしく変貌していた。三倉と弥生が過去を思い出すかのように繰り広げる官能の時…
『指人形』。飲み屋のカウンターの男女が繰り広げるソフトな官能の世界…
『奥さん』。不動産の営業マンが主婦ひとりの家を訪問するが…ちょっと驚く展開。
『妻の恋』。AV男優に恋した妻…どこかコミカルでサスペンスフルである。
『わるいうわさ』。イラストレーターの愛子の悪い性癖…
『美味しい生活』。花房観音にしては珍しいレズビアン物だが、それだけでは終わらない。
Posted by ブクログ
官能小説とは知らずに読んだ本。
話としては表題よりも「おばけ」が好きかな。
あとは「わるいうわさ」の愛子がかなり割り切っていて良かった。
「妻の恋」は旦那はそれで良かったかもしれないけど、妻側はどうだったんだろう?
ファンでいたかった「夢」のままにしていたかった妻を「現実」にしてしまうのはなあ、と。
この夫婦がその後どうなったのかは気になる。
Posted by ブクログ
京都が舞台の冒頭二話がエロい。「お香→エロ」「生け花→エロ」という力技の結合が笑える。最近、京都の殊に特権主義的閉鎖性に嫌気が差しているのだが、京都という閉じた空間とエロは相性が良い。あと、この人のエロの中に漂う哀しみ。思わず我が身を振り返る類の哀しみが行間にひそむ。