あらすじ
恩師の葬式で再会した五人の女。近況を報告しあううちに、教室で思いがけず見たビデオの記憶が蘇る――。先生と濃厚なセックスをしていた、あの女は誰だったのか。互いに互いを疑いながら、女たちは今日も淫らな秘め事を繰り返す。不倫、密会、出会い系……。秘密を抱える腹黒い女たちと、それを監視する窮屈な箱庭、京都。重ねた嘘が崩壊する時、女たちの本性が放たれる。
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Posted by ブクログ
恩師の葬式で再会した五人の女。近況を報告しあううちに、教室で見たビデオの記憶が蘇り――。先生と濃厚なセックスをしていた、あの女は誰だったのか。互いに互いを疑いながら、女たちは今日も淫らな秘め事を繰り返す。不倫、密会、出会い系……。秘密を抱える腹黒い女たちと、それを監視する街、京都。重ねた噓が崩壊する時、女の本性が放たれる。
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結構好きだった。自分には遠い、フィクションの中でしか出会えないような女も、親近感を抱く部分もあるような女も、いろんな女と欲望の描かれる連作短編集。大きな謎が冒頭にポンと置かれて、それに少しずつ触れながら5人の女たちをめぐる物語があって、最後に謎が解かれる構成も面白い。性的すぎる要素が入ってくる小説って途中で嫌になることが多いけど文章が好きなせいか、出てくる女たちが大概自分たちなりのセックスを自ら楽しんでいるせいか、最後までするすると読めてしまった。わかりやすい結論はないけど、閉じ込められているような女たちが自ら出て行ったり、残ったり、色々なあり方を見せてもらえたのが良かった。
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エロ8割り。なかなか濃ゆいメンバーの同級生だこと。
孤独感と寂しさ劣等感など色々と満たされない女達。分からんでもないような。
私は翠が一番嫌いな女かなーー。
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花房観音さん作という事もあり、ざっくりと分類するなら、官能小説、になるのでしょうが、それだけではなく、女性の心理や生態が、とても細かく丁寧に描かれています。
後、ミステリ要素もあり、普段官能小説を読まない人でも、楽しく読めるのでは、と思います。
女って、怖いですよねぇ、やっぱり。こういう心の動きや行動とか、女にしか描けないですよね。
Posted by ブクログ
こういうの読みたい気分だったので個人的にヒットでした!官能小説感ムンムンですが、女の心情や本心など色々が垣間見れ、箇所箇所に自分と重なるシーンも有り……もう気になって気になって!!本を読むの遅いんですが珍しくハイスピードで完読しました(笑)
2015,09,03
Posted by ブクログ
京都という箱庭を舞台に描かれる五人の女たちの素顔。花房観音らしい静謐でしっとりした文章により描かれる京都という街の姿と女たちの性愛に満ちた生き様。単なる官能小説だけには止まらず、文学的な香りが漂う佳作。
大学時代の恩師の葬式で再会した五人の女たち。恩師を巡る過去の出来事を発端に一人ずつ描かれ五人の女たちの嘘と性愛の秘密、腹黒い本性。花房観音の作品としては珍しくミステリーの要素もあり、最後まで飽きることなく読むことが出来た。
Posted by ブクログ
いろいろなタイプの女性の話 性描写がチョコチョコ出てくるので、話が横路にそれる感じがあり、何度も離れては読み直し
結局、全体的に筋があり、読み込むと繋がりがしっかり描かれていることがわかる
「京都って住みにくそう」 訪れた時そう思ったが、改めてそうかも(私には)
Posted by ブクログ
京都の夏の風物詩、五山の送り火の日にかつて学んだ教授の葬儀で集まった同級生の女たち。彼女たちは年を経るとともに、互いに言えないさまざまな秘密を抱えてもいた…
なんとも官能的な話で、いろいろとあけすけなその迫力に呑まれるように読みました。匂い立つような「女」が薫ってくるといいますか…。
秘密や嘘、打算を潜ませつつ世間的にはまっとうに過ごしてみせる「京都」という庭に住まう女たち。伝統ある街並み、という囲いのなかで、しがらみにもまれながらも精いっぱい自分らしくあろうと生々しく生きる彼女たちのたくましさと一方の脆さが伝わってくる物語でした。
Posted by ブクログ
官能的なのを読みたい気分なのと、舞台が京都だったので、初めての作家さんだったけど、手に取りました。
5人の女性の誰に自分は当てはまるか読み進め、当てはまらないからこそ、全員に共感出来てしまうんだろうか。訴えられるのは勘弁だけど、ノーマルなSEXを楽しんでる絵奈子が、とりあえず彼女達の中では理想かな。
Posted by ブクログ
5人の女性の物語で1人くらいは自分に似てる人間がいそうなものだけど、いなかった。
けれど、その5人の心境はどれもわかるような気がする。
ただ翠だけは最低な女だなぁ、と。
個人的には唯が一番羨ましいかな。
変態でも、誰に迷惑掛けてるわけじゃないし、幸せならいいじゃない。
自分を理解して寄り添ってくれる人がいるのは、例え愛じゃなかったとしても、やはり幸せだと思う。
再読はない、かな。